課題の分離とは、他者の課題と自分の課題を切り分ける思考法のことです。
たとえば、親が子供に「勉強しなさい!」と説教したとする。実はこの時、親子の間には軋轢が生じることになります。
なぜなら、親は“勉強する”という子供の課題に介入してしまったからです。
そして、自分の課題に介入された子供はきっとこう思うでしょう。「うっせーな」と。
このように、他者の課題に介入することで、人間関係のトラブルが発生してしまうことは多々あります。
では、どうすれば上記のような人間関係のトラブルを避けることができるのでしょうか?
結論、課題を分離するのです。
「ん、どう言うこと?」って感じですよね?
というわけで本日は、
- 課題の分離とは
- 課題の分離のメリット
- 課題の分離の具体例
というテーマでブログを執筆していこうと思います。
目次
課題の分離とは
他者の課題と自分の課題を切り分ける思考法
課題の分離により、人間関係の悩みが一気になくなります
「課題の分離」の提唱者
課題の分離は、オーストリアの精神科医、心理学者であるアルフレッド ・アドラーにより提唱されました。
これは、アドラー が創設したアドラー心理学の中のひとつの考え方になります。
アドラー心理学の基礎はこちら
課題とは
その人自身がやるべきこと
たとえば、“学校の宿題をするか?しないか?”は子供の課題となります。
なので、親が「勉強しなさい!」と強要した場合、軋轢が生じることに繋がります。
課題の見分け方
そもそも課題ってどうやって見つけるの?
結論、アドラー心理学では、下記のように定義しています。
「その選択によってもたらされる結末を最終的に引き受けるのは誰か?」を考える
たとえば、勉強をしなかったことで、その結末を引き受けるのは誰ですか?
勉強をしなかった子供本人ですよね?
なぜなら、「良い大学に行けなかったり、良い会社に就職できなかったり…」という結末を引き受けるのはあくまで子供だからです。
※多くの親は、子供の課題であるはずの宿題を、自分の課題だと勘違いしてしまい、「勉強しなさい!」なんて怒鳴ったりします
課題の分離のメリット
そもそも何で課題を分ける必要があるの?
良い質問ですね!
詳しく解説していきます
疑問:なぜ人間関係のトラブルは生じるのか
アドラー心理学では、下記のように定義しています。
他者の課題に介入すること、または、介入されることで引き起こされる
例:自分勝手な救世主
他にも、頼んでもいないアドバイスをしてくる友人っていませんか?
「〇〇ちゃんはもっと〜した方がいいよ!」などと。
アドバイスしている側からすると、その人のためを思ってのことなのでしょうが、介入されている側からすると「余計なお世話」なんですよね。
このように、課題の分離とは、人間関係のトラブルの元となる「課題への介入」を回避するための思考法と言えるでしょう。
介入と援助の違い
先ほど、「他者の課題に介入するな!」というちょっと過激なお話をしましたが、
もちろん、求められたらアドバイスをするのはOKです。
(むしろするべき)
なぜなら、このような場合は介入ではなく援助となるからです。
- 介入=求められてないのに課題に踏み込む→うざい
- 援助=求められた上で課題に踏み込む→嬉しい
例:勉強教えて!
たとえば、子供に「数学で分からないところがあるから教えて!」と求められてから教えるのが援助です。
一方で、親が能動的に「今日の授業で何か分からないところはなかった?」と尋ねる行為は介入に当たります。
もしかしたら「これくらいいいのでは?」と思うかもしれませんが、このようなことが毎日積み重なるとどうなると思いますか?
結果、「ウザい…」と思われるという結末を迎えることになるのは間違いないでしょう・・・
他者の課題に介入してしまう人の3つの特徴
では、他者の課題に介入する人には一体どのような特徴があるの??
- 自分のことばかり
- 傲慢
- 他者を信頼しない
特徴1:自分のことばかり
他者に介入する人の多くは、自分のために介入していることがほとんどです。
一見、他者に介入する人って、ものすごく親切で人想いという見方もできますよね?
しかし、それはただの勘違いです。
と言うのも、他者に介入するのは、自分が損を被らないようにしているだけだからです。
たとえば、子供に勉強を強要するのは、「世間からの見られ方」や「安心したいという欲求」など自分のことばかり考えています。
なので、断言しますが、純粋に「子供のために!」と介入している親はほとんどいません。
特徴2:傲慢
他者に介入する人の多くは、ものすごく傲慢な傾向があります。
なぜなら、傲慢な人は自分が全て正しいと感じているからです。
たとえば、相談もされていないのに、すぐにアドバイスしてしまう人は、「コイツは無能だから、有能な私が助けてあげなければ!」と感じることから起こります。
だから、全てを理解しているかのように、偉そうにベラベラとアドバイスをしてしまうのです。
想像してもらえれば分かると思いますが、謙虚な人は上記のようなことを絶対にしませんよね?
特徴3:他者を信頼しない
他者に介入する人の多くは、他者を信頼しない傾向があります。
たとえば、親が「もう宿題はやったの?」などと子供の課題に介入してしまうのは、なぜなのでしょうか?
結論、信頼していないからです。
つまり、「どうせ私が言わないと宿題をやらないだろう」と思っているから、わざわざ鬱陶しいほどに確認作業を行ってくるのです。
他にも、本当に友人を信頼しているから、トイレに行っている間に「私の財布盗まないでね?」なんて発言が出てこないわけです。
課題の分離の具体例
では、ここからは課題の分離を具体例を用いてさらに詳しく見ていきましょう!
- 親と子供
- 友達との会話
- 他者からのお願い
具体例1:親と子供
あえて今一度、この具体例を紹介します。
たとえば、親が子供に「勉強しなさい!」と叱りつけたとする。
しかし、子供は、勉強よりも「スポーツをやりたい!」と思っています。
では、この場合の課題を整理していきましょう。
疑問:「勉強する・しない」
結論、勉強を「する・しない」は、子供の課題です。
なので、親は「勉強しなさい!」なんて強制してはいけません。
もしも、それに介入するようであれば、断言しますが、子供から信頼される親になることは不可能と言えるでしょう。
具体例2:夢を伝える
あなたはAくんに「将来はハワイに住みたい!」と自分の夢を伝えたとする。
しかし、Aくんは「そんなの叶うわけないじゃん!」と否定してきました。
あなたは「はぁ!?なんでそんなことを言うんだ!」とAくんと口論になってしまいました。
この場合の課題を考えていきましょう。
疑問:否定する?しない?
結論、「夢を否定する・しない」は、Aくんです。
なので、仮にAくんに夢を否定されたとしても「なんでそんなことを言うんだ!」と反論してはなりません。
もしも、「夢をどうしても叶えたい、否定されたくない!」と思っているのであれば、Aくんとの付き合いをやめましょう。
大切なことは、相手を変えようとするのではなく、自分を変えることです。
具体例3:他者からの願い
たとえば、あなたが上司から「今日サービス残業してくれないか?」とお願いをされたとする。
(そんな会社ありませんが・・・)
しかし、あなたには今日リアルタイムで観たい番組があり、その要求を断りたいと考えています。
その場合の課題を整理していきましょう。
疑問:「承諾する・しない」
結論、「承諾する・しない」は、あなたの課題です。
だから、上司は、要求を断られたとしても怒ってはいけません。
なので、お願いを断られたとしたら、別の人にお願いをするか、自分で片付けるしかありません。
疑問:「嫌う・嫌わない」
結論、あなたを「嫌う・嫌わない」は、上司の課題です。
なので、あなたが観たい番組を優先して、上司に妬まれたとする。
しかし、「嫌わないでください!」なんて伝えてはなりません。
仮に、それがきっかけで会社内で何かしらの嫌がらせをされたら、人事や社長などに相談しましょう。
それでも虐めがなくならない場合は、別の会社に転職することを視野に入れましょう。
おすすめ図書
まとめ:課題の分離
では最後にまとめましょう。
本日は、
- 課題の分離とは
- 課題の分離のメリット
- 課題の分離の具体例
というテーマでブログを執筆しました。
課題を分離をすることで、人間関係での悩みのほとんどが解消されます。
もしかしたら、最初は慣れないかもしれませんが、何度も繰り返していくうちに慣れていきますので
ぜひ何度もチャレンジしていくようにしましょう。