問題解決のやり方が分からない…
問題解決のフレームワークがあれば知りたい…
こんな悩みを抱えていないでしょうか?
結論、なぜなぜ分析は、原因究明において非常に効果的なフレームワークです。
なので、立ちはだかる問題を解決したい時には、積極的に使うようにしましょう。
しかし、残念ながら多くの人は、なぜなぜ分析を上手く使いこなせず、本質的な課題を見つけることができていません。
そこで今回は、なぜなぜ分析を使いこなせるようになるコツなどを詳しく解説していこうと思います。
というわけで本日は、
- なぜなぜ分析とは
- なぜなぜ分析の具体例
- なぜなぜ分析の7つのポイント
というテーマでブログを執筆していきます。
目次
なぜなぜ分析とは
ある課題に「なぜ?」という質問を繰り返すことで、本質的な原因を究明するフレームワーク
なぜなぜ分析の提唱者
なぜなぜ分析は、自動車メーカーのトヨタにより生み出されたフレームワークです。
トヨタ自動車工業の元副社長であった大野耐一氏が、1978年に出した著書『トヨタ生産方式』で広く知られるようになりました。
5回「なぜ」を繰り返す
「カイゼン」文化を世に広めた「トヨタ生産方式」では、下記のことが大切とされています。
問題を発見したら『なぜ』を5回繰り返す
引用:トヨタ生産方式――脱規模の経営をめざして
これは、問題の再発を防ぐために、発生した問題を徹底的に解決するための考え方です。
なぜなぜ分析は、主に製造業で活かされているのですが、個人レベルでも使えるフレームワークなので、ぜひ効果的に使っていただければと思います。
なぜなぜ分析:トヨタバージョン
では、先ほど紹介した著書『トヨタ生産方式』で紹介されている例をひとつ紹介します。
例:自動車が動かなくなった
課題 | 自動車が動かなくなった |
①なぜ?:なぜ自動車は動かなくなったのか? | オーバーロードとなり、ヒューズが切れたから |
②なぜ?:なぜオーバーロードとなったのか? | 軸受けの潤滑が充分ではなかったから |
③なぜ?:なぜ潤滑が足りなくなったのか? | 潤滑ポンプが正常に作動していなかったから |
④なぜ?:なぜポンプは正常に動いていなかったのか? | ポンプ軸が摩耗してガタガタになっていたから |
⑤なぜ?:なぜ摩耗したのか? | 濾過装置がついていなかったので、ゴミが潤滑油に入ったから |
このように、1つの課題に何度も「なぜ?」をぶつけることで、本質的な原因を発見することができるのです。
一度や二度の「なぜ?」では、課題の真の原因を掴むことができないということを理解してもらえたでしょうか?
なぜなぜ分析の具体例
では、ここからはなぜなぜ分析の具体例を紹介していきます。
ここからは、オータニが実際に経験した例を紹介しますね
例:YouTubeの再生回数が増えた
課題 | 再生回数が全く伸びない |
①なぜ?:なぜ再生回数が伸びないのか? | サムネイルのクオリティが低いから |
②なぜ?:なぜサムネイルのクオリティが低いのか? | 10分くらいしか時間をかけていないから |
③なぜ?:なぜ10分しか時間をかけていないのか? | ブログ・動画撮影・動画編集など、他にもやることがたくさんあるから |
④なぜ?:なぜ他にもやることがたくさんあるのか? | それぞれを毎日更新しているから |
⑤なぜ?:なぜ毎日更新しなければならないのか? | … |
効果:視聴回数が2倍以上になった
最後が「…」で終わっていますが、最終的に下記のようにまとめることができました。
ブログ・動画を1日おきに更新する!
以前は、1日でブログ・動画を更新していたのですが、それをやめました。
なぜなら、それぞれを毎日更新するようにしたら、どれも中途半端なコンテンツになってしまうからです。
なので、ある日は「動画のことだけ考えるデー」にすることで、サムネイル作成に時間が取れるようになりました。
さらに、サムネイルのクオリティーを上げるために、PhotoScape Xという有料ツールを購入し、今では本格的にサムネイル作成に励んでいます。
なぜなぜ分析の7つのポイント
- 課題の目的を明確にする
- 課題は具体的にする
- 事実にフォーカスする
- 1なぜ1回答
- 因果関係を意識する
- 「仕組み」にフォーカスする
- コントロール可能かを意識する
ポイント1:課題の目的を明確にする
なぜなぜ分析をする目的を明確にしましょう。
なぜなら、課題とは、特定の目的を達成するための壁だからです。
たとえば、「5キロ痩せる!」という目的があるから、「ダイエットをしよう!」となりますよね?
なんの目的もなしにダイエットをしようなんて思わないわけです。
例:再生回数を伸ばしたい!
- 課題:再生回数が伸びない…
- 目的:YouTubeから集客できるようになりたい!
つまり、「目的がないのであれば、課題だと思い込んでいるだけ!」なのです。
なので、目的が明確化されている状態で、なぜなぜ分析を行うようにしましょう。
ポイント2:課題は具体的にする
取りあげるべき課題はなるべく具体的にするようにしましょう。
特に「5W1H」や「数字」を使ったりすることが大切です。
- Who(誰が?)
- When(いつ?)
- Where(どこで?)
- What(何を?)
- Why(なぜ?)
- How(どのように?)
たとえば、先ほどの例では「YouTubeの再生回数が伸びない」という感じで、「再生回数」に特化した悩みでしたよね?
