こんな悩みを抱えていないでしょうか?
営業において、提案書は非常に大切なツールと言えます。
なので、「契約率を上げたい!」「効率良く提案書を作る方法が知りたい!」などの悩みをお持ちの方は、ぜひ最後まで目を通していただければと思います。
というわけで本日は、
- 提案書とは
- 提案書を作る前に
- 提案書の書き方
- 提案書作りで気をつけるべきこと
というテーマでブログを執筆していこうと思います。
提案書とは
問題解決を目的としたツール
提案書という言葉は、「B to B」営業で使われることが多く、一方で「B to C」では、プレゼン資料と言わることが多いです。
提案書の目的
先ほどお伝えした通り、提案書の目的は問題解決です。
でも、そもそも問題解決ってなに?
問題解決とは、「現状」と「理想」のギャップを埋めることです。
そして、そのギャップのことを問題といいます。
理想:体重50キロ
↑
課題:運動が苦手、継続が出来ない
↑
現状:体重60キロ
この場合、10キロというギャップが問題に当たります。
つまり、この場合、この10キロのギャップを埋めるための提案書を作ることになります。
2種類の提案書
- 社内への提案書
- 社外への提案書
提案書1:社内への提案書
社内の業務効率の改善の提案などで使われるツール
社内への提案書は、社員が自分より偉い人たちへ向けて作られるものになります。
たとえば、「週に一度、自分の興味をもったことをプレゼンする機会を設けては?」「社内に仮眠制度を取り入れるべきでは?」というような意見を提出したりなど。
提案書2:社外への提案書
社外の問題解決などで使われるツール
社外への提案書は、営業ツールとして使われることが多いです。
たとえば、あなたが広告代理店であるのであれば、「求人媒体を使って採用活動を行ってはいかがでしょうか?」とか。
他にも、SNSの運用代行をやっているのであれば、「YouTubeを初めてみてはいかがでしょうか?」など。
企画書との違い
アイデアなどを伝えるために使われるツール
企画書は、社内ツール(社内への提案書)として使われることがほとんど。
たとえば、「こんな商品を作ったらどうか?」「こんな新規プロジェクトをやってみたらどうか?」など。
つまり、「企画書は、ゼロからイチを創るツール」で、「提案書は、イチのものをより良くしていくツール」と言えるでしょう。
提案書を作る前に
早速、提案書を作りたいんだけど、まずは何から始めればいいの?
では、実際に資料に落とし込む前の段階でやるべきことを話していこうと思います
これ以降では、“SNSの運用代行”を例にして解説していきますね。
手順1:コンセプト
何を提案するか?を決める
まずは、営業先に“何を提案するか?”を決めましょう。
もちろん、あなたの所属する会社で提案している商品・サービスを提案すればいいのですが、
ただ、会社に複数の商品・サービスが存在している場合は、営業先にフィットした商品・サービスを選定するようにしましょう。
たとえば、数あるSNSの中で「インスタグラムの運用代行を提案する!」という感じで。
手順2:ターゲット
どんな問題や課題を抱えているのか?を推測する
次に、想定される営業先の現状、理想、課題を決定しましょう。
たとえば、先方が、「求人媒体にお金をかけても全く反応が取れない・・・」という場合、下記のような形で、問題や課題を想定していきましょう。
- 理想:コストを抑えて、継続的に採用できるようにしたい
↑ - 課題:会社でSNSをやったことが無い
↑ - 現状:求人媒体にお金をかけているが、なかなか採用に繋がらない
詳細な情報がある場合
もしも、紹介先から や 問い合わせフォームなどから、営業先の詳細な情報(数字ベースの情報)あれば、それを記入するようにしましょう。
- 理想:毎年80名の採用を行なっていきたい
↑ - 課題:会社でSNSをやったことが無い
↑ - 現状:求人媒体に毎月30万円のお金をかけているが、月の採用人数が平均で3名
手順3:プロセス
問題を解決する手順を決める
最後に、営業先の問題を解決するための手順を決めましょう。
つまり、どのようにして現状から理想へ持っていくのか? を明確にするのです。
- 営業先と会議を行う
(アカウントのコンセプトを決めたりなど)
↓ - 投稿ネタを決める
↓ - 撮影、編集などを行う
↓ - 実際に投稿をしてみる
↓ - インサイトから戦略を練る
提案書の書き方
提案書は、どのような順番で作成すればいいの?
