ピグマリオン効果(Pygmalion effect)とは、ポジティブな期待をされることで、ポジティブな成果を得やすくなるという心理現象のことです。
たとえば、教師が生徒たちにポジティブな期待を寄せることで、生徒たちの成績がUPしたという実験などがあったりします。
このように、我々は、他者から期待を寄せられることで、その期待に見合った成果を出すことがあります。
しかし、なぜこのような現象が起こるのでしょうか?
というわけで本日は、
- ピグマリオン効果とは
- ピグマリオン効果と関連のある心理学
- ピグマリオン効果を営業に活用する方法
- ピグマリオン効果をマーケティングに活用する方法
- ピグマリオン効果を教育に活用する方法
- ピグマリオン効果を目標達成に活用する方法
というテーマでブログを執筆していこうと思います。
目次
ピグマリオン効果とは
ポジティブな期待をされることで、ポジティブな成果を得やすくなるという心理現象
ピグマリオン効果の由来
キプロスの王ピグマリオンが、自分で彫った象牙の乙女像を愛し続けた結果、乙女像が本物の人間になったというギリシャ神話から来ています。
ちなみに、ピグマリオン効果は、実験者であるロバート・ローゼンタール氏の名前を取って「ローゼンタール効果」ともいわれています。
※他にも実験内容から「教師期待効果」ともいわれています
ピグマリオン効果の実験
では、ピグマリオン効果を証明する実験を2つほど紹介します。
- ロバート・ローゼンタールの実験
- ハーロックの実験
実験1:ロバート・ローゼンタールの実験
1965年にアメリカの心理学者ロバート・ローゼンタール氏は、いくつかの学校を対象にある実験を行いました。
研究者たちは、教師たちにブルーマー(知力が伸びる時期にある人、才能を開花させる人)を特定できるテストを開発したと伝え、
そのテストの結果、20%の生徒たちがブルーマーに該当すると教師たちに思い込ませます。
※しかし、本当は20%の生徒たちは、ただ無作為に選ばれた人たちでした
1年後、ローゼンタールは、ブルーマーに選ばれた生徒たちのIQの上昇率が、それ以外の生徒の上昇率よりも遥かに高いということを発見しました。
教師たちは、ブルーマーに選ばれた生徒たちにより注意を払うようになり、生徒たちの成績が向上したと言えます。
- 教師たちは、ブルーマーに選ばれた生徒たちにポジティブな期待を寄せる
↓ - ブルーマーに選ばれた生徒たちのやる気⤴︎
↓ - ブルーマーに選ばれた生徒たちの成績⤴︎
実験2:ハーロックの実験
アメリカの心理学者ハーロック氏はの実験を紹介します。
まず、小学5年生に5日間算数のテストをさせるのですが、その際、彼らを3つのグループに分けます。
- 成績を問わずに褒める
- 叱る
- 何もしない
それぞれのグループの学生がどれくらい成績が向上するか?を調べます。
成績を褒めたグループは成績が上がり、叱ったグループは成績が停滞し、何もしないグループには変化はありませんでした。
期待された(褒められた)生徒たちは、やる気が高まったことで、学習意欲が向上し、テストの成績が上がったということですね。
ピグマリオン効果と関連のある心理学
- ゴーレム効果
- プラシーボ効果
- エンハンシング効果
心理学1:ゴーレム効果
ネガティブな期待をされることで、ネガティブな成果を得やすくなるという心理現象
つまり、ピグマリオン効果の逆ですね。
たとえば、「お前は頭が悪いんだ!」とネガティブな期待を受けた子供の成績が低下してしまったりします。
他にも、部下や後輩に対して「なんでこんなこともできないんだ!」と叱責を繰り返すことで、彼らの成績が低下してしまったりもしてしまいます。
心理学2:プラシーボ効果
「思い込みの力」によって、人間の身体・精神に影響を与える心理現象
※プラシーボには「偽薬」という意味が有ります
たとえば、「本当の薬」だと思い込んで「偽薬」を飲まされると痛みを感じなくなったり、
他にも、「お酒」だと思い込んで「アルコール0の飲料」を飲むと酔っぱらってしまうなんてこともあります。
先ほどの実験を引用すると、教師にポジティブな期待をされることで、生徒は「私にも能力があるのかもしれない!」と自分に期待するようになります。
その結果、勉強へのパフォーマンスに変化が起き、成績が向上するのです。
心理学3:エンハンシング効果
言語的な外発的動機付けにより、内発的動機付けが強化される心理現象
たとえば、営業でいつもよりも高い成績を取ることができ、上司から「いや、本当にいつもありがとう!」なんて言われると、
「これからも頑張ろう!よし!来月はもっと売上を上げるぞ!」と思えますよね?
他にも、お母さんから「自主的に勉強するなんて本当に偉いわね!」なんて言われると、「これからも頑張ろう!」と思えますよね?
このように、言語的報酬(褒める・感謝)を与えることで、やる気が高まり、それが成績に影響を与えるのです。
ピグマリオン効果を営業に活用する方法
では、ここからはピグマリオン効果を営業に活用する方法について解説します。
方法:尊敬される振る舞いをする
尊敬される振る舞いをするようにしましょう。
なぜなら、尊敬していない相手から期待を寄せられても、ピグマリオン効果を最大化させることができないからです。
たとえば、尊敬している先生から「お前だったらできる!」と言われるのか、見下している先生から期待されるのか、どちらの方が「頑張ろう!」と思えますか?
明らかに、前者ですよね?
つまり、ただ「〇〇さんだったら大丈夫です!」などと期待の言葉を伝えても、それを伝える人間が尊敬されていなければ、効果を最大化することはできないのです。
温かさ&強さ
では、尊敬されるためには、どうすればいいのでしょうか?
結論、人間力(温かさ)と説得力(強さ)を鍛えましょう。
というのも、我々は、これら2つの要素で相手のことを信用するからです。
たとえば、お客様を一切否定せず(温かさ)、知識がものすごく豊富(強さ)な営業マンって信用できますよね?
なので、これら2つの要素を意識して営業を行い、クロージング時にしっかりと期待を寄せて上げるようにしましょう。
ピグマリオン効果をマーケティングに活用する方法
では、ここからはピグマリオン効果をマーケティングに活用する方法について解説します。
方法:診断コンテンツを使う
診断コンテンツとは、ユーザーにいくつかの質問をした後に、そのユーザーを特定のタイプに振り分けるコンテンツのことです。
これを効果的に使うことで、ユーザーへの期待を伝えることができるようになります。
2つの事例
ただ、診断コンテンツと言われても、イメージが沸かないですよね?
というわけで、ここからは診断コンテンツの事例を2つ紹介しようと思います。
- やまもとりゅうけん
- コミュ力診断テスト
例1:やまもとりゅうけん
たとえば、「人生逃げ切りサロン」を運営しているやまもとりゅうけんさん(@ryukke)は、公式LINEの方で、「あなたのぴったりの副業診断!」なるものをやっています。
現代では、「副業を始めたい、でも何をすればいいの?」という悩みを持った人たちがたくさんいます。
もしも、診断結果が「あなたのぴったりの副業は動画編集です!」となれば、「よし!じゃあ診断結果通り動画編集を頑張るぞ!」となるわけです。
例2:コミュ力診断テスト
オータニは、「コミュ力診断テスト」という現状のコミュ力を測定するサービスを無料で提供しています。
そして、これを受講したユーザーには、ポジティブな期待を寄せるようなフィードバックを与えるようにしています。
というのも、ポジティブな期待を寄せることで、ユーザーは「もっと頑張ろう!」と感じるようになるからです。
つまり、これはバックエンド商品を購入することに繋がるので、このような診断テスト系のサービスは非常に効果的と言えるでしょう。
ピグマリオン効果を教育に活用する方法
では、ここからはピグマリオン効果を教育に活用する方法について解説します。
方法:「叱責の言葉」を「期待の言葉」に変える
“叱責の言葉”を“期待の言葉”にフレーミングしましょう。
同じ主張でも、表現を変えることで、別の印象を与える心理現象
3つの事例
では、フレーミングの例を3つほど紹介していきます
- アポイントが取れない後輩
- 遅刻癖がある部下
- SNSを更新しないクライアント
例1:アポイントが取れない後輩
「何でアポイントが取れないんだ!」
「コミュニケーション力はあるわけだから、アポイントさえ取れれば、〇〇君だったら必ず成果になるはずだよ!
もしも、アポイントの取り方が分からないのであれば、いつでも相談しろよ!」
例2:遅刻癖のある部下
「何で遅刻ばかりするんだ!」
「〇〇さんの、仕事っぷりにはいつも感謝しているよ!
いや〜遅刻が無くなったらもっと、仕事で評価されると思うよ?」
例3:SNSを更新しない顧客
これは、営業コンサルタントであるオータニの実際の例になります
「何で毎日facebookを更新しないんですか?だから成果が出ないんですよ?」
「〇〇さんの投稿をいつも拝見していますが、内容はめちゃめちゃいいと思います!僕の勉強になっているくらいです。
なので、毎日投稿したらもっとフォロワーも増えると思いますよ!」
ポイント
まずは、その人の今の成果を褒めたり、感謝したりしましょう。(どんなに小さくてもOK)
この部分が期待ですね。
その後に、「もっと〜したら〇〇な結果になる!」という未来を見せると、叱ることなく相手を説得することができるようになります。
ピグマリオン効果を目標達成に活用する方法
では、ここからはピグマリオン効果を目標達成に活用する方法について解説していきます。
方法:期待される環境に飛び込む
必ず、あなたを期待してくれる環境に飛び込むようにしましょう。
例:独立したい
たとえば、あなたが独立をしたいと思っているとする。
しかし、多くの人たちはあなたを応援してくれないでしょう。
たとえば、「やめときなよ〜」「お前には無理だよ〜」「リスクが〜」などとあなたの足を引っ張ろうとしてきます。
そのような環境にいると、あなたの成果もネガティブなものになってしまいます。(ゴーレム効果)
オススメ:オンラインサロン!
だから、思い切ってポジティブな言葉を浴びることができる環境に身を投じましょう。
最近だと、安価でそのような環境に飛び込むことができます。
たとえば、オンラインサロンなどがその一例ですね。
どんなに高くても月額1万円くらいで参加することができますし、さらにオンラインコミュニティーなので場所を選びません。
もしも、自己成長などを望んでいるのであれば、この記事を読み終わったらすぐにネットで検索して参加することをオススメします。
まとめ:ピグマリオン効果
では最後にまとめましょう。
本日は、
- ピグマリオン効果とは
- ピグマリオン効果と関連のある心理学
- ピグマリオン効果を営業に活用する方法
- ピグマリオン効果をマーケティングに活用する方法
- ピグマリオン効果を教育に活用する方法
- ピグマリオン効果を目標達成に活用する方法
というテーマでブログを執筆しました。
あなたの評価が無意識のうちに、「他者」に影響を与えています。他者の評価が無意識のうちに、「あなた」に影響を与えています。
その事実をしっかり受け止め今後、教育、目標達成を意識していきましょう。