【メンタル・アカウンティング】意味・具体例・活用法を解説

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メンタル・アカウンティング(心理勘定)とは、人がお金を扱う際に、無意識にそれを心の中で勘定してしまうという心理作用のことです。

 

たとえば、「働いて貯めた100万円」は慎重に使おうとしますが、「宝くじで当てた100万円」は散財してしまう確率が高くなります。

これは、メンタル・アカウンティングによるものです。

しかし、同じ100万円であるにも関わらず、なぜその使い道に差が生まれるのでしょうか?

 

というわけで本日は、

本日のテーマ

  1. メンタル・アカウンティングとは
  2. メンタル・アカウンティングの具体例
  3. 無駄な消費を減らす8つの方法

というテーマでブログを執筆していこうと思います。

 

メンタル・アカウンティングとは

メンタル・アカウンティング

人がお金を扱う際に、無意識にそれを心の中で勘定してしまうという心理作用

 

提唱者

アメリカの経済学者であり、2017年にノーベル経済学賞を受賞したリチャード・セイラーにより提唱されました。

メンタル・アカウンティングは、「心理会計」「心の家計簿」と訳されます。

 

メンタル・アカウンティングと後悔

行動経済学者ダニエル・カーネマンのシナリオ実験を紹介します。

次の2つのシナリオのうち、より深く後悔するのはどちらでしょうか?

シナリオ1:

ポールはA株を持っています。

去年1年間、ポールはB株に乗り換えようと迷っていましたが、結局そうすることをしませんでした。

ところが、今になってもしもA株を売ってB株に乗り換えていたら、1200ドルの利益が得られていたということがわかりました。

 

シナリオ2:

ジョージはB株を持っていたのですが、去年A株に乗り換えました。

ところが、今になってもしもB株を持ち続けていたら、1200ドルの利益が得られていたということがわかりました。

 

直感で分かると思いますが、ジョージの後悔の方が大きいということが分かるでしょう。

実験の結果をみても、92%がジョージと答え、ポールと答えたのは8%に過ぎませんでした。

 

どちらも、1200ドルを儲け損なったということは一緒なのに、後悔に差が生まれるのは面白いですよね。

人は、「行動したことによる後悔」の方が、「行動しなかった時の後悔」よりも大きくなるということが分かっています。

 

ジョージの場合は、利益が出るはずだったB株を持ち続けていましたが、A株に乗り換えるという行動をとってしまいました。

なので、その分の後悔が大きいわけです。

 

メンタル・アカウンティングと関連のある心理学

ではここからは、メンタル・アカウンティングと関連性が高い心理学について解説していきます。

  • ハウスマネー効果
  • サンクコスト効果
  • 参照点依存性

 

ハウスマネー効果

ハウスマネー効果

何の努力もせずに手に入れたお金の扱いは、努力して手に入れたお金よりもぞんざいになるという心理効果

経済学者リチャード・セイラーにより提唱されました

あなたは1年間一生懸命働いて50万円のお金を貯めることができました。

さて、あなたは次のうち、どれにそのお金を使おうと思いますか?

  1. そのまま口座に預けておく
  2. 投資に回す
  3. キッチンを新品にする
  4. 豪華クルーズに申し込む

きっとあなたは①②③のどれかを選択したのではないでしょうか?

 

では、次の場合はどうでしょうか。

ある日、あなたは宝くじで50万円当選しました。

その場合、上記選択肢の中からどれにそのお金を使うでしょうか?

きっと④を選択したでしょう。

 

サンクコスト効果

サンクコスト効果

コスト(お金・時間・労力)をかけた対象の価値を高く見積もるという心理効果

熱心なスポーツファンであるAくんとBくんがいます。

彼らは、70キロほど離れた場所で開催されるバスケットボールの試合を観戦する計画を立てていました。

しかし、AくんとBくんではチケットを手に入れた手段が全く違います。

  • Aくん:前売り券を買った
  • Bくん:友達からもらった

 

さて、当日の夜は吹雪になるという予報が出ています。

AくんとBくんでは、どちらの方が観戦に行く確率が高いでしょうか?

明らかにAくんですよね。

なぜなら、AくんはBくんと違って、チケットにお金というコストを支払っているからです。

 

だから、Aくんは観戦に行かなかった場合、「もったいない…」という感情を持つことになります。

一方、Bくんはというと、無コストでもらったチケットなので、仮に行かなかったとしても損という感情を持ちません。

【サンクコスト効果とコンコルド効果】損失を嫌がる心理学

2020年4月2日

 

参照点依存性

参照点依存性

人の感情は自ら設定した基準(参照点)から判断するという理論

「定価100円のおにぎり」「普段は120円だが、セールで100円のおにぎり」では、どちらの方が幸福感を感じるでしょうか?

