脳内コントラスティング法とは、「現状の自分」と「理想の自分」を対比させるメソッドのことです。
いきなりですが、先に触れておきたいことがあります。
結論、自己啓発などの「未来を描こう!」「肯定的な言葉を浴びせよう!」という「理想の自分」しか掲げないメソッドには目標達成の効果は期待できません。
理由は後ほど解説しますが、目標達成において大切なことは「理想の自分」を想像しながらも、「現状の自分」を対比させることです。
つまり、達成したい目標にちょっとした「悲観主義」を取り入れるイメージですね。
しかし、なぜ「悲観主義」を取り入れることが「先延ばし」の克服に繋がり、目標達成率を高めるのでしょうか?
というわけで本日は、
- 脳内コントラスティング法とは
- 脳内コントラスティング法の具体例
- 脳内コントラスティング法が効果的な科学的根拠
というテーマでブログを執筆していこうと思います。
目次
脳内コントラスティング法とは
「現状の自分」と「理想の自分」を対比させるメソッド
脳内コントラスティング法は、ニューヨーク大学の心理学者ガブリエル・エッティンゲン氏により提唱されました。
脳内コントラスティングの具体例
では、脳内コントラスティング法の使い方をいくつかみていきましょう。
- ダイエット
- 新車
- ノマドライフ
例1:ダイエット
体重を10キロ落として、男性にモテモテになっている!
体重60キロオーバーで、周りからは「デブデブ!」といじられている…
例2:新車が欲しい
新車を購入し、カッコよくハンドルを握り車を走らせ、友達に見せびらかせている!
オンボロの車に乗り、毎日人目を気にしながら駐車場を選び、車を停めている…
例3:ノマドライフ
ブログとYouTubeだけで、毎月50万円の収入が入ってきて、日本中を旅している!
毎日、満員電車に揺られながら出社し、理不尽に上司に怒鳴られ、同僚からもバカにされる毎日…
脳内コントラスティング法はなぜ効果的なのか
でも、なぜ理想の自分を想像するだけでは、先延ばしに繋がってしまうの??
結論:それで満足してしまうから
我々の脳は「理想の自分」を頭の中で詳細に想像すると、
脳内のミラーニューロンという神経細胞が活性化されて、その状況が実際に起こっている時と同じくらいくっきりと脳内に刻みこまれます。
結果、それだけで満足してしまい、「先延ばし」となり行動しなくなるのです。
- 「理想の自分」を想像する
↓ - ミラーニューロンが活性化
↓ - 満足する
↓ - 行動しなくなる
解決:ちょっとした悲観主義を入れる
「理想の自分」だけではなく、「現状の自分」についても考えるようにしましょう。
なぜなら、不安を作り出すことで、それが行動の動機となり、「先延ばし」を克服することができるようになるからです。
- 「現状の自分」を見つめる
↓ - 不安になる
↓ - モチベーション⤴︎
↓ - 行動する
脳内コントラスティング法と過度な期待
結論、過度に期待してしまうことも、先延ばしに繋がってしまいます。
つまり、自己啓発のような「私にはできる!私にはできる!」というメソッドには危険がつきまといます。
では、なぜ過度に期待することは、先延ばしに繋がってしまうの??
結論:虚偽期待症候群
ある特定のものごとを大幅に、短期間に、容易に変えることができると感じること
このような過度な期待は、成功の確率を大幅に下げてしまうでしょう。
なぜなら、自分への期待が高いために、下記のようなことに繋がりかねないからです。
- ちょっと失敗したり、成功までに時間がかかったりすると、ショックを受けてしまい行動することへの弾みを失ってしまう…
- 小さな成功体験を過小評価してしまう…
- 10キロ痩せる予定だったのに、5キロしか痩せることができなかった…
- タバコをやめるつもりが、1本吸ってしまった…
- 6ヶ月、ブログを続けてみたけど、1日のアクセスが平均50しかない…
このように、過度な期待は、最終的にやる気を低下させることにつながります。
しかし、あらかじめ「失敗」を計画しておくことで、仮に壁にぶち当たったとしても、後退せずに済むようになるのです。
脳内コントラスティング法の実験
ガブリエル・エッティンゲンは、「痩せたい!」と望んでいる被験者を対象に、本格的な減量プログラムに取り組ませます。
その際、被験者を2つのグループに分けます。
- 楽観主義グループ(「減量できる!」)
- 悲観主義グループ(「失敗するかも…」)
そして、それぞれのグループの被験者が、平均でどれくらいのダイエットに成功するか?を調べました。
プログラム開始前に、「減量できる!」と強く信じていた被験者は、「失敗するかもしれない…」と考えていた被験者よりも、12キロも多くの減量に成功したいました。
つまり、悲観主義よりも、楽観主義の方がダイエットに成功するということですね
実は、エッティンゲンは、それぞれのグループに「減量の困難さ」についても尋ねていました。
結果、食べ物を我慢することが「とてもキツイ!」と考えていた楽観主義グループは、「簡単に我慢できる!」と考えていたグループよりも、平均で11キロも多く減量していたのです。
つまり、「楽観主義」であることは大切ですが、それに「悲観主義」の要素も入れることも大切だということですね。
脳内コントラスティング法を上手く活用する方法
では、ここからはどのようにして失敗を計画していくのか?について解説していきます。
- 先延ばしとなり得る要因を考える
- リストアップし、視覚化する
- 環境を整える
- 復旧プランの用意
- 復旧プランの始動
これ以降では、「ノマドライフを送る!」という願望の失敗を計画していきますね
時間や場所を選ばない生活のこと
ステップ1:「先延ばし」となり得る要因を考える
まずは、先延ばしのトリガーとなる要素を書き出しましょう。
たとえば、過去の自分の「先延ばしパターン」を振り返ったり、周りの人たちが実際に経験したものを聞いたり、ネットなどで検索したりするのがいいでしょう。
ステップ2:リストアップし、視覚化する
①のことをリストアップし、紙などに書き出し、いつでも目の見えるところに貼りましょう。
(オータニは、トイレに貼っています)
ステップ3:環境を整える
上記でリストアップした「先延ばしパターン」がなるべく発動しないための環境作りをしていきましょう。
ステップ4:復旧プランの用意
「先延ばし」してしまった時の「復旧プラン」をあらかじめ用意しておくようにしましょう。
たとえば、「日曜日だけ!」と誓っていたのにも関わらず、遊びにいくようになったとする。
そんな時のため、復旧プランとして、「ノマドライフ友達と接触して、モチベーションを高める」という計画を立てておくのです。
すると、また自分の夢を再確認できるので、軌道修正することができます。
※他にも、復旧プランとして、ちょっと過激ではありますが「その友達との縁を切る」などもアリですね
ステップ5:復旧プランを始動する
④で設計した復旧プランをしっかり始動させましょう。
というのも、復旧プランを実行しないままだと、そのまま落ち込んでしまうことになるからです。
結果、それは目標未達を招くことになります。
なので、用意した復旧プランは、必ず実行に移すようにしましょう。
まとめ:脳内コントラスティング法
では最後にまとめましょう。
本日は、
- 脳内コントラスティング法とは
- 脳内コントラスティング法の具体例
- 脳内コントラスティング法が効果的な科学的根拠
というテーマでブログを執筆しました。
今まで楽観的な目標ばかりを立てていたのではないでしょうか?
しかし、これは科学的には間違った目標設定法です。
なので、今後はあなたの目標にちょっとした悲観主義を入れるようにしていきましょう。