モラル・ライセンシングとは|目標達成を妨げる心理的罠

モラル・ライセンシングとは、良い行いをしたら、悪い行いをしてもいいと感じる心理現象のことです。

たとえば、下記のような感じです。

ダイエット中のモラル・ライセンシング

今日は1キロ多めに走ったから、ショートケーキを食べてもいいよね!

このように、我々は、良い行いをしたあとは、悪いことをしてもいいという錯覚を起こす傾向があります。

しかし、なぜこのような現象が起こるのでしょうか?

というわけで本日は、

本日のテーマ
  1. モラル・ライセンシングとは
  2. モラル・ライセンシングの具体例
  3. モラル・ライセンシングのデメリット
  4. モラル・ライセンシングから脱却する方法

というテーマでブログを執筆していこうと思います。

モラル・ライセンシングとは

モラル・ライセンシング

良い行いをしたら、悪い行いをしてもいいと感じる心理現象

別名「モラル信任効果(Moral Credential Effect)」とも呼ばれています

モラル・ライセンシングの具体例

ではいくつか具体例を見ていきましょう。

例1.受験勉強

今日、いつもよりも多めに勉強をしたとする。

すると、「明日は1日フリーにしてもいいか!」と考えてしまうことがあります。

しかし、このような考え方で、受験に受かることはないでしょう。

なぜなら、1日多めに勉強したからといって、次の日を1日フリーにしてもいい理由にはならないからです。

逆に、トータルの勉強時間は減ることになるでしょうね。

例2.人助けの後

たとえば、帰宅途中、電車でおばあちゃんに席を譲ったとする。

ものすごく心地のいい状態で帰宅しようとします。

そんな中、カバンの中から、コンビニで買ったパンの袋が出てきます。

すると、「今日はおばあちゃんに席を譲ったことだし、ポイ捨てをしてもバチは当たらないだろう!」とおかしな正当化をするようになるのです。

例3.ブログをサボる

これは実際にオータニが体験した話です

普段、1日に1記事ブログを執筆するのですが、その日はやる気が高く、2記事生産することができました。

しかし、次の日になると「昨日は2記事執筆したし、今日は執筆しなくてもいいか!」と記事を書かなくなってしまうのです。

結局、1日に頑張って2記事書いたとしても、モラル・ライセンシングの影響により、次の日はサボってしまうことがあるということですね。

だから、今はたとえやる気が高かったとしても、1記事で終えるようにしています。

なぜモラルライセンシングが発動するのか

しかし、なぜこのような滑稽な心理現象が発動するのでしょうか?

理由:当事者の勘違い(バイアス)

結論、「良い行いをしたら、多少倫理的にズレたことをしても問題ないのでは?」という錯覚に陥るからです。

つまり、良い行いをしたら、悪いことをしてもいいという免罪符を手にしたかのような錯覚に陥るわけです。

これは、人間が持つ元々のバイアスによるものと考えられています。

実験:ジョン・リスト

2017年のジョン・リスト(John List)らの実験を紹介します。

手順1

被験者たちに(非ドイツ語圏の人たち)に、不鮮明の短いドイツ語の文章を清書するという仕事を行わせる

手順2

仕事の前に、被験者を下記の2つのグループに分けた

  1. 「報酬の5%は慈善団体に寄付する」と告げられたグループ
  2. 何も知らされなかったグループ
条件1

全て清書した被験者たちには、約束された報酬を支払う

条件2

読み取るのが難しい課題は、飛ばすことが許されていた
(それによって報酬が減額されることはなかった)

実験の結果

グループ①は、グループ②と比べて、本来読めるハズの課題を「読めない」と飛ばすことが多かった

>>参考図書:情報を正しく選択するための認知バイアス事典

モラル・ライセンシングのデメリット

では、モラル・ライセンシングを影響を受けると、どのようなデメリットがあるのでしょうか?

結論:目標達成を妨げる

なぜなら、モラル・ライセンシングは、あなたの掲げる目標とは逆の行動を取らせようとするからです。

例.ダイエット

たとえば、ダイエットのために今日は1キロ多めに走ることができたとする。

しかし、1キロ多めに走ったご褒美にショートケーキを食べてしまいました。

この“ショートケーキを食べること”と“ダイエットすること”って真逆の行動ですよね?

実は、我々はこのような矛盾する行動を無意識レベルで取ってしまっています。

なので、モラル・ライセンシングのことをしっかり理解して、その罠から脱却しなければならないのです。

モラル・ライセンシングと意志力(ウィルパワー)

ではここからは、モラル・ライセンシングと意志力(ウィルパワー)の関係について解説していきます。

意志力(ウィルパワー)とは

意志力(ウィルパワー)

自制心、自己コントロール力のこと

>>意志力(ウィルパワー)の詳細はこちら

もっと具体的にいうのであれば、「続ける力」「断つ力」のことですね。

たとえば、下記のようなもに使われます。

  • 毎日ウォーキングをする(続ける力)
  • 禁煙する(断つ力)
  • 禁酒する(断つ力)

良い行い→意志力(ウィルパワー)が低下

良い行いをしたあとは、意志力(ウィルパワー)が低下するということが分かっています。

だから、良い行いをした後は、目標とは逆の行動を取りやすくなってしまうのです。

たとえば、1キロ多めにウォーキングをした後は、ショートケーキを食べることを許してしまったり。

モラル・ライセンシングを攻略する方法

モラル・ライセンシングを攻略する方法
  1. モラル・ライセンシングを理解する
  2. 行動に「なぜ」と問う
  3. 意志力(ウィルパワー)を鍛える

方法1.モラル・ライセンシングを理解する

結論、まずはモラル・ライセンシングをしっかり理解しましょう。

なぜなら、モラル・ライセンシングを知らないと、それに気づくことができないからです。

つまり、「今モラル・ライセンシングの影響を受けてる!」と感じることができないからです。

このように、一歩引いて自分のことを見ることをメタ認知と言います

理性的な自分を取り戻す

たとえば、1キロ多めに走った後に、ショートケーキを食べたくなったとする。

しかし、ここで「今、モラル・ライセンシングの影響を受けている!」と感じることができれば、理性的な自分を取り戻すことができますよね?

このように、モラル・ライセンシングという無意識に発動する心理現象を客観的に見つけることで、理性的な自分を取り戻すことができるようになるのです。

方法2.行動に「なぜ」と問う

モラル・ライセンシングが発動したら、目標達成のための行動に「なぜ?」という質問をぶつけましょう。

なぜなら、「なぜ?」と問うことで、本来の目標を思い出すことができるからです。

例.なぜランニングをするのか?

  • 今日は5キロも走ったし、帰りに美味しいショートケーキを買おう!
  • なぜ、ランニングをするのか?
  • 痩せてきれいになって、元彼を見返すため!

香港科技術大学・シカゴ大学の研究

被験者の学生を2つのグループに分けました。

2つのグループ
  • A:誘惑に負けなかった時のことを思い出してもらったグループ
  • B:なぜ誘惑に負けなかったのかと理由を尋ねられたグループ

そして、それぞれのグループがどれくらい自分を甘やかすか? を調べます。

結果は、下記のようになりました。

実験の結果
  • A:誘惑に負けなかった時のことを思い出してもらったグループ
    70%の人たちが自分を甘やかした
  • B:なぜ誘惑に負けなかったのかと理由を尋ねられたグループ
    →69%の人は誘惑に負けなかった

この実験にもある通り、自分の行動の理由を常に意識化することで、目の前の欲求に負けずらくなるのです。

>>引用:『スタンフォードの自分を変える教室』

オータニが継続できる理由

結論、目標が常に意識化されているからですね。

オータニは、モラル・ライセンシングを知ってから、継続を怠ったことは一度もありません。

なぜなら、行動の理由が常に明確になっているからです。

それは、ノマドライフ(場所と時間を選ばない人生を送ること)ですね。

毎日、この目標を頭に思い浮かべながら作業をしています。

目標を意識化するために

結論、目標が常に視界に入るように工夫をしましょう。

たとえば、PCやスマホのトップ画面を、目標が書かれた壁紙にしたりという感じで。

方法3.意志力(ウィルパワー)を鍛える

意志力(ウィルパワー)を鍛えましょう。

なぜなら、意志力(ウィルパワー)を鍛えることで、誘惑に負けにくい自分を作ることができるからです。

意志力(ウィルパワー)は鍛えられる

実は、意志力(ウィルパワー)は、筋肉のように鍛えることができるということがわかっています。

このことは、ノースウェスタン大学などの実験により分かっています。

もしも、意志力(ウィルパワー)の鍛え方について詳しく知りたい方は、『意志力(ウィルパワー)とは|自制心が高まれば人生が変わる!』を参考にしてください。

まとめ:モラル・ライセンシング

では最後にまとめましょう。

本日は、

本日のテーマ
  1. モラル・ライセンシングとは
  2. モラル・ライセンシングの具体例
  3. モラル・ライセンシングのデメリット
  4. モラル・ライセンシングから脱却する方法

というテーマでブログを執筆しました。

モラル・ライセンシングは、無意識のうちに発動する心理現象です。

なので、まずはモラル・ライセンシングをしっかりと理解しましょう。そして、自分の目標を見失わないように、常に意識化する工夫をするのです。

すると、モラル・ライセンシングの罠から逃れることができるようになります。

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