明らかに後者ですよね。

なぜなら、同じ100円のおにぎりでも、後者は20円のお得感を感じることができるからです。

このように、同じ価格のものでも、参照点(基準点)が違うだけで、幸福感は全く違ったものになるのです。

プロスペクト理論

【プロスペクト理論】営業・マーケティングに活用する方法

2019年9月1日

 

無駄な消費を減らす8つの方法

ではここからは、無駄な消費を減らす方法をいくつか紹介していこうと思います。

 

新しいメンタルアカウントを開設しない

無意識のうちに、新しいメンタルアカウントを開設することが、無駄な消費につながります。

 

たとえば、実際の口座として「食費用の口座」「娯楽用の口座」「貯金用の口座」という3つの口座を持っているとする。

そんなある日、服屋に立ち寄った時に、何とも可愛い服と出会います。

そんな時、無意識のうちに心の中で「服の口座」という新しい口座を開設することで、それを購入してしまうのです。

だから、そんな時は「娯楽用の口座」からやりくりするように立ち返るようにしましょう。

 

多額のお金を持ち歩かない

たとえば、財布に50万円入っている場合と1万円しか入っていない場合では、5,000円のモノを購入する痛みが全く違います。

50万円の場合は財布の中の1%ですが、1万円の場合は50%です。

つまり、多くのお金を持ち歩くと、支払いの痛みは小さくなるので、それだけ消費が増えるのです。

 

クレジットカードの使用を控える

われわれは現金よりもクレジットカードで支払った方が、購入への痛みが半分ほどになるということが分かっています。

 

マサチューセッツ工科大学の実験

マサチューセッツ工科大学のMBAコースの学生たちを対象に、

「心理学の実験に参加してくれたら、その中から1名に有名バスケットボールの試合のペアチケットを差し上げます!」と告げる。

※このチケットはなかなか手に入らない

しかし、そのチケットはただではなく、実験の参加した学生たちがサイレント・オークション方式で競り落とすというものでした。

 

そして、学生たちを2つのグループに分けます。

  1. 現金での支払いのみ(近くのATMに駆け込んでOK)
  2. クレジットカードでの支払いが可能

それぞれのグループの学生たちが、チケットにどれくらいの値段を付けるのかを調べました。

実験の結果、現金グループは平均28ドル、クレジットグループは60ドルまで出すという結果となったのです。

このように、現金と比べると、クレジットカードの方が消費が行われやすくなるということがわかりますね。

 

口座を1つに絞る

預金口座を1つにすることで、無駄遣いを減らすことができます。

なぜなら、口座を複数持つことで、総貯金額が分からなくなり、ましてやそれを高く見積もるようになるからです。

たとえば、本当の貯金額は50万円なのに、60万円(+10万円)あるに違いないと勘違いしてしまったりします。

 

実験

学生を2つのグループに分けました。

  1. 3口座与えられたグループ
  2. 1口座与えられたグループ

(学生は実験の間、自分の口座を画面上で確認できる)

 

次に、彼らには課題が与えられ、それらの課題が全て終わったら100ドルもらえるのですが、その100ドルはどのように口座に振り分けていいものとする。

さらに、学生に各種の品目を並べられたリストを渡し、その中で何を買いたいかを想像させます。(購入リストには、大学のロゴ入りTシャツ、写真アルバム、コンピューターのマウスなどがあります)

最後に実験者たちは、学生たちにこのように告げました。

実験終了時に口座にお金が残っていたら、その金額で宝くじを買う予定で、もし当たったら賞金はその学生のものになります

どれくらいの学生たちが、口座にどれくらいのお金を残したかを調べます。

 

実験の結果、1つの口座のグループは、3つの口座のグループと比べて、貯金額が6%も多くなることがわかりました。

なぜこのような結果になったのかというと、単純に口座が1つだとすぐに総貯金額・お金の出入りを確認しやすかったからです。

しかし、口座が3つになると、それらをすぐに確認することができないため、無駄遣いをしてしまう傾向が強くなるというわけです。

※それぞれの口座をしっかり管理している場合は問題ない

 

口座を分ける

何だか③と矛盾しているように思えますが、全く矛盾していません。

ここでお伝えしたいことは、目的に合わせて口座を分けましょうということです。

 

たとえば、「食費用の口座」「娯楽用の口座」「貯金用の口座」みたいな感じですね。

だから、遊びに行く時は「娯楽用の口座」を持って遊びに出かけ、しっかり残高を確認するようにしましょう。

すると、その中だけでやりくりするようになるので、無駄な消費を抑えることができるようになるのです。

 

アンカー(基準)に気を付ける

たとえば、10万円のところを7万円(30%オフ)などの表記されると得をした気分になってしまいますよね?

このように、最初の数字に引っ張られてしまい、その後の意思決定に影響を与える現象をアンカリング効果といいます。

「7万円です!」と言われるよりも、「本来10万円のところが7万円となります!」と言われた方が、10万円という比較対象ができるので、安いと感じやすくなるのです。

いかに安くなっていたとしても、実際の口座を見て購入決断するようにしてくださいね。

アンカリング

【アンカリング効果】高額商品を「安い」と感じてしまう心理学

2019年7月16日

 

購入後に気を付ける

ある商品を購入した後は、気が緩んでいることが多く、さらに追加で商品を購入しやすくなります。

これを「テンション・リダクション効果」といいます。

たとえば、Amazonで商品を購入した後「この商品を購入した人は、こんな商品を一緒に購入しています!」とリコメンドされたりしますが、これはテンション・リダクション効果を狙っているからです。

なので、商品を購入したあとは一度落ち着くようにしましょう。

 

高い買い物をしている時は気を付ける

高い商品の中の少額のオプションに気を付けるようにしてください。

たとえば、500万円の車を購入しようとしているとします。

そして、店員さんは追加で10万円のカーナビも付けてきます。

多くの場合、これに同意してしまう人がほとんどなのですが、このように扱う金額が大きくなると、損失・利得の感覚が麻痺する現象を「感応度逓減性」といいます。

 

まとめ

本日は、

本日のまとめ

  1. メンタル・アカウンティングとは
  2. メンタル・アカウンティングの具体例
  3. 無駄な消費を減らす8つの方法

というテーマでブログを執筆しました。

 

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