抽象的な課題→抽象的な原因
では、なぜ課題には具体性が必要なのでしょうか?
結論、課題が抽象的だと、抽象的な原因しか発見できないからです。
- 課題:YouTubeが上手くいかない(抽象的な課題)
- 原因:サムネイルが悪い、ペルソナが悪い、話が下手
そもそも「YouTubeが上手く行かない」って具体的にどんなところが?って感じですよね?
なので、この場合は「YouTubeの再生回数が伸びない」というふうにするのです。
すると、具体的な原因を究明することができます。
なので、課題を設定する際は、「5W1H」や「数字」を意識するようにしましょう。
ポイント3:事実にフォーカスする
「感想」ではなく、「事実」にフォーカスをしたなぜなぜ分析を行うようにしましょう。
なぜなら、感想を持ち込むと、表現が抽象的になり、根本的な原因を発見することができなくなるからです。
- 課題:今月は1名も契約を獲得することができなかった
- 原因:やる気が低かったから
このような感想による原因にあげたとしても、本質的な原因を突き止めることはできません。
なので、このような場合は「アプローチ数が先月の1/3も低下していたから」という事実をあげるようにしましょう。
すると、そこから事実ベースの本質的な原因を発見することができるようになります。
ポイント4:「1Q1A」
「1Q1A」とは、1つの質問(Question)に対して1つの答え(Answer)という意味になります。
②で紹介した「課題を具体的にする」ということを意識したとしても、1つの質問に対して複数の答えが出てくることもあります。
- 課題:YouTubeの再生回数が増えない
- 原因:サムネイルが悪い、ペルソナが悪い、話が下手
このように、1つの課題に複数の原因があげられることもあります。
しかし、その際は、これらのうちの1つの原因にフォーカスして、なぜなぜ分析を進めていくようにしましょう。
もしも、そこで本質的な原因を突き止めることができなければ、次は別の原因にフォーマスして、なぜなぜ分析を行っていきます。
ポイント5:因果関係を意識する
質問と答えの因果関係を意識するようにしましょう。
なぜなぜ分析を行っている人たちの中には、たまに「論理の飛躍」が起きてしまっている人たちも少なくありません。
例:ブログ執筆に時間がかかる
たとえば、下記の課題と原因をご覧ください。
課題 | ブログの企画を考えるのに3時間もかかってしまう |
①なぜ?:なぜブログの企画を考えるのに3時間もかかってしまうのか? | 知識レベルがゼロの情報を記事にしているから |
一見、良さそうに思えますが、実はこれはには論理の飛躍が起きています。
つまり、原因をいくつも飛ばしてしまっているわけです。
下記が正解となります。
課題 | ブログの企画を考えるのに3時間もかかってしまう |
①なぜ?:なぜブログの企画を考えるのに3時間もかかってしまうのか? | 情報を集めるのに時間がかかるから |
②なぜ?:なぜ情報を集めるのに時間がかかるのか? | 知識レベルがゼロの情報を記事にしているから |
「ブログの企画を考えるのに3時間もかかってしまう」ことの直接的な原因は「情報を集めるのに時間がかかっているから」ですよね?
このように、分析において重要なことは、いかに漏れなく原因を究明するか?です。
なので、論理の飛躍がなく、因果関係がしっかりした原因を探すようにしましょう。
ポイント6:「仕組み」にフォーカスする
「ヒト」ではなく「仕組み」にフォーカスして原因を発見するようにしましょう。
なぜなら、原因を「ヒト」に帰属させると、それ以上の原因を究明しようとしなくなるからです。
例:仕事場での失敗
たとえば、仕事仲間であるA君があるヘマをして、会社全体がダメージを受けたとする。
そんな時、「私がもっとA君に〜なサポートをするべきだった!」と自責にすることで、組織力が高まり、再発防止に繋がります。
しかし、中には「Aの野郎ふざけんなよ!」と他責にする人たちもいます。
では、このように人のせいにすることで、再発防止に繋がるのでしょうか?
難しいでしょう。
なぜなら、全ての責任をA君に帰属させるので、それ以上の原因を究明しようとしないからです。
「ヒト」のせい→思考停止
なので、原因は「ヒト」ではなく「仕組み」にフォーカスして答えるようにしましょう。
- 課題:YouTubeの再生回数が伸びない
- 原因:リテラシーの低い視聴者が多いから
これはヒトに帰属させた「なぜなぜ分析」になります。
断言しますが、他責にする人はビジネスで成果を出すことはできません
これを「視聴者目線の動画を作れていないから」という形にすることで、それ以降の「なぜ」で根本的な原因を究明することができるでしょう。
ポイント7:コントロール可能かを意識する
なぜなぜ分析は、自分でコントロールできるものにしましょう。
例:身長が低い…
- 課題:彼女ができない
- 原因:身長が小さいから
そこから、「身長が小さいから」になぜなぜ分析をしても、根本的な解決策が出てきません。
なぜなら、これはコントロールできないものだからです。
なので、課題や原因は必ず自分でコントロールできる範囲のものにするようにしましょう。
まとめ:なぜなぜ分析
では最後にまとめましょう。
本日は、
- なぜなぜ分析とは
- なぜなぜ分析の具体例
- なぜなぜ分析の7つのポイント
というテーマでブログを執筆しました。
なぜなぜ分析をすることで、本質的な答えを導き出すことができるようになります。
なので、まずは全ての悩みに「なぜ?」と問い続けるクセをつけるようにしましょう。