【一貫性の原理】を営業に応用する方法を公開

“オオタニ”
一貫性の原理という言葉を聞いたことがある人は非常に多いのではないでしょうか?

 

一貫性の原理とは、自分でコミット(ある立場をとったり、決断したりすること)したことに対して同じ態度・思考・行動を貫こうとする心理的法則です。詳しくは後ほど解説していきますが、定義としてはこのような感じです。

 

今回の記事ではこの一貫性の原理をどうやって営業に応用すれば良いのか?ということについて詳しく触れていこうと思います。

 

しかし具体的な営業の方法についてお伝えする前に、まずは一貫性の原理についてもう少し理解を深めていきましょう。以前の記事で紹介している「返報性の原理」と同様、非常に効果の高い心理的法則ですので完全に理解を深めてからスタートしていきましょう。

 

一貫性の原理が発動する2つの理由

一貫性の原理

まずここでは、そもそも一貫性の原理ってなんで起こるの?という疑問について詳しく解説していきたいと思います。

 

一貫性の原理が起こる理由は大きく分けて2つしかありません。それは⑴「社会的地位の維持」⑵「思考の近道」です。これだけ見てもよくわからないですよね?そこでこれら2つの内容について詳しく触れていこうと思います。

 

⑴一貫性の原理が起こる理由 社会的地位の維持

たとえば上司があなたに対して「〇〇くん、悪いんだけど今日中にこの書類の整理をしておいてくれるかな?」というお願いをしました。それに対してあなたは「かしこまりました!」と言って(コミット)仕事を引き受けます。

 

そしてあなたは上司から頼まれた仕事に対して「絶対に今日中に終わらせないと!でもまだ時間があるし、30分後にでもやろう〜」とタスクを先延ばしにします。

 

そんなことをしていたせいで、あなたは上司からお願いされた書類整理を忘れてしまい、次の日になってそれが上司に発覚してこっぴどく叱られるのです。さらに周りからは冷たい目線で見られてしまうしもう最悪です。

 

あなたはこの出来事から「なんで頼まれたその時にやっておかなかったんだ・・・」とものすごく後悔をするのです。

 

生存本能に根ざした一貫性の原理

つまり、コミットしたことに対して一貫性を保つことができなければ周りから冷たい目で見られてしまうのです。一貫性の原理とはコミュニティーの維持に繋がる生存本能に根ざした心理的法則なのです

 

ここでは生存本能についての詳しいお話はしませんが、もしも気になる方はこちらからご確認していただければと思います

 

⑵一貫性の原理が起こる理由 思考の近道

あなたは今日起こっていること全てを意識的に行なっていると思いますか?脳科学の世界では意識的に行なっていることは97%無意識に行なっていることは3%だといわれています。

 

さらにアメリカのデューク大学の研究によると、私たちの行動の45%は習慣によるものだということもわかっています。たとえば、朝起きたら歯磨きを忘れることはありませんし、お風呂に入る時に「どこから洗おう」なんてことは考えませんよね?

 

つまり我々の脳は日々の行動を考えなくても行えるような仕組みにできているのです。そうしないと全てのものごとに対して「思考」しなくてはいけなくてなり、脳がパンクしてしまうのです。

 

つまりここでいう「一貫性の原理」とは、習慣化されている行動のことを指します。意識をしなくても瞬時にある行動を取ることができるようになるということなのです。

 

ここで一つ面白い話があります。お盆に食事を乗せた兵隊さんに、隊長が「きおつけ!!!!」と発すると、その兵隊さんは一瞬で両手をビシッと太ももにつけてお盆を落としてしまったのです。

 

“オオタニ”
習慣化された行動は、「思考」を超えるってことですね

 

一貫性の原理を証明する2つの論文

一貫性の原理

ここでは一貫性の原理を証明した古典的な研究を紹介していこうと思います。これを知ることでさらにこの原理の理解を深めることができるようになりますので、しっかり読んでいただければと思います。

 

⑴【論文】前庭に大きな看板を立てさせるには?

