KJ法とは、ブレインストーミングにより出たアイディアをまとめることで、創造的な解決策を生み出すフレームワークのことです。
ブレインストーミングによって、アイディアを出したのはいいものの、それをどうやってまとめて実際に使える形に落とし込んでいくのか?
と困った経験がある人も多いのではないでしょうか?
この記事では、このような悩みを解決していいきます。
ブレインストーミングを知らないという方は『ブレインストーミングとは|やり方・進め方・ルールを解説』を参考にしてください。
というわけで本日は、
- KJ法とは
- KJ法に必要なツール
- KJ法の進め方
というテーマでブログを執筆していこうと思います。
目次
KJ法とは

ブレインストーミングにより出たアイディアをまとめることで、創造的な解決策を生み出すフレームワーク
KJ法の提唱者
KJ法は、文化人類学者であり、東京工業大学名誉教授である川喜田二郎氏が1967年に考案しました。
由来は、彼の苗字と名前の頭文字をとって「KJ法」と名付けられました。
もしも、KJ法について詳しく知りたい方は、彼の著書『発想法改版』を読んでみてください。
KJ法の前に用意しておこう
- ポストイット
- カード
- 図解用の紙
用意1.ポストイット
ポストイットの場合は、2〜3種類の色のものを用意しましょう。
なぜなら、カード作り用(アイディアを出すカード)と表札用(グループ化した時に使うカード)が必要だからです。
カードと表札に関しては後ほど詳しく解説しますね
用意2.カード
カードは、名刺くらいのサイズのにしましょう。
なぜなら、あまりにも大きすぎると、たくさん広げた時に場所を取るからです。
カードは全てが同じ色で統一されていることがあります。
なので、カード用と表札用で分けるため色違いのペンを2〜3種類は用意しておくようにしましょう。
ポストイットにするのであればカードは必要ありません。
用意3.図解用の紙
割と大きめの紙を1枚用意しましょう。
なぜなら、出たアイディアを図解化する際に必要になるからです。
個人的にはA3くらいがオススメなのですが、アイディアの量が多くなると想定されるのであれば、A2、A1でもいいかもしれません。
KJ法の概要
- カード作り
↓ - グループ化
↓ - 図解化
↓ - 文章化
これ移行では、それぞれのステップを詳しく解説していきます。
ステップ1.カード作り

- カード作り
↓ - グループ化
↓ - 図解化
↓ - 文章化
まずは、ブレインストーミングをおこないます。
ブレインストーミングのルール
- 批判しない
- 自由に発想する
- 質よりも量
- アイディアを結合する
①~③を意識して、アイディアをとにかく書き出すようにしましょう。
④がKJ法です
もしも、ブレインストーミングについて詳しく知りたい方は、下記の記事を参考にしてください。
カード作りのコツ
- 1カード、1メッセージ
- そのままの形で記載する
コツ1. 1カード、1メッセージ
ひとつのカードには、ひとつのメッセージを記載するようにしましょう。
なぜなら、ひとつのカードにいくつものメッセージを書いてしまうと、後でまとめる際に面倒になるからです。
コツ2.そのままの形で記載する
書記係がいる場合は、発言者の言葉をそのままの形でカードに記載するようにしましょう。
なぜなら、書記係の主観が入ってしまうからです。
すると、それはもう書記係の意見になってしまいます。
ステップ2.グループ化


- カード作り
↓ - グループ化
↓ - 図解化
↓ - 文章化
グループ化の3ステップ
- 全てのカードに目を通す
↓ - 近い内容のカードをまとめる
↓ - 表札を作る
ステップ1.全てのカードに目を通す
枚数が多い場合はかなり大変ですが、全てのカードに目を通すようにしましょう。
カードに目を通す際には、作成したカードをテーブルなどに広く並べて、俯瞰的するのがオススメです。
ステップ2.近い内容のカードをまとめる
①をすると、似たような内容のカードが見つかるハズです。
なので、それらを1つのグループとしてまとめます。
ポイントは、5枚1組以下くらいになるようにまとめましょう。
なぜなら、一気にグループ化し過ぎると、図解化に苦労するからです。
図解化については後ほど解説します
ステップ3.表札を作る


表札とは、そのグループ全体をまとめたものです。
たとえば、「サッカー」「バスケットボール」「テニス」で構成されたグループであれば、それに「スポーツ」という表札を作ります。
表札の色は、必ずアイディアのカードと違う色にしましょう。
なぜなら、単純に分かりにくくなるからです。
もしも、カードの色が全て一緒なのであれば、色違いのペンを使って表札を作るようにしましょう。
グループ化のコツ
- どのグループにも属さないカードはそのままにする
- 小グループから大グループへ
- カードの枚数が多い場合は中グループを作るのもアリ
- グループ化したらチェックし直す
コツ1.どのグループにも属さないカードはそのままにする
多くのカードを作ると、どこにも属さないカードがちらほら出てくるハズです。
しかし、それらのカードを無理にどこかのグループに所属させないようにしましょう。
というのも、群れから外れたカードはそれだけで価値がある、または、見当違いのアイディアである可能性があるからです。
さらに、後から大グループを作る際に、どこかに所属する可能性もあるからです。
コツ2.小グループから大グループへ


必ず小グループを作ってから、大グループを作るようにしましょう。
なぜなら、大グループから小グループへと砕いていくのは作業効率が悪いからです。
一度まとめたものを、また一枚一枚見直して、それを砕いていくのって面倒ですよね?
しかし、細かくグループ化したものを、また繋いでいく作業は簡単です。
コツ3.カードの枚数が多い場合は中グループを作る
カードの枚数が多い場合は、小グループからいっきに大グループを作る必要はありません。
「小グループ→中グループ→大グループ」という感じで、「中グループ」を挟むようにしましょう。
むしろ、「中グループ」ができるということは、それだけ複数のアイディアが出せたということなので、良い傾向と言えます。
コツ4.グループ化したらチェックし直す
一度グループ化したら、もう一度それが正しくグループ化されているかどうかを確認しましょう。
なぜなら、「小グループ」を作る時は、数が多く直感でグループ化することになるので、グループ化の精度が落ちているからです。
だから、そのグループが似た要素でまとまっているかどうかを改めてチェックしましょう。
すると、意外なことに「これって別のグループの内容じゃん!」という気づきがあったりも。
このように、一度作ったグループを再確認することで、グループ化の精度をあげることができるのです。
ステップ3.図解化


- カード作り
↓ - グループ化
↓ - 図解化
↓ - 文章化
図解化の2ステップ
- 空間配置
↓ - フレームワークを使う
ステップ1.空間配置


上記のような感じで、関連性のあるグループを近くに設置します。
この際、予め買っておいた画用紙の上に設置するようにしましょう。
なぜなら、後からこれを文章化しやすくなるからです。
ステップ2.フレームワークを使う


次は、因果関係、相関関係、対立構造などをフレームワークを使って図解化していきます。
図解化に使える4つのフレームワーク


ツリー型は、ロジックツリーとも言われており、論理構造を表す時に使うフレームワークになります。
たとえば、Aという主張をがあった時に、B、C、Dという3つの理由があるのであれば、上記の図のように表現します。
フロー型は、時系列や因果関係を表す時に使うフレームワークになります。
基本的には、左から右へ図解していきます。
サテライト型は、相互依存的な関係を表すフレームワークになります。
たとえば、人間は「血」「肉」「骨」で構成されているわけですが、これら3つの要素はサテライト型でまとめることができます。
サイクル型は、その名の通り循環などを表すフレームワークになります。
たとえば、ビジネスで使われるフレームワークに「PDCAサイクル」がありますが、これはまさにサイクル型で表現できるものですよね。
図解化に使える4つの矢印


ステップ4.文章化


- カード作り
↓ - グループ化
↓ - 図解化
↓ - 文章化
文章化する時は、紙でもネットでもどちらでもOKです。
文章化のコツ
いっきに全てを文章化しないようにしましょう。
なぜなら、いっきに全てを文章化しようとすると、作業効率が下がってしまうからです。
なので、それぞれのグループを細かく文章化していき、後からそれを論理的に繋げるようにしましょう。
たとえば


- AとEの因果関係を文章化
↓ - BとFとGの因果関係を文章化
↓ - A・EとB・Fの因果関係を文章化
↓ - CとDを文章化
↓ - 全てを繋げる
▼おすすめ図書:思考法▼
まとめ:KJ法
では最後にまとめましょう。
本日は、
- KJ法とは
- KJ法に必要なツール
- KJ法の進め方
というテーマでブログを執筆しました。
KJ法を使うことで、みんなで出したアイディアを1つの画期的なアイディアにまとめ上げることができます。
なので、今までブレインストーミングで終わっていた人はぜひKJ法も一緒に活用していきましょう。
もしも、その他のアイディア術について知りたい方は、下記の記事なども参考にしてもらえればと思います。