シックスハット法とは、あるテーマ、課題、問題に対して6つの視点から考える思考法のことです。
これにより、より創造性の高いアイデアを出したり、仕事の生産性を高めることができるようになります。
たとえば、「より営業成績をあげるためには?」というテーマで会議をしていたとする。
そこで、まずは白い帽子をかぶって思考する。白い帽子をかぶることは、すなわち、客観的な視点から思考することを意味します。
そして、次は黒い帽子をかぶって思考してみる。黒い帽子は、警戒と注意を促す帽子で、ネガティブな視点から思考することを意味します。
このように、1つの物事に複数の異なる視点を持つことで、思考に広がりが生まれ、新しい発見が生まれる可能性が高まるのです。
というわけで本日は、
- シックスハット法とは
- シックスハット法の注意点
- シックスハット法の使い方
というテーマでブログを執筆していこうと思います。
シックスハット法とは
あるテーマ、課題、問題に対して6つの視点から考える思考法
↓
- 白い帽子=客観的な視点から思考
- 赤い帽子=感情的な視点から思考
- 黒い帽子=ネガティブな視点から思考
- 黄色い帽子=ポジティブな視点から思考
- 緑の帽子=創造的な視点から思考
- 青い帽子=全体的な視点から思考
シックス・ハット法は、主に3名〜10名ほどで行う思考法になります。
(もちろん、一人でも全く問題はありません)
なので、ブレイン・ストーミングと一緒に活用するのがオススメです。
シックスハット法の提唱者
シックスハット法は、「水平思考」という概念を生み出したエドワード・デ・ボーノ博士により提唱されました。
シックス・ハット法は、1985年に出版された書籍『6つの帽子思考法-視点を変えると会議も変わる』で詳しく説明されています。
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シックス・ハット法の実績
シックス・ハット法は、今では世界に羽ばたく思考法となっています。
では、具体的にどのような場面で使われているメソッドなのでしょうか?
- ある企業では、30日もかかっていた会議が、シックスハット法を使うことで、2日で終わらせることに成功しました
- IBM研究所の幹部出身の研究者は、シックスハット法により、会議の時間が1/4に短縮されたと報告がありました
- 300人の幹部公務員を対象にした実験では、シックスハット法の導入により、創造的な考え方が5倍(493%)に増加したという結果となりました
シックス・ハット法の使い道がなんとなくイメージできましたか?
他にも挙げたらキリがありませんが、シックス・ハット法がどれだけすごい効果的なメソッドであるかが分かりますね。
シックスハット法はなぜ効果的なのか
- 集結する力
- 時間の短縮
- バイアスの排除
- シングルタスク
理由1:集結する力
シックス・ハット法を使うことで、グループ全体の知識や経験などをフルに活用することができます。
なぜなら、全員が同じ視点でものごとを考えるので、その力が集結するからです。
たとえば、ある問題に対して白い帽子をかぶって思考すると、その問題の客観的な視点がいくつも浮き彫りにされます。
これにより、問題解決が促進されるのです。
理由2:時間の短縮
シックスハット法には、議論という概念がありません。
ただ、かぶった帽子の視点から意見を発言するのみ。
だから、普通の会議とは違って、他者の発言に対して意見を述べるという時間がないため、会議などの時間を大幅に短縮することができるのです。
理由3:エゴの排除
エゴとは、自負心のことだと考えてください。
人は会議などでは、どうしても自負心が出てしまいがちになります。
つまり、「いいことを言おう!」「相手を打ち負かそう!」という思考ですね。
そのような視点から会議を行っても、より創造性の高いアイデアを出したり、仕事の生産性を高めることはできません。
シックス・ハット法は、1つのテーマにみんなが同じ視点を持って思考する方法ですので、意見の対立が生まれにくいメソッドなのです。
理由4:シングルタスクができる