心理学者のジョナサン・フリードマンとスコット・フレイザーはある研究を行いました。

 

ボランティアを装ったサクラ(仕掛け人)が①『「安全運転」と書かれた看板を庭の前に立てさせてくれないか?』というお願いを住民にしたのです。しかしこのお願いの仕方だと20%の承諾しかもらうことができなかったのです。

 

しかしこのお願いを行う2週間前にあることをすることでその承諾率が大きく変わったのです。それは②先ほどのお願いをする2週間前に住民に対して「車のガラスの後ろに安全運転と書かれた小さなステッカーを貼らせてもらってもよろしいでしょうか?」というお願いをしたのです。

 

そしてそのお願いを承諾してくれた住民に対して看板を立てることのお願いをしたところ承諾率が76%(①の3倍以上)まで上がったのです。

 

結論
看板を立てさせてもらうお願いをする前に、ステッカーの承諾を取り付けることで住民に「私は安全運転に興味・関心がある住民なんだ!」という思考を植え付けることができたのです。そこに一貫性が働き次の看板のお願いにも承諾を取り付けやすくなった

 

前後のお願いに関連性がなくても効果がある?

さらに研究は続きます。看板を立てさせてもらうお願いをする前に、その看板の内容と全く関係の無い内容のお願いを承諾してもらってからそのお願い(①のお願い)をするとどうなるのか?といったフォローアップ実験です。

 

その内容とは、③看板のお願いをする2週間前に「カリフォルニアを美しく」という嘆願書にサインをしてもらうといったものです。「前者のお願い(嘆願書)」と「後者のお願い(看板)」には全く関連性はありません。しかしこれでも看板を立てることの承諾率が46%(①の2倍)まで上がったのです。

 

結論
前のお願いの内容とその後に行うお願いの内容が関係なかったとしてもそこには一貫性の原理が生じる。「私は社会に関心のある立派な市民なんだ!」という一貫性がそこには働くということが分かった。

 

⑵【論文】ちょっとしたことが大きな結果を生む?

消費者行動を研究するダニエル・ハワードはある研究を行いました。

 

テキサス州に住むダラスの住民に電話をかけて①「飢餓救援協会の者がお宅までクッキーを売りにいってもよろしいでしょうか?」というお願いをするのです。もちろん、ここで売れたクッキーの売上は全て飢餓に苦しむ人たちに募金されるということも伝えます。

 

しかしこのお願いに同意してくれる人たちは18%しかいませんでした。しかしここにまたある工夫を行います。それは②「お元気ですか?」という質問をして、そのレスポンスに答えがあった人たちに対して先ほどのお願いをするといったものです。

 

嬉しい頃に先ほどの「お元気ですか?」という質問に対しては120名中108名の人たちが好意的な挨拶で答えてくれました(上々です、まぁまぁかな、など)。この後に先ほどのお願いをするとなんと32%の人たちがクッキーを売るためにお宅に来ることに同意をしたのです。

 

しかもそこで実際にクッキーを購入した方は89%にも及んだのです。

 

結論
「元気です!」と答えることにより、自分の置かれている環境が恵まれているというコミットをしたことで、飢餓救援に協力しないことをケチだと思われてしまいます。そこでクッキーを売ることへの承諾率が格段に上がったということですね

 

一貫性の原理を応用した営業テクニック

一貫性の原理

ではここからは営業テクニックの話に入っていこうと思います。先ほどお伝えした内容を全て総動員しながら読んでいただければと思います。

 

今回こちらでお伝えする内容は

  1. イエスセット
  2. フット・インザ・ドア
  3. ローボール・テクニック になります。しっかり学んでいきましょう!

 

1 イエスセット

イエスセットとは、お客さまから小さなイエスをコツコツとっていくことで、契約という大きなイエスを取りやすくなる営業テクニックです。

 

たとえば「笑っていいとも」のタモリさんはお客さまから「そうですね〜」という言葉を取るための質問をしていきます。そして最後のボケの入った質問をするのですが、お客さまはそれに対しても「そうですね〜」と答えてしまうのです。これはイエスセットの効果ですね。

 

なので営業が始まったら、お客さまからイエスをとっていくようにしましょう。もちろんあまりにも意識し過ぎると会話がぎこちなくなってしまうのでほどほどにするようにしてくださいね。

 

少し具体例を見ていきましょう。

オオタニ:「本日は暑いですね!」

お客さま:「そうですね」

オオタニ:「ということは山手線でこちらにいらしたんですね!」

お客さま:「そうです」

オオタニ:「〇〇さんは何か将来の目標などはあるんですか?」

お客さま:「はい、私の〜〜」

オオタニ:「その問題を解決したいと思われますか?」

お客さま:「はい、もちろんです」

オオタニ:「ご興味があるようでしたら、詳しいお話をさせていただこうと思うのですが10分ほどお時間ございますか?」

お客さま:「はい、お願いします」

オオタニ:「以上で弊社の詳細についての話は以上になりますが、ご予算の方などはいかがですか?」

お客さま:「はい!(もちろん、反論もあり得る)」

※反論への対処の仕方はこちらの記事をご参照下さい

 

