マルチタスクとは、複数の作業を同時に、または短時間で並行して行うことです。
- 音楽を聴きながらパソコン作業をする
- LINEをしながら友達の話を聞く
- 運転をしながら、助手席の人と話をする
一度に複数をこなせる人生なんて最高ですよね?
なぜなら、一度に1つのことしかできない人と比べると、作業速度が何倍にもなるからです。
なので、そんなマルチタスクに憧れを抱く人も多いでしょう。
しかし、残念なことに、我々は脳の構造上マルチタスクができません。
「嘘だろ!」と思ったでしょうが、これは科学的に証明されている事実です。
では、どのようにして仕事効率を高めていけばいいのでしょうか…
というわけで今回は、
- マルチタスクとは
- マルチタスクと作業効率の関係
- 作業効率を高める仕事術とは
というテーマでブログを執筆していこうと思います。
目次
マルチタスクとは
複数の作業を同時に、または短時間で並行して行うこと
※逆に、1つの作業に取り組むことをシングルタスク(モノタスク)といいます
疑問:マルチタスクはできるのか
結論、我々は、脳の構造上マルチタスクはできません。
しかし、マルチタスクをしている感覚になることってありますよね?
たとえば、友達の話を聞きながら、別の友達にLINEをする。
だから、なんとなくマルチタスクをしている感じがしますよね?
結論:タスクスイッチング
しかし、マサチューセッツ工科大学のアール・ミラー博士の研究では、下記のように結論づけています。
マルチタスクができていると感じるのは脳の錯覚で、実際は、シングルタスクを高速でしているだけ
これをタスクスイッチングといいます。
脳は、0,1秒かけることなく、別のタスクに注意を向けることができるため、同時に2つのことをできると勘違いしているだけなのです。
このように、我々の脳は、ただタスクスイッチングをしているだけで、マルチタスクができるわけではないということが分かります。
引用:SINGLE TASK 一点集中術――「シングルタスクの原則」ですべての成果が最大になる
マルチタスクと作業効率
では、実際マルチタスクは、作業効率を高める上で効果的なのでしょうか?
結論:マルチタスク→作業効率⤵︎
マルチタスクによって、作業効率の低下するということが分かっています。
例:スマホ
たとえば、作業をしている最中に、スマホにLINEの通知がきました。
さて、あなただったらどうしますか?
きっと、作業中であるにも関わらず、LINEの中身をチェックしてしまうのではないでしょうか?
しかし、このちょっとした行動が、あなたの集中力を低下させてしまいます。。。
アイドリング→集中力最大化!
というのも、集中力が最大化されるまでには、アイドリングの時間が存在するからです。
つまり、作業に取り掛かってすぐに集中力が最大化されるわけではないのです。
(だいたい5~15分で集中力が最大化されると言われています)
- 作業に取り掛かる
↓ - アイドリングの時間
↓ - 集中力が最大化
このように、短時間に何度も作業から注意がそれ続けると、アイドリングの時間で作業をすることになってしまいます。
なので、作業効率が低下してしまうのです。
研究:ミシガン大学
ミシガン大学の研究では、2.8秒作業が中断されると作業速度は半分以下になり、4.4秒作業が中断されると作業速度は1/3になるという結果となりました。
さらに、一度注意が逸れてしまうと、作業速度が元のレベルに戻るまでに25分もかかるそうです。
ドーパミンが注意を逸らす
やる気を高める神経伝達物質(脳内ホルモン)
ある作業から、別の作業に注意が逸れてしまうのは、神経伝達物質であるドーパミンによるものです。
例:ゲーム機
たとえば、何かの作業中に、ついゲーム機が目に入ってしまうと、脳内にドーパミンが分泌され「ゲームやりてぇ〜!」と感じるようになります。
つまり、マルチタスクを克服するには、誘惑物(スマホ、ゲーム機、異性)などが目に入らない環境を作ることも大切なのです。
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マルチタスクの全てが悪いわけではない
では、ここからはマルチタスクが脳に与えるポジティブな影響について解説していきます。
疑問:マルチタスクは不可能なのか
しかし、我々は、日々マルチタスクをしていることも事実です。
たとえば、「車の運転をしながら、助手席の友達と会話をする」など。
これって明らかにマルチタスクですよね?
