失敗すると、すぐに落ち込んでしまう…
ポジティブな人間になりたい…
こんな悩みを抱えていないでしょうか?
我々は、ある出来事を信念によって解釈しようとします。
たとえば、“彼女に振られた”という出来事に直面した時、それを前向きに解釈することができる人もいれば、否定的にしか解釈できない人もいます。
では、一体同じ出来事であるにも関わらず、なぜこれだけ解釈に違いが生まれるのででしょうか?
結論、我々が別々の信念を持っているからです。
つまり、「人と付き合っていると、振られることだってある!」という信念を持っていれば、それを前向きに解釈することができますが、
「振られることなんてあってはならない!」という信念を持っていれば、それを否定的に解釈することになってしまうのです。
では、具体的にどうすればポジティブに解釈することができるようにあるのでしょうか?
というわけで本日は、
- ABC理論とは
- ABC理論の具体例
- ABCDE理論とは
- ABC理論と自己肯定感
- ABC理論と目的論
というテーマでブログを執筆していこうと思います。
目次
ABC理論とは
信念によって、直面した出来事の解釈が変化するという行動療法の考え方
“ABC理論”という名前の由来は、「Activating (出来事)」「Belief(信念)」「Consequence(結果)」の頭文字から来ています。
これは学業、仕事、スポーツ、人間関係の全てに活用できる考え方です。
ABC理論の提唱者
ABC理論は、1955年に心理療法家アルバート・エリスにより提唱されました。
エリスは、ニューヨークのエリス研究所のウォルス博士と一緒に、日本で公演やワークショップも開いていたそうです。
エリスによれば、その時、日本にいたカウンセラーや心理学者か、その他の精神衛生の方々から強い支持を受け、歓迎されていたといいます。
▼アルバート・エリスの著書▼
論理療法とは
論理療法とは、思い込みである信念を、論理的に考え、新たな信念を形成する心理療法のことです。
多くの人たちが、無意識のうちに思い込みに支配され、それに苦しみ続けます。
しかし、論理療法では、それを客観視することで、人生を前向きに生きれるように治療していきます。
その具体的な治療方法については後ほど紹介しますね
「ねばならぬ」→「〜の方がよい」
基本的に、「ねばならない」という「Must」的な考え方は、否定的な感情を生むことに繋がります。
たとえば、“テストで70点を取った”という出来事を経験した時に、
「テストは80点以上でなければならない!」というMust的な信念を持っていると、自己否定的な感情になってしまうでしょう。
しかし、「テストでは80点を取った方がよい」というBetter的な考え方ができれば、「さて、80点取るためには?」と前向きに考え、行動を起こすことができるようになります。
ABC理論の具体例
では、ABC理論の具体例を3つほど紹介していきますね。
例1:テスト
たとえば、テストで100点を目指していたが、結果は90点だったとする。
その時、あなただったら、それをどのように解釈しますか?
もしも、「テストは100点でなければならない!」という思い込み(信念)をしていれば、90点というテスト結果に苦しむことになるでしょう。
しかし、「完璧な人間などいない!誰だってミスをする!」という思い込み(信念)を持っている人は、次回のテストにポジティブな気持ちで臨むことができます。
例2:褒める
たとえば、“他者から褒められる”という経験をしたとする。
普通に考えれば、嬉しいことですよね?しかし、こんな嬉しい経験でも持っている信念により、ネガティブな結果となってしまうことがあるんですよね。
たとえば、「人を褒めることができる人間は素晴らしい!」という信念を持っている人は、褒めてくれた人に対してポジティブなイメージを持つでしょう。
しかし、「人を褒める人間は胡散臭いヤツばかりだ…」という信念を持っている人は、それを素直に受け止めることができず、その人の粗探しをするようになったりします。
例3:動画にバットボタンが…
これはオータニが実際に経験した話です
オータニは、YouTubeチャンネルを運営しているのですが、その際に、動画にバットボタンがつくことがあります。
もしも、あなたの動画にバットボタンがついたら、どう感じるでしょうか?
もしも、「バットボタンはいけないものだ…」という思い込み(信念)を持っている人は、大きなショックを受け、選手生命を絶たれることになるでしょう。
しかし、「バットボタンなんてチャンネルを運用していたら当たり前だ!」という思い込み(信念)を持っている人は、ショックを受けることはありません。
信念はどのように形成されるのか
でも、そもそも信念ってどうやって形成されているの?
以降では、この疑問に回答していこうと思います!
信念とは
- 価値観(困っている人は助けるべきだ)
- 考え方(全ての人に好かれる必要はない)
- 認知(メガネをかけている人は、頭が良いに違いない)
- 哲学(全ての悩みは人間関係の中にある)
- 常識(営業マンは全員ネクタイをしなければならない)
これらの要素は全て信念と言えます。
「認知」に気をつけろ
上記の中でも、特に気をつけるべきなのは、「認知」です。
と言うのも、認知は客観視しずらいからです。
例:美男美女のイメージ
たとえば、美男美女を見ると、我々は反射的に「彼らは清潔に違いない!」と感じてしまうことがあります。
しかし、これはハロー効果(後光効果)と言って、突出した要素がその他の要素に影響を与える心理的反応です。
だから、実際には、美男美女でも部屋が汚いなんてことはザラにありますよね?
このように、我々は、無意識のうちに、間違った認知をしてしまうことが多々あります。
解決策:バイアスを知る
思考のクセ、偏見
もしも、認知による信念を変更したいのであれば、バイアスについての理解を深めましょう。
なぜなら、バイアスを知ることで、メタ認知できるようになるからです。
自分を客観的に見つめること
例:パチンコ
パチンコで損をしてしまう人たちの多くは、損失回避バイアスの影響を受けていると言えます。
「損をしたくない」という人間の欲求のこと
たとえば、Aという台に1万円を入れたが、全て溶かしてしまったとする。
しかし、多くの人は、投資した1万円を損したくないがために、それ以上にお金をつぎ込むようになるのです。
これが、パチンコで大損する流れになります。
理性的な自分を呼び覚ます
では、もしも損失回避バイアスについて知っていて、理解をしていたら、果たしてこんなことになっていたのでしょうか?
結論、かなり被害を抑えることができるでしょう。
なぜなら、自分を客観的に見つけることができるからです。
たとえば、1万円を溶かしてしまったら、「今、損失回避バイアスの影響受けてるじゃん!もう止めておこう!」と理性的になることができます。
このように、バイアスの理解を深めることで、メタ認知できるようになり、それが信念を再形成することにつながるのです。
なので、バイアスについては理解を深めておくようにしましょう。
ABCDE理論とは
ABC理論に「D=Disputing(自己反論)」「E=Effective(効果的な新しい信念)」が添えられた概念
つまり、「“不健全な信念”を“健全な信念”に変える理論」のことですね。
不健全な信念→自己反論→健全な信念
では、どうすれば、“不健全な信念”を“健全な信念”に変えることができるのでしょうか?
結論、自己反論をしましょう。
自分の持つ信念に反論を唱えること
3つの自己反論法
- 現実的に反論する
(現実的に考えてどう?) - 合理的に反論する
(合理的に考えてどう?) - 実利的に反論する
(利益的に考えてどう?)
方法1:現実的に反論する
- 動画にバットボタンがついた(出来事)
↓ - 現実的に低評価がつかないなんてあり得るのか?(自己反論)
↓ - どんどん動画を作るぞ!(結果)
人気YouTuberを見てみると、誰でもバットボタンってついていますよね?
あのヒカキンさんでさえもバットボタンがついているわけですから。
方法2:合理的に反論する
- 失敗をした部下を怒鳴った(出来事)
↓ - そもそも部下を叱ることは合理的なことなのか?(自己反論)
↓ - 褒める教育を徹底する(結果)
「合理的なのか?」というのは、「最適解なのか?」ということです。
結論から言うと、叱る教育は、部下を育てることには適していません。
むしろ、褒めた方が能力が上がることが様々な研究で明らかになっています。
このように、普段の無意識レベルの思考や行動を意識化し、見つめ直すことで、思いもよらぬ発見があったりします。
方法3:実利的に反論する
- 褒められた(出来事)
↓ - 相手を疑うことに何かメリットはあるだろうか?(自己反論)
↓ - その人の良い部分を探すようになる(結果)
褒められたことを疑うメリットって特にないですよね?
むしろ、相手の賞賛を(否定するのではなく)受け入れることで、こちらの印象をポジティブなものにできます。
なので、相手の賞賛を受け入れつつ、こちらも積極的に褒めることで、より良好な人間関係を築き上げることができるでしょう。
ABC理論と自己肯定感
ありのままの自分を受け入れることができる感覚
自己肯定感は、人生を180度変える概念と言えるでしょう。
なぜなら、自己肯定感が高いか低いかで、世界の見え方がまるで違ってくるからです。
例:テストの点数
たとえば、テストで70点を取った人がいたとする。
自己肯定感が高い人は、「今回は70点だったか!では80点を取るためにはどうすれば?」と前向きに考えることができますが、
しかし、自己肯定感が低い人は、「うわ…80点を取ることができなかった…なんて無能なんだ…」と否定的に考えてしまいます。
つまり、自己肯定感が高い人は、あらゆる物事を肯定的に感じとることができ、自己肯定感が低い人は、あらゆる物事を否定的に感じとってしまうのです。
自己肯定感が高い→信念がポジティブ
では、ABC理論と自己肯定感を絡めた話をすると、
自己肯定感が高い人は、信念がポジティブであることが多く、その反面、自己肯定感が低い人は、信念がネガティブであることが多いです。
なので、“健全な信念”を形成する上で自己反論をすることも大切ではありますが、自己肯定感を上げることも非常に大切と言えるでしょう。
もしも、自己肯定感の高めた方を知りたい方は、『自己肯定感とは|自己肯定感が低い人の5つの特徴と高める7つの方法』を参考にしてください。
まとめ:ABC理論とは
では、最後にまとめましょう。
本日は、
- ABC理論とは
- ABC理論の具体例
- ABCDE理論とは
- ABC理論と自己肯定感
- ABC理論と目的論
というテーマでブログを執筆しました。
多くの人は、悪い出来事が起きると、反射的にネガティブな感情を抱いてしまいますが、
それも本日お伝えしたABCDE理論を活用することで、ポジティブ色にすることができます。
なので、「その出来事をどのような信念で解釈しているのか?」を常に考えるようにしていきましょう。