脳は、一度にあらゆる物事に集中することはできません。
つまり、マルチタスクをすることはできないのです。
多くの人たちは、あるテーマに一度に複数の思考をしようとしますが、これでは結局全ての思考が中途半端で終わってしまいます。
しかし、決められた帽子をかぶることで、1つの視点に神経を集中させることができるので、パフォーマンスを最大化させることができるようになるのです。
6つの帽子をそれぞれ解説
- 白い帽子=客観的な視点から思考
- 赤い帽子=感情的な視点から思考
- 黒い帽子=ネガティブな視点から思考
- 黄色い帽子=ポジティブな視点から思考
- 緑の帽子=創造的な視点から思考
- 青い帽子=全体的な視点から思考
では、それぞれの帽子について解説していきます。
白い帽子
白い帽子には、客観的な視点から思考するという意味合いがあります。
つまり、事実・データに基づいた考え方をするのです。
たとえば、「会社全体の売上をあげるためには?」というテーマの場合、下記のような思考をします。
先月のブログアクセス数は10万PV。しかし、そこからのメルマガの登録率が100名、つまり0.1%ほど。
なので、「メルマガへのCTA(行動要請)」、「 サイト内の設置場所」を工夫する必要があると思います。
赤い帽子
赤い帽子には、感情的な視点から思考するという意味合いがあります。
喜・怒・哀・楽などの感情を素直に発言するのです。
感情であるがゆえに、理由はいらないので、とにかく思ったことを口に出しましょう。
(白い帽子とは、正反対の概念ですね)
たとえば、こんな感じです。
- なんか好き!
- この形がなんとなく好き!
- そのアイデアはすごい可能性がありそう!
- 根拠はないけど、ちょっと不安だなぁ…
- ちょっと気に入らないなぁ…
- なんか納得いかないんですよね…
黒い帽子
黒い帽子には、ネガティブな視点から思考するという意味合いがあります。
別の言い方をするのであれば、批判的な視点で物事をみるということです。
ちなみに、このような視点のことをクリティカル・シンキングといいます。
これにより、危険回避をすることができるようになります。
たとえば、「あの橋を渡ろう!」と考えている人に対して、「いや、あの橋は木製だし、もう少し考えた方がいいのでは?」と批判的に伝えることで、その人の命を救うことができるかもしれませんよね?
黄色い帽子
黄色い帽子には、ポジティブな視点から思考するという意味合いがあります。
別の言い方をするのであれば、楽観的な視点で物事をみるということです。
つまり、利益にピントを合わせた考え方と言えるでしょう。
(※黒い帽子とは、正反対の概念ですね)
たとえば、こんな感じです。
〜をすることで、〇〇な利益を得ることができるんじゃないかな!
ここでは、黒い帽子と同様に、論理性を意識するようにしましょう。
緑の帽子
緑の帽子には、創造的な視点から思考するという意味合いがあります。
つまり、新しいアイデアを考えるということです。
たとえば、こんな感じで使います。
- このアイデアを見つけるために、緑の帽子をかぶってアイデアを探してみよう!
- ちょっとオーソドックスな考え方をしてしまっているので、5分だけ緑の帽子をかぶって何か新しいアプローチを考えてみよう!
緑の帽子を被った際は、実現不可性が低そうなアイデアでもどんどん発言するようにしましょう。
なぜなら、そのようなアイデアにこそ、ヒントが眠っている可能性が高いからです。
普通のことを、ただ淡々と伝えたとしても、それは無難な意見となりますので、創造的なアイデアになりません。
青い帽子
緑の帽子には、全体的な視点から思考するという意味合いがあります。
これは、上記で説明した5つの帽子とは少し違い、会議などを指揮するために使う帽子です。
なので、基本は、会議の進行役や議事録担当、議長などがかぶる帽子です。
たとえば、下記のような形で進行したりします。
- ではみんなで今から緑の帽子をかぶってみようか!
- ちょっと、Aさんの意見を否定してしまっているので、落ち着いて。
- みんな感情的になってしまっているから、白い帽子をかぶってこの問題について冷静に考えてみよう!
