営業で使える8つの心理学

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“オオタニ”
本日は、営業で使える意外な心理学を8つ紹介しようと思います

 

8つの営業心理学

 

①恐怖だけではモノを買わない心理学

営業ではお客様に対して恐怖を与えることが大切だ!」という教えがかなり広まっているようですが、実はそれだけでは販売を成功させることはできません。

なぜなら、人間はあまりにも恐怖を与えられすぎると、そこから目を背けようとするからです。

 

たとえば、サラリーマンに対して副業をすすめる時に

「そろそろ副業を始めた方がいいよ〜。

だって最近では、終身雇用制度の見直しもされているし、AI化やオートメーション化によってどんどん人件費削減が行われているからさ〜。

あとね〜」

 

などと、恐怖を与えれば与えるほど、相手はその現実から目を背けようとするのです。

 

では、どうすれば上手に恐怖を与えることができるのでしょうか?

それは、「恐怖」だけではなくて、それにプラスして「具体的な解決策」を伝えることが大切になります。

 

【論文】破傷風の予防注射を快く引き受けさせる方法は?

社会心理学者のハワード・レーベンタールは、恐怖と具体的な解決策に関するある研究を行いました。

レーベンタールらは、学生たちに「破傷風の危険が書かれた公衆衛生パンフレット」を読んでもらいました。

そのパンフレットには破傷風によって引き起こされる恐ろしい画像が入っているものと入っていないものを用意しました。

 

そして、一部の学生には予防注射の具体的な受け方を伝えて、それ以外の学生には何も伝えませんでした。

さらに対照群となる別の学生には破傷風の危険は告げすに、予防注射の受け方のみを伝えました。

※分かりにくいので図にします

A群

  • 公衆衛生パンフレット(画像あり)注射の具体的な受け方を教える
  • 公衆衛生パンフレット(画像あり)注射の具体的な受け方を教えない
  • 公衆衛生パンフレット(画像なし)注射の具体的な受け方を教える
  • 公衆衛生パンフレット(画像なし)注射の具体的な受け方を教えない

B群

注射の具体的な受け方だけ教える

 

その結果、破傷風の恐怖を知らせ具体的な危険回避手段を示された学生に限り予防注射を受けることを決断したのです。

赤文字の学生たち

 

②会話のスピードで説得力が上がる

営業において説得力は非常に大切な力ですが、それを高めるためには何をすればいいのでしょうか?

その方法は、レスポンスを早くすることです。

 

たとえば、お客さまに「保険って全部で何種類あるんですか?」と尋ねられた時に、「大きく分けると3種類です!」とすぐにレスポンスできると、これが説得力に大きな影響を与えるのです。

逆に、「保険って全部で何種類あるんですか?」と尋ねられた時に、「え〜・・・(3秒)」と考える時間が増えると説得力が下がってしまうわけです。

 

しかし、「レスポンスを早くしろ!」といっても、考えないと出ない答えもありますよね?

そんな時には、「バックトラッキング」という技を使いうのがオススメです。

バックトラッキング

【バックトラッキング】潜在意識に働きかける信頼獲得術【具体例あり】

2019年1月7日

 

バックトラッキング とは、おうむ返しのことで、相手の発言をそのままの形で繰り返すコミュニケーション話法です。

たとえば、先ほどのようにお客さまから「保険って全部で何種類あるんですか?」と聞かれたら、「保険の種類でしょうか?」というそのままの形で繰り返すだけです。

すると、説得力を保つことができますし、多少ではありますが返答を考える時間を稼ぐことができます。

 

もちろん、専門家であるいじょう、全ての質問に対して素早く答えることは大切なのですが、もしも、すぐに返答できなかったらバックトラッキング を使ってみてください。

 

【論文】説得力にIQは関係ない?

クイーンズランド大学では、学生たちにIQと性格診断を受けさせた後に、

全員に「宝石の名前をできるだけあげてください」といったクイズを出して、どれだけ頭の回転が早いかを測定しました。

 

さらにその後、被験者(先ほどのクイズに挑戦した人たち)の友達にインタビューを行い、普段からどれくらい彼ら(被験者)の会話には説得力があるのかを調べたのです。

その結果、説得力を高めるのはIQの高さや性格の良さではなく、「会話のスピード」だということが分かったのです。

 

③実績よりも将来性が重要?

これまで「実績がないんですけど、どうすればいいですか?」という質問を今までたくさん受けてきました。

確かに売上をあげる上で「実績」は非常に重要な要素となることは間違いないでしょう。

 

しかし、「実績」も大切ですが、それよりも大切なあるものが発見されました。

それは、「将来性」です。

 

たとえば、ある研究では、投資家にお金を募る際「弊社では今まで〇〇の実績があるので〜」と伝えるよりも、

「弊社は将来〇〇のようになる可能性があり〜」と伝えた方が、多くの投資額を募ることができるという結果となりました。

なので、もしも今「実績」がなかったとしても「将来性」を見せることで、契約率を高めることができるということが言えます。

 