この事実を踏まえて、我々は本当にマルタタスクが不可能だと言えるでしょうか?
結論:別の脳を使うのはOK
結論を、マルチタスクが可能な場合があります。
ミシガン大学のデイヴィッド・マイヤー博士は、下記のように結論づけています。
無意識による行動と意識による行動による作業は同時に行うことができる
例:車の運転
たとえば、運転に慣れている人であれば、助手席の人と普通に会話することができます。
あなたも車を運転した経験があるのであれば、分かりますよね?
しかし、まだ運転に慣れていなくて、アクセル、ブレーキなどを意識しなければならない人は、助手席の人としっかり会話することができません。
なぜなら、意識の脳を「運転」と「会話」、2つのことに使わなければならないからです。
新発見:デュアルタスク(二重課題)
「運動課題」と「認知課題」を同時に行うこと
逆に、マルチタスクをすることで、記憶力を高めることができたりします。
それが、デュアルタスクです。
たとえば、「ウォーキングしながら、クイズに答える」というのはデュアルタスクに当たります。
このような「運動課題」と「認知課題」を同時にこなすことで、脳の萎縮を防ぐことができるということが証明されています。
実験:国立長寿研究センター
国立長寿研究センターでは、軽度認知症の方100名を2つのグループに分けます。
- 「運動+頭を使う」グループ
- 「健康講座だけを受ける」グループ
そして、半年間、彼らの脳にどのような変化が起きるのか? を観察しました。
①「運動をしながら頭を使ったグループ」の脳の萎縮を防ぐことができました。
さらに、②「健康講座だけを受けたグループ」と比べると、記憶力が向上するという結果ともなりました。
このように、運動をしながら頭を使うことで、脳にとってものすごくポジティブな影響を与えるということが分かりますね。
オススメのデュアルタスク
オータニは、「ウォーキングをしながら、オーディオブックを聴く」というデュアルタスクを毎日行っています。
あくまでも体感覚ではありますが、
ただ席に座ってオーディオブックを聴いている時よりも、ウォーキングをしながらの方が、内容をしっかり記憶できているように感じています。
なので、もしも「記憶力を高めたい!」「インプット力を高めたい!」という方は、オーディオブックを使って学習するようにしましょう。
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マルチタスクからシングルタスクにする方法
では、ここからはシングルタスクで仕事ができるようになる方法について解説します。
方法:ポモドーロ・テクニック
25分の集中と5分の休憩を交互に繰り返すメソッド
たとえば、パソコンを作業をするのであれば、まず25分のタイマーを設定してから作業を始めます。
そして、タイマーが鳴ったら、途中でも!作業を終えて5分間の休憩に入ります。
この作業をひたすら繰り返すだけの、ものすごく簡単なメソッドです。
ポイント1
25分間の集中の時は、絶対にその他の作業をしないようにしましょう。
なぜなら、その他の作業をしてしまうと、せっかく最大化された集中力が低下してしまうからです。
これは、先ほどお伝えしたアイドリングの話ですね。
※そのためにも、前述した注意が逸れるモノを作業環境から排除するように
ポイント2
25分が過ぎたら、作業が途中でも中断するようにしましょう。
というよりも、途中で終わらせた方が、次の25分間の作業効率が高まります。
なぜなら、人間には、未完了のものが想起されやすくなるという性質があるからです。
これをツァイガルニク効果といいます。
つまり、作業を途中で終わらせることで、
「早く次のタスクに取り組みたい!」と感じるようになるので、やる気を持続させることができるようになるのです。
\\SINGLE TASK 一点集中術//
まとめ:マルチタスクとは
では最後にまとめましょう。
本日は、
- マルチタスクとは
- マルチタスクと作業効率の関係
- 作業効率を高める仕事術とは
というテーマでブログを執筆しました。
マルチタスクは例外を除き、作業効率を低下させます。
なので、「どうすればシングルタスクになるか?」ということを考えながら仕事に取り組んでいくようにしましょう。