以上のようにお客さまからイエスを取っていくことで、最終的に大きなイエスを獲得できるようになっていきます。

 

2 フット・インザ・ドア

フット・インザ・ドアとは、小さな承諾を取り付けて、最終的に大きな承諾を獲得するというものです。少しイエスセットと似ていますよね?違いとしては「イエス」を取るのか「承諾」を取り付けるのかの違いです。

 

たとえば、彼氏にブランド物のバックを買って欲しい場合はこのようにアプローチをしていきましょう。

 

彼女:「ディナー連れて行って〜」

彼氏:「いいよ!」

彼女:「服買って〜」

彼氏:「いいよ!」

彼女:「ブランド物のバック買って〜」

彼氏:「いいよ!」

 

このように「イエス」ではなく、あくまでも「承諾」を取り付けるようにしていくのがフット・インザ・ドアになります。しかしイエスセットもフット・インザ・ドアも結構似ていますので別々に意識しなくても大丈夫です。

 

これをもしも営業で使うのであれば、このようにしてきましょう。

オオタニ:「本日の待ち合わせ場所は〇〇でよろしいでしょうか?(メールで)」

お客さま:「はい、よろしくお願いいたします」

オオタニ:「よろしければ〇〇さんの今の悩みを聞かせていただけますか?」

お客さま:「はい。実はですね〜〜」

オオタニ:「もしもご興味ありましたら、10分ほどで弊社の話ができるのですがお時間ありますか?」

お客さま:「はい、ぜひお願いします」

オオタニ:「もしも、本日お話させていただいてご納得いただけたらご決断していただく形でもよろしいでしょうか?」

お客さま:「はい」

 

結構、イエスセットと似てますよね?ここで重要なのはあくまでも「承諾」を取り付けるというところです。最終的にあなたが獲得したい承諾は「契約」です。この大きな承諾を取り付けるための小さなお願いをしてくというニュアンスを忘れないようにしていただければと思います。

 

3 ローボール・テクニック

ローボール・テクニックとは、好条件だけを提案して承諾を得た後に、悪い条件を付け足したり、好条件の一部を取り除いたりする営業テクニックです。

 

僕ははっきり言ってこのテクニックは非常に嫌いです(笑)。なぜならお客さまを騙すような少し汚いテクニックだからです。だからこのテクニックはあなたが騙されないための防御策として使っていただければと思います。

 

パターン1:携帯会社はこのような形で契約をもらおうとしてきます。

携帯会社:「こちらのベーシックプランでしたら、低価格でご提供できます」

お客さま:「ではそれでお願いします!」

携帯会社:「しかしこちらのプランをつけないと、使いづらいかと思いますが、大丈夫でしょうか?」

お客さま:「はい(うわ〜お願いしますって言っちゃったしまぁいいか)」

 

パターン2:詐欺師だったらこのように使います。

詐欺師:「おめでとうございます!なんとこちらのお電話を差し上げた方のみに10万円相当の薄型テレビを無料でお届けしております!」

お客さま:「え〜ありがとうございます!」

詐欺師:「こちらの色ですが、スペースグレーとブラックどちらがよろしいでしょうか?」

お客さま:「スペースグレーで!」

詐欺師:「かしこまりました!ただですね、お受け取りには先に3万円のお振込が必要なのですが、大丈夫でしょうか?」

お客さま:「はい(怖いけど、まぁ大丈夫か!)」

 

パターン3:恋愛ではこのように使います。

A夫:「今度さ、C助と三人で飲まない?」

B子:「うん、いいよ!(A夫とは仲良くないけど、C助がいるし、いいかぁ)」

遊びの当日

A夫:「ごめん、今日C助からキャンセルの連絡入っちゃった。二人でどっかの喫茶店でも行こうよ!」

B子:「うん、わかった(断るのも気まずいし、ちょっとくらいだったらいっか・・・)

 

まとめ

一貫性の原理についてしっかり理解することはできましたでしょうか?

 

この原理は以前お伝えした「返報性の原理」同様にかなり強力な影響力を持つということを理解していただけたでしょうか?

 

仕事場や交友、恋愛に到るまで幅広い状況下で活躍しますのでぜひ意識して使ってみてください。

 

もしもそのほかの営業スキルについて知りたいという方は下記の方に参考記事を出しておきますのでぜひご覧いただければと思います。

 

本日も最後までご覧いただいきありがとうございました!

一貫性の原理を応用した営業