ザイアンス効果(単純接触効果)とは、ある対象への接触回数が増えると、好意レベルが高まる心理現象のことです。
たとえば、最初は「怖い…」と思っていた人も、繰り返し会っていくうちに仲良くなったりした経験はありませんか?
他にも、最初は不快に感じていたテレビCMも、繰り返し接していくうちに慣れたなんてこともありませんか?
このように、我々には、特定の対象との接触回数が増えると、その対象に好意を寄せるという傾向があります。
しかし、なぜこのような現象が起きるでしょうか?
というわけで本日は、
- ザイアンス効果(単純接触効果)とは
- ザイアンス効果(単純接触効果)はなぜ発動するのか
- ザイアンス効果(単純接触効果)を営業に活用する方法
- ザイアンス効果(単純接触効果)をマーケティングに活用する方法
というテーマでブログを執筆していこうと思います。
目次
ザイアンス効果(単純接触効果)とは
ある対象への接触回数が増えると、好意レベルが高まる心理現象
※ザイオンス効果とも呼ばれています
ザイアンス効果(単純接触効果)で大切なことは、「接触時間」よりも「接触回数」が重要であるということです。
ザイアンス効果(単純接触効果)は、1968年アメリカの心理学者ロバート・ザイアンス氏が提唱した法則です。
ザイアンス効果(単純接触効果)の具体例
では、いくつか具体例をみていきましょう。
- 恋愛
- SNS広告
- ぬいぐるみ
例1:恋愛
もしも、好きな異性と付き合いたいのであれば、「接触時間」ではなく、「接触回数」を意識するようにしましょう。
たとえば、同じ5時間でも、「接触1回×5時間」よりも「接触5回×1時間」に分けた方が異性から好かれる可能性は高くなります。
なので、好きな人とずっと一緒にいたい気持ちは分かりますが、最初はなるべく短い時間で切り上げるようにしましょう。
例2:SNS広告
FacebookやInstagram、YouTubeでコンテンツを楽しんでいると、途中で広告が表示され、それに嫌悪感を感じたことはありませんか?
しかし、面白いことに、何度も繰り返し接していると慣れてきますよね?
例3:可愛くないぬいぐるみ
たとえば、友達からプレゼントとして「ぬいぐるみ」をもらったとする。
しかし、それはあまり可愛くありません。
だから、あまり嬉しい気持ちになれませんでしたが、もらった手前本棚に飾ることに。
しかし、毎日繰り返し見ているうちに「なんだかコイツ意外と可愛いな〜」と思うようになっていくんですよね。
ザイアンス効果(単純接触効果)はなぜ発動するのか
でも、なぜ我々には、ザイアンス効果(単純接触効果)という面白い心理傾向があるの??
確かに、面白いですよね!
では、その理由を、脳科学を用いて解説していきますね!
結論:知覚処理流暢性の誤帰属
誤って、知覚の処理のしやすさを原因としてしまう心理傾向のこと
- 知覚=視覚、聴覚、嗅覚、触覚、味覚などで外界のものを捉えること
- 誤帰属=真の原因でない事象を原因にする現象
例:接触回数と知覚処理
たとえば、1回目の接触の時は、顔、名前、職業、趣味など、とくにかく覚えることが多いですよね?
つまり、1回の接触では、それだけ多くの知覚処理に負担がかかってしまいます。
結果、脳はそれを対象への嫌悪感だと勘違いしてしまいます。
(だから、多くの人は、初対面の人と会うのが非常に嫌なんですよね・・・)
しかし、2回目、3回目と接触回数を増やしていくことで、覚えなければいけない事柄が減って行きます。
つまり、知覚処理がスムーズになっていくわけです。なので、相手といる時間に居心地の良さを感じるようになります。
すると、脳は「この人といる時は、頭を使わなくていいから楽だわ〜」とそれを好意と錯覚するようになります。
なので、接触回数が増えると、それだけ相手に好意を感じるようになるのです。
ザイアンス効果(単純接触効果)の実験
では、ここからはザイアンス効果(単純接触効果)を語る上では欠かせない3つの実験を紹介しようと思います!
実験1:会ったことがない人への好意
被験者の大学生を対象にした実験で、ある卒業アルバムの中から12名の学生の写真を選んでそれを被験者に見せます
しかし、被験者によってそれぞれ見せる写真の回数を1〜25回と変化を加えます
(たとえば、、1回見せられる学生もいるが、10回見せられる学生もいるということ)
そして、被験者に全ての写真を見せ終わった後、12名の写真を並べて一番好意を抱いた写真を選んでもらいました
結果、ほとんどの被験者は25回見せられた写真を選ぶ傾向にあったのです
実験2:接触回数と好意
大学生を対象にした実験で、あるクラスメートに同じくらい魅力的な4名の男子学生の写真を見せました
※ちなみに、この4名の男子学生は同じクラスメート
その際、彼らに授業の出席回数に差をつけました
- 学生A:出席回数0
- 学生B:出席回数5
- 学生C:出席回数10
- 学生D:出席回数20
そして、研究者は時間が経ってからクラスメートの学生たちに4名の男子学生たちへの魅力度を調査しました
結果、魅力的だと思われていたのは学生Dということが分かりました
※この実験は授業をサボるサボらないという要素が好感度に影響が出ないように行われました
実験3:モノやコトでも同じことが
中国人以外の学生を対象にした実験で、学生たちに「意味を持たない漢字のような図形」を12種類見せます(秒数は1つにつき2秒)
その際、それぞれの図形を見せる回数に差を付けました(たとえば、5回見る被験者もいれば、25回見る被験者もいまいた)
そして、被験者にどの図形の印象が一番よかったのか?を尋ねました。
結果、一番多く見せられた図形に対して、もっとも良い印象を持っていたことが分かったのです
さらに、続きの実験では、図形を見せる時間を4/1000秒(脳が意識的に認識できない速度)にして行ったのですが、それでも結果に変化はありませんでした
この実験を見ても分かる通り、ザイアンス効果(単純接触効果)は、無意識に起こる現象ということがわかりますね。
ザイアンス効果(単純接触効果)を営業に活用する方法
では、ここからはザイアンス効果(単純接触効果)を営業に活用する方法について解説します。
結論:営業プロセスで接触回数を分ける
営業には、契約に至るまでに4つのプロセスを経由します。
- アイスブレイク
↓ - ヒアリング
↓ - プレゼンテーション
↓ - クロージング
これらのプロセスを分けて、顧客と接触するようにしましょう。
色々なパターン
- アイスブレイク (1回目)
↓ - ヒアリング
↓ - プレゼンテーション(2回目)
↓ - クロージング
- アイスブレイク(1回目)
↓ - ヒアリング(2回目)
↓ - プレゼンテーション(3回目)
↓ - クロージング
- イベント(1回目)
↓ - アイスブレイク(2回目)
↓ - ヒアリング
↓ - プレゼンテーション(3回目)
↓ - クロージング
- SNSなど(何度も)
↓ - アイスブレイク(2回目)
↓ - ヒアリング(2回目)
↓ - プレゼンテーション(2回目)
↓ - クロージング(2回目)
ちなみに、現在のオータニはパターン4です
昔は、パターン2でやっていましたね
営業で使える心理学
ザイアンス効果(単純接触効果)をマーケティングに活用する方法
- 継続的に情報発信をする
- 購買プロセスを意識する
方法1:継続的に情報発信をする
SNS ブログ 広告など
運用してるメディアをとにかく継続的に更新するようにしましょう。
オータニの場合
現在、オータニはブログ・YouTubeを1日おきに更新しています。
※現在はコンテンツも増えてきたので、週1投稿となっています
なぜなら、定期的に更新をすることで、読者が情報と接触する機会を大幅に増やすことができるからです。
毎日更新を推奨する理由
しかし、ビジネススタート時は、それぞれのメディアを毎日更新していました。
というのも、ビジネススタート時は、ファンがゼロだったからです。
つまり、とにかく多くの潜在顧客と接触回数を増やさなければならなかったからです。
なので、ビジネススタート時であれば、毎日更新することをオススメします。
※1つのメディアを毎日更新するレベルでOK
広告でもOK
もしも、毎日更新ができない人は、広告にお金をかけて接触回数を増やすのもアリです。
もちろん、「ビジネススタート時」は、お金がないと思いますので、お財布との相談になるとは思いますが。
しかし、広告を回すことができれば、高速でPDCAを回すことができるので、ビジネススピードは一気に加速しますよ。
方法2:購買プロセスを意識する
- リードジェネレーション
↓ - リードナーチャリング
↓ - セールス
リードジェネレーション
「リスト取り」のこと
たとえば、「Facebook→メルマガ 」みたいな感じですね。
このように、メルマガなどを使ってメールアドレスや電話番号、住所などの顧客の個人情報を取っていきます。
リードナーチャリング
「リスト教育」のこと
たとえば、メルマガなどに登録してくれた人だけに特別な情報を定期的に配信したりします。
これにより、商品・サービスを購入するであろうホットな顧客を育てていきます。
もしも、リスト教育のやり方について知りたい方は、『リスト教育を攻略|ニーズ教育・ウォンツ教育のやり方を徹底解説』を参考にしてください。
セールス
「営業活動」のこと
たとえば、セミナーや個別相談によって、自社商品を売り込んでいきます。
リードジェネレーション、リードナーチャリングの部分が徹底されていれば、営業に投下するコストは少なくて済むようになります。
なぜなら、濃い見込み顧客と営業できるからです。
重要:リストを取って、情報を発信する
リストを取ることができれば、顧客と接触できる可能性がグッと上がります。
なぜなら、リストにはコンテンツを更新した際の通知が届くようになるからです。
たとえば、メルマガに登録していたら、Facebookでの発信と比べると、こちらの発信する情報に触れやすくなりますよね?
他にも、YouTubeのチャンネル登録をしている人の方が、していない人と比べると動画に触れる機会が増えますよね?
もちろん、メルマガでも、YouTubeでも、登録を解除されることもありますが、それは顧客をふるいにかけるうえで必要なことなