テンションリダクション効果とは、商品を購入した後は、財布の紐が緩みやすいという心理現象のことです。
たとえば、AmazonなどのECサイトで買い物をした時、「この商品を購入した人は、こんな商品も購入しています!」みたいなリコメンドを受けた経験はありませんか?
そして、「お勧めされた商品を買ってしまった!」なんて経験をしたのでは?
これは、まさにテンションリダクション効果を利用したテクニックと言えます。
しかし、なぜこのような現象が起こるのでしょうか?
というわけで本日は、
- テンションリダクション効果とは
- テンションリダクション効果のポイント
- テンションリダクション効果を営業に活用する方法
- テンションリダクション効果をマーケティングに活用する方法
というテーマでブログを執筆していこうと思います。
目次
テンションリダクション効果とは
商品を購入した後は、財布の紐が緩みやすいという心理現象
テンションリダクション効果はなぜ発動するのか
結論、特定の商品・サービスを購入した後は、気が緩んでしまっているからです。
テンションリダクション効果の「tention」は「緊張」、「reduction」は「減少・消滅」の意味があります。
つまり、商品を購入した後は、その緊張状態が消滅するので、「ついで買い」をする確率が高まるのです。
例:帰るまでが遠足!
なぜ、先生たちは「帰るまでが遠足ですよ!」というのでしょうか?
結論、生徒たちは遠足の後は気が緩んでいるからです。
つまり、「帰るまでが遠足ですよ!」と伝えることで、注意喚起をしているのです。
これはテンションリダクション効果にも同じようなことが言えます。
購入後は気が緩んでいるので、「店を出るまでが買い物ですよ!」と促して上げることで、ついで買いを減らせるのかもしれませんね。
テンションリダクション効果の2つのポイント
- 価格が離れている
- 関連商品である
ポイント1:価格が離れている
「最初に購入する商品」の価格と「次に勧める商品」の価格にはなるべく差をつけるようにしましょう。
なぜなら、アンカリング効果を利用することができるからです。
※アンカリング効果については、後ほどしっかり解説します
例:高い→安い
たとえば、「25万円で提供させていただきます!」と伝えるよりも、
「普段は30万円で提供しているのですが、本日は25万円で提供させていただきます!」と伝えた方が、25万円を安いと錯覚させることができます。
なぜなら、30万円という基準から25万円という金額を判断するようになるからです。
ポイント2:関連商品である
「最初に購入する商品」と「次に勧める商品」には、関連性を持たせるようにしましょう。
例:本→アレクサ
たとえば、Amazonで心理学系の本を購入したら、その他の心理学系の本が紹介されたりします。
しかし、そこでAmazonから出している「アレクサ(人工知能ロボット)」などをリコメンドされても、購入しようとは思わないですよね?
このように、「最初に購入する商品」と「次に勧める商品」には関連性が大切だと言えます。
テンションリダクション効果と関連のある心理学
- アンカリング効果
- 感応度逓減性
心理学1:アンカリング効果
先行刺激が基準となって、後の情報を判断してしまうという心理現象
例:パソコン
この場合、多くの人たちは、Aで提示された方を「安い!」と感じ、購入するでしょう。
なぜなら、参考価格である90,000円を先に提示することにより、
これがアンカー(基準)となり、表示価格の72,000円が歪められて認知され「安い!」と錯覚してしまうからです。
心理学2:感応度逓減性
扱う金額が大きくなることで、「損失」のインパクトが減少するという現象
例:服
たとえば、あなたが自宅から近い服屋Aに買い物をしていたとする。
すると、そこでは欲しいと思った服が9,000円 で売られています。
しかし、自宅から離れた服屋Bでは、その服が5,000円 で売られているとする。
さて、この場合、あなただったらどちらの服屋で購入しますか?
きっと、わざわざ歩いて服屋Bでその服を購入するでしょう。
しかし、服の値段がそれぞれ194,000円と190,000円だったらどうでしょうか?
きっと「面倒だから服屋Aで買っちゃえ!」となってしまいますよね?
(差額は同じ4,000円なのに・・・)
このように、扱う金額が大きくなると、「損失」「利得」のインパクトが小さく感じられるのです。
テンションリダクション効果を営業に活用する方法
では、ここからはテンションリダクション効果を営業に活用する方法について解説します。
方法:クロスセル
関連商品を提案する営業テクニック
例:ハンバーガー
ハンバーガーを屋さんでいうと上記のような感じになります。
つまり、ハンバーガーにプラスでポテトやドリンクを勧める行為がクロスセルになります。
たとえば、「ご一緒にポテトはいかがですか?」という感じです。
クロスセルの具体的なテクニックはこちら
テンションリダクション効果をマーケティングに活用する方法
では、ここからはテンションリダクション効果をマーケティングに活用する方法について解説します。
方法:リコメンド
ECサイトなどにリコメンドの仕組みを導入しましょう。
商品・サービスを薦めること
例:アマゾン
たとえば、アマゾンで商品を購入した後に、「この商品を購入した人は、こんな商品も購入しています!」という画面に切り替わりますよね?
このように、リコメンド機能を使うことで、消費を促進させることができたりします。
※ただ、リコメンドのシステム開発にはかなりの費用がかかるとは思いますが…
マーケティングで使える心理学
まとめ:テンションリダクション効果
では最後にまとめましょう。
本日は、
- テンションリダクション効果とは
- テンションリダクション効果のポイント
- テンションリダクション効果を営業に活用する方法
- テンションリダクション効果をマーケティングに活用する方法
というテーマでブログを執筆しました。
購入後に、さらに商品・サービスを提案することで、顧客単価をあげることができます。
なので、商品・サービスを購入してもらって安心するのではなく、さらに「こちらもいかがですか?」という勇気を持って営業活動をするようにしましょう。