というわけで、ここからは、具体的にどういう順番で資料を作っていけばいいのか?について解説していこうと思います
手順1:ベネフィット
商品・サービスを購入した後の恩恵
- ドリル→穴を空ける
- 化粧品→綺麗になる
- 会計ソフト→労働コストを下げる
このように、我々は、商品・サービスを購入した後の未来を手にするために購入という行為をします。
なので、資料のスタートは、ベネフィットから行うようにしましょう。
ベネフィットの詳細はこちら
手順2:問題
「現状」と「理想」のギャップのこと
もしも、資料を見せながら「御社では、このような悩みをお持ちではありませんか?」と尋ねて、「ちょっと違いますね〜」などの返答が返ってきたら、つまり情報に誤りがあった場合、その場でヒアリングをし直すようにしましょう。
なぜなら、営業とは、あくまでも営業先の「現状」と「理想」のギャップを埋める仕事だからです。
つまり、ギャップに誤りがあれば、それを埋めるための手段も変わってくる可能性があるからです。
手順3:課題
「現状」と「理想」のギャップを埋める邪魔をする壁
こちらも、先ほどの問題のように、営業先に尋ねてみて、間違っていたら修正を加えるようにしましょう。
たとえば、「いや、社内にSNSの運用に詳しい人はいるけど、SNS運用にかけるリソースが無いんですよね・・・」という課題をかもしれません。
なので、問題と課題については、徹底的にヒアリングを重ねるようにしましょう。
手順4:解決策
問題や課題を解決するための手段を提示すること
解決策とは、あなたの会社で販売している商品・サービスになります。
このケースでは、“SNSの運用代行”というサービスですね。
もしも、営業先が、SNSの運用代行について無知だった場合は、それについてしっかり説明を加えるようにしましょう。
たとえば、「SNSの運用代行とは、御社のアカウントを作ったり、コンテンツを作成したりするサービスになります」という感じで。
もちろん、資料に落とし込んでもOKですが、そこまで難しい話ではない場合は、資料がゴチャゴチャしてしまうことを避けるために、口頭で伝える方が良いでしょう。
手順5:サポート内容
「現状」と「理想」のギャップを埋めるための内容
お客様は、現状から理想へ行きたいと考えています。
サポート内容とは、いわば、現状から理想へ行くための橋の強度を高めるものだと考えてください。
たとえば、パーソナルトレーニングで、
「弊社では、筋トレの他に、食事サポート、週に一度のカウンセリングなどのサポートを行なっておおります」と言われた方が、安心できますよね?
このように、サポート内容は、お客様を安心させる材料となりますので、しっかり設計するようにしましょう。
ワンポイント
ここで、1つポイントをお伝えすると、資料作りでは、なるべく数を意識するようにしましょう。
なぜなら、我々は、数が多いとそれだけ「すごい!」と錯覚してしまうバイアスを持っているからです。(利用可能性ヒューリスティック)
たとえば、ある主張の根拠が1つの時よりも5つの時の方が、その主張を正しいと勘違いしてしまうという研究結果があったりします。
なので、サポート内容は、なるべく多く記載するようにしましょう。
手順6:費用
相場を伝えてから、費用(あなたの提示する金額よりも高い金額)を伝えるようにしましょう。
なぜなら、あなたの商品・サービスを安いと感じさせることができるからです。
これをアンカリング効果と言います。
たとえば、「費用は、30万円です」と伝えるよりも、
「相場は、50万円ほどですが、弊社では30万円で提供させていただきます」と伝えた方が、安いと感じさせることができるのです。
ワンポイント
他にも、松竹梅戦略も使うと契約率を高めることが可能です。
なぜなら、我々には、真ん中のものを選択しやすいという性質があるからです。
たとえば、下記のコースがあった場合、ミドルプランが選ばれやすくなります。
- ハイプラン:45万円
- ミドルプラン:30万円
- ベーシックプラン:15万円
しかし、プランが1つしかなければ、それを「購入するか?」「購入しないか?」の二択となってしまうため、契約率が低下してしまうわけです。
手順7:保証
安心して商品・サービスを手に取ってもらうためのサービス
何かしらの保証をつけてあげると、契約率を高めやすくなります。
というのも、我々には、損失を避けたいという性質があるからです。
これを損失回避バイアスと言います。
たとえば、全額返金保証が付いていると、「まぁ失敗しても全額返金すればいっかぁ〜」という軽い気持ちで購入してもらえるようになります。
なので、商品・サービスの保証は、必ずつけるようにしましょう。
※特に、全額返金保証を付ける場合は、条件を添えるようにしましょう。そうしないと、販売者に不利な交渉となってしまうからです
手順8:まとめ
ベネフィットと費用をまとめたもの
最後に、冒頭で伝えたベネフィットをもう一度伝えるようにしましょう。
なぜなら、冒頭で伝えた内容は、忘却されている可能性が高いからです。
たとえば、話し始めて、しばらくしてから「あれ?結局何が言いたかったんだっけ?」ってなってしまった経験はありませんか?