【論文】将来性が経験を上まる時

ある研究では、被験者に対して、大企業の財務部の上級職に応募してきた人物(研究者が用意したサクラ)を評価するように指示しました。

そしてその応募者を2種類に分けました。

  1. 関連業務の経験が2年ありで、最近受けた「リーダーシップ達成度調査」というテストで92点
  2. 関連業務の経験なしで、最近受けた「リーダーシップ将来性調査」というテストで92点

 

そして、面接官である被験者に対して、「今後2年でどちらの人が活躍できそうか?」という質問をしたところ、②の人物に対する評価が高かったのです。

「将来性」が「実績」を上回ることがあるという素晴らしい実験でした。

「実績」がないからって、諦めないでください。

 

④「想像のしやすさ」が契約に影響を与える

人間の脳は、容易に想像できるものに対して好意を抱くようにできています。

これを、利用可能性ヒューリスティクスと言います。

では次に、この利用可能性ヒューリスティクスを利用した好意を得るための方法を1つご紹介していこうと思います。

 

それは、相手の想像しやすい具体例を用いて専門的な話をする」という方法です。

われわれ営業マンは、専門家です。しかし、お客様は非専門家です。

そんな2人が交渉をしていれば、お客様にとって分からない専門用語が出てくることもあります。

その時に、その専門用語を相手の趣味やスポーツなどに例えて説明することができれば、お客様はそれを容易に想像することができるようになります。

その結果、利用可能性ヒューリスティクスによって、好意を得てもらうことができるわけですね。

 

しかし、売れない営業マンは、自分の経験を具体例にして説明してしまいがちです。

これは、契約率を下げる要因となり得るでしょう。

なぜなら、お客様の想像しやすい具体例ではない可能性が高いからです。

 

すると、脳は大きなストレスを感じる(認知負担)ので、営業マンの話に対して嫌悪を抱くようになってしまいます。

つまり、これは営業マンへの嫌悪にも繋がってしまうのです。

だから、専門用語などを説明する際は、あくまでも相手の想像しやすい具体例を使うようにしましょう。

 

【論文】想像してもらうだけで購入に繋がる?

社会心理学社のペティア・ペトローヴァは、被験者に対してレストランでの食事や休暇旅行を楽しんでいるところを思い描くように指示します。

すると、その想像が簡単だった場合には、行きたいと思う気持ちが強められるということが分かったのです。

 

さらに、ミヒャエラ・ウェンケの研究では、

ビジネス専攻の学生を2つのグループに分けて、それぞれにBMW(車)に関する違った広告を見せ、その評価の違いを調べました。

  1. 「BMWかベンツか?BMWを選ぶ理由を10個挙げられますか?」という文言の広告
  2. 「BMWかベンツか?BMWを選ぶ理由を1つ挙げられますか?」という文言の広告

 

実験の結果、グループ②の方がグループ①よりもBMWに対して高い評価を下したのです。

「1個挙げて」と言われたときはすぐに想像できますが、

「10個挙げて」と言われると簡単に挙げることができないので、BMWに対して否定的な感情が湧いたということです。

 

⑤クロージングを劇的に変える「BYAF話法」

BYAFとは「But You Are Free」略です。

直訳すると「しかし、それはあなたの自由です」という意味ですが、

この文句をクロージングに入れるだけで契約率を2倍にすることができるということが分かったのです。

 

ではなぜこのクロージング話法が効果的なのでしょうか?

それは「裁量権」に関係があります。

裁量権とは、簡単に言うと「選択権」のことです。

人間には、選択の自由を奪われると、それを取り戻そうとする心理が存在します。

 

たとえば、「絶対に別れた方が良いよ!」と言われると、逆に別れたくなくなりませんか?

 

しかし逆に、裁量権を与えることで、こちらの要求を飲ませることもできるのです。

たとえば、旦那にタバコを止めてもらいたいのであれば、

「もう子供も生まれるし、タバコはやめて欲しいな。でもやめるかやめないかはあなた次第だけどという感じですね。

 

【論文】BYAF話法の方程式は?

BYAF話法は、過去の説得術に関する研究から質の高い42件をまとめたものになります。

総数2万2000人のデータを集めたものです。

 

もっとこのBYAF話法を分かりやすく使いこなすための方程式を最後に紹介して終わろうと思います。

その方程式とは、「事実+希望+BYAF」です。

 

先ほどタバコの例を出しましたね。それを振り返って見るとその通りになっています。

「もう子供も生まれるし(事実)、タバコはやめて欲しいなぁ(希望)。

でもやめるかやめないかは、あなた次第だけどね(BYAF)」

このような感じで、自分のメッセージを伝えると、角が立たない説得を行うことができるようになるのです。

参考文献:メンタリストDaiGo著 『先延ばしする人は早死にする! 「あとで」を「すぐやる」に変える心理学』

 

⑥品質最高!価格安い!でも売れない原因は?

仮にあなたが携帯電話に月々1万円を支払っているとします。

そんな中、オータニに「その携帯電話の価格を、今使っているプランで5000円にできるよ!」と言われたらどうしますか?

きっと多くの人たちがこの提案にすぐに乗るのではないでしょうか?

 

しかし、これがですね、選択肢が多かった時意志力が低くなっている時は、どうも乗り気にならなかったりするんですよね。

 

普通に考えたら、5000円安くなるのであれば、すぐにでも乗り換えるはずなのですが、

人間には「現状維持バイアス」といって、現状維持をしてしまうという心理的法則が働くことがあります。

 

ではどのようにすれば、携帯を乗り換えさせることができるようになるのでしょうか?

その方法は、この浮いた5000円(機会費用)で何をするのかを明確にしてあげれば良いのです。

 

たとえば、

「今お使いの携帯の価格が1万円から5000円になるんですよ。

そしたら、その浮いた5000円(機会費用)でスポーツジムにでも通えば良いと思います。

ほら最近下っ腹が出たっておっしゃっていたので。」

という感じです。

 

このように、機会費用を使って具体的に何をするのかをしっかり伝えることができれば、承諾率を大きく上げることができるようになります。

 

【論文】質問の仕方で購買率がこうも違う?

消費者行動のフレデリックの研究では、被験者に15ドルのDVDを買う場面を想像させました。

そして、彼らを2つのグループに分けて、それぞれに対して違う質問をしたのです。

  1. 「DVDを買う?買わない?」といった単純な質問をした
  2. 「DVDを買う?それとも15ドルは別のものにとっておく?」という質問をした(機会費用を強調)

 

これら2つの質問は、一見全く違うように思えますが、伝えているメッセージは全く一緒です。

結果は、①では購買率が75%だったのに対して、②では55%でした。

「機会費用」を強調することで、それを別のものに使いたいと思ったということですね。

 

⑦相手にラベルを貼り付ける効果

ラベリングテクニックとは、

相手に「特徴」「信念」「態度」をラベルのように貼り付けて、そのラベルのような「特徴」「信念」「態度」を取らせるというテクニックです。

ラベリングテクニックには、一貫性の原理という心理効果が関係しています。

たとえば、親が子供に対して「ダメな子ね!」というと、子供はそのラベルを信じて「自分はダメな子なんだぁ・・・」と思い込んでしまいます。

 

一方で、初めて会う人に対して「会うまで緊張していたんですが、優しそうな人で良かったです!」なんていうことを言うと、

相手は「優しい」というラベルを貼り付けられたため、「優しく振る舞わないと!」と思うようになるのです。

これにより、商談を有利に進めることができるようになります。

 

【論文】投票率を上げるためには?

アリス・タイバウトとリチャード・ヤルクは、有権者を2つのグループに分けて投票率を上げる実験を行いました。

さらに、その2つのグループには投票の1週間前に別々の言葉をかけたのです。

  1. 「あなたは模範的市民で投票に行く可能性が高い市民だ」という言葉をかけた
  2. 「あなたは関心や行動といった点から見て平均的な市民だ」という言葉をかけた

実験の結果、①の方が②よりも投票に行く確率が15%も高くなりました。

 

⑧損失回避と希少性の法則

人は「何かを手に入れる喜び」よりも「何かを失う恐怖」の方に影響を受けるということを行動科学の研究者ダニエル・カーネマンが証明しました。

これをプロスペクト理論といいます。

 

たとえば、商品を販売する際には、「◯個限定!限定◯日!」という感じで希少性を出すことをおすすめします。

すると、「この機会を失いたくない!」という欲求が働き、購入率を高めることができるようになるのです。

 

【論文】オールドコークとニューコーク

1985年、コカ・コーラ社はある事件を起こしたのです。

それは「甘みの強いペプシを好む人が増えているというデータ」を踏まえて、従来の製法のコークを撤退させて、もっと甘い「ニュー・コーク」に切り替えるというものでした。

 

これに従来の「オールド・コーク」を愛飲する人たちは激怒したのです。

中でも引退した投資家であるゲイ・マリンズ氏は大激怒して「全米オールド・コーラ愛飲家協会」という組織を立ち上げたことで一躍有名になりました。

 

しかし、ここで驚くべきことは、ゲイ・マリンズ氏はブラインドテストでオリジナルコークとニューコークの違いがわからなかったのです。

つまり、彼は「オールド・コーク」を飲む機会を失ってしまうという欲求だけで、このような大胆な行動をしたのです。

 

ちなみに、この事件が起こる前の1981〜1984年の市場調査では、25の都市で20万人を対象に新旧のコークを念入りに試飲テストしていたのですが、

そのブラインドテストでは55%vs45%でニューコークの方がオールドコークよりも好まれていたのです。

 

さらに、事前にどちらがオールドコークでニューコークかを知らされていた時では、ニューコークの方を好む人がさらに6%も多いことがわかりました。

なぜなら、市場調査の段階では「ニューコーク」の方が手に入りにくくて、「オールドコーク」の方が手に入りやすかったために前者に希少性が反映されたからですね。

「何かを失う」という恐怖は人に大きな影響を与えることが分かりますね。

 

最後に

本日は、営業で使える8つの心理学についてそれぞれ解説してきました。

 

もしも、その他にも営業で使える心理学についても知りたいと思っている方は、

こちらの記事を参考にしていただければと思います。

【完全版】営業で活用するべき心理学47選

2020年2月3日

 

参考図書

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影響力の武器-実践編-
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