このように、進行役を作ることで、会議をスムーズに進めることができるようになります。
シックスハット法の4つのルール
では、ここからはシックスハット法を行う上で大切なルールを4つ紹介していきます。
- 批判しない
- 自由に発想する
- 質よりも量
- アイデアを結合する
ルール1:批判しない
人が出したアイデアを批判しないようにしましょう。
なぜなら、「合っている・間違っている」という基準でアイデアを評価してしまうと、一人ひとりが萎縮してしまいアイデアが出なくなってしまうからです。
たとえば、「それは違うよ!」「それって普通じゃない!?」と批判したり。
ルール2:自由に発想する
既存の枠組みで物事を考えないようにしましょう。
仮に、実現可能性が低かったとしても、それを発言するようにするのです。
もしかしたら、実現不可能かもしれませんが、それと似たようなことが実現する可能性は十分にありますからね。
(これは緑色の帽子の話ですね)
ルール3:質よりも量
アイデアを出す際は、とにかく量を意識するようにしましょう。
なぜなら、出たアイデアを後から結合するからです。(後ほど解説します)
つまり、量がなければそれだけ限られた資源の中から新しいアイデアを創造しなければならなくなるからです。
クイズで例えると、ヒントの少ない問題を解くといった感じですね。
ルール4:アイデアを結合する
アイデアを出したら、それらをグループ化して結合させましょう。
なぜなら、アイデア同士を結合させることで、思いもよらぬアイデアが創造されることがあるからです。
たとえば、「ネコ」「カフェ」という2つのアイデアから「ネコカフェ」が出来るイメージです。
シックスハット法の使い方
では、ここからはシックスハット法の具体的な使い方について解説していきます。
- 帽子を単独で使う場合
- 帽子を順番に使う場合
ケース1:帽子を単独で使う場合
会議や討論の中で、意見を募りたい場合に使います。
- ここで、白色の帽子をかぶってみましょう!
- ちょっと、10分だけ黒い帽子をかぶってみましょうか。
ポイント:出席者が帽子について知らない場合は・・・
その場合は、帽子の内容をしっかり伝えるようにしましょう。
- 客観的な事実に基づいた討論に変えていきましょう!
- ちょっと、10分だけこのテーマのネガティブなところについて考えてみましょうか。
ケース2:帽子を順番に使う
ある特定のテーマに対して、複数の帽子を使いたい場合の話です。
どの帽子も好きなだけ何回でも使えますが、全ての帽子を必ずしも使う必要はありません。
たとえば、白と赤と緑の帽子だけを使うなど。
ポイント①:状況に応じて決めていく場合
会議の進行役などが、最初にかぶる帽子のみを指定し、それ以降は出席者同士で相談しながら、かぶる帽子を決めていきます。
ちなみに、この方法は、シックスハット法を使い慣れている場合のみ行うようにしてください。
なぜなら、どの帽子をどの状況で使うかをしっかり把握していないと、無駄な時間が増え、逆に生産性が落ちるからです。
ポイント②:あらかじめ決めておく場合
会議の最初と最後に「青い帽子」を設定しましょう。
というのも、会議の最初と最後は特に進行が大切ですし、ここが明確になっていないと、グダグダになってしまうので。
さらに、格帽子をかぶる時間ですが、一人につき1分を原則とします。
なぜなら、思考する時間が長すぎてしまうと、逆に思考できなくなってしまうからです。
締め切りが短い方が「早くアイデアを出さないと!」といういいプレッシャーを感じることができます。
ちなみに、赤い帽子に関しては、そこまで時間をとる必要はありません。というのも、直感的な感想には明確な理由がないので、基本的に発言時間は短くなるからです。
まとめ:シックス・ハット法
では最後にまとめましょう。
本日は、
- シックスハット法とは
- シックスハット法の注意点
- シックスハット法の使い方
というテーマでブログを執筆しました。
シックス・ハット法によって、1つの課題・問題などを、複数の視点で思考することができます。
これにより、より創造性の高いアイデアを出したり、仕事の生産性を高めることができるようになります。
なので、会議などで意見を出し合う際には、必ずシックス・ハット法を使うようにしましょう。
シックスハット法 勉強不足で知らなかった。参加したこともない。
これから社内で一度トライしてみます。
いいアイデア、効率の良いネタだしが可能になるか見てみたい。