これは、伝えようと思っていた内容が、忘れ去られてしまったことにより起こる現象となります。
もちろん、これは聞き手の立場でも一緒。
なので、必ず再度ベネフィットを伝えるようにしましょう。
ワンポイント
最後は、費用の画面にして、「以上でサービスの話は終わりになりますが、ご予算の方はいかがでしょうか?」とクロージングするようにしましょう。
というのも、このような購入することが前提となっているクロージングをすると、契約率が上がるからです。
これを、承諾仮定クロージングと言います。
クロージングのコツについてはこちら
提案書作りで気をつけること
資料を作る上で気をつけるべきことって何かある??
では、ここからは、資料を作る時に気をつけるべきポイントを解説していこうと思います
ポイント1:デザインを意識する
資料は、デザインを意識するようにしましょう。
(もちろん、ある程度のデザイン性があれば全く問題なしです)
なぜなら、デザインが疎かになると、それだけサービスの品質も疑われてしまうからです。
まぁこれは実際に資料を比較すれば、一目瞭然でしょう。
PowerPointでOK
でも、僕には、デザイン力が無いんですよね・・・
もちろん、デザイン力なんて必要ありません!
なぜなら、PowerPoint(マイクロソフトが提供する有料サービス)には、様々なテンプレートが入っているからです。
つまり、そこから適当に選べば、ある程度デザイン性のある資料を作ることが可能なのです。
GoogleスライドでもOK
他にも、Googleが無料で提供している「Googleスライド」というサービスにも、様々なテンプレートがありますので、それを使ってもOK。
ポイント2:文字を増やさない
文字数はなるべく減らすようにしましょう。
なぜなら、文字が多いと、嫌悪感に繋がってしまうからです。
これを知覚処理流暢性の誤帰属と言います。
たとえば、記事の文字が小さく、行間が詰め詰めの記事に対して、イライラしてしまった経験はありませんか?
このように、我々は、文字が多すぎたりすると、「読む」という知覚処理が発生してしまうため、嫌悪感を感じてしまうのです。
なので、なるべく「1スライド=1メッセージ」ということを意識して、資料を作るようにしましょう。
例:サポート内容
たとえば、こちらはサポート内容のところで使った資料ですが、それぞれの詳細を伝える際には、
- 「アカウント作成」の詳細で1スライド
- 「撮影・編集」の詳細で1スライド
- 「コンサルティング」の詳細で1スライド
で構成するようにしましょう。
すると、1スライドでの文字数を大きく減らすことができるようになります。
ポイント3:ボリュームを減らす
資料は、長くならないようにしましょう。
なぜなら、我々は、そこまで長時間、話を聞くことができないからです。
たとえば、2時間のセミナーをただじっと聴いているのって疲れますよね?
だから、上手いセミナーでは、必ず途中で「ワーク」を入れています。たとえば、「ここまでの内容を隣の人と共有しましょう!」みたいな。
伝えたいことが多すぎる・・・
もし、資料がどうしても長くなるようであれば、途中で質問を投げかける機会を設けるようにしましょう。
(もちろん、提案時間は、なるべく短い方がいいですが)
業界によっても違うでしょうが、オータニの場合、提案時間はものの5~7分程度です。
ポイント4:実績を準備しておく
実績を伝えることで、契約率を大幅に高めることができるようになります。
なぜなら、お客様は、購入に対して安心感を持つことができるからです。
これを、社会的証明と言います。
たとえば、「ある会社様は、SNSを代行したことで、歩留まり率を10%低下させることができた」という実績を伝えることで、「じゃあ私たちも成果をあげることができるかもしれない!」と感じさせることができたりします。
他にも、大手の会社様と取引をしているのであれば、それも積極的に伝えるようにしましょう。
すると、権威の力を使うことができるので、それにより信頼を得やすくなるからです。
実績がありません・・・
まだ、立ち上げ段階で実績がないのであれば、お客様の声でもOKです。
たとえば、「A社さんからは、SNSを代行したことで、『1つの業務に集中できるようになった!』なんて声をいただいております」という感じ。
もちろん、実績と比べると、影響力は低下してしまいますが、無いよりは有った方が数百倍良いと言えるでしょう。
ポイント5:提案のコツを知る
提案とは、ただ資料を読み上げるだけの行為ではありません。
他にも、様々なテクニックを用いて行うものになります。
たとえば、「キャッチボール」「お客様のストーリー」「即決トーク」など意識するべきことはたくさんあります。
もし、そのようなプレゼンテーションのスキルをマスターしたい方は、下記の記事を参考にしてもらえれあばと思います。
プレゼンテーションのコツはこちら
まとめ:提案書の書き方
では、最後にまとめましょう。
本日は、
- 提案書とは
- 提案書を作る前に
- 提案書の書き方
- 提案書作りで気をつけるべきこと
というテーマでブログを執筆しました。
提案書は少なからず契約率を高めてくれるツールです。
なので、本日紹介した内容で、一度提案書を作成してみてください。
もしも、作成のアドバイスが欲しいという方は、無料で提供している「オープンチャット」にご参加いただければと思います。
提案書の書き方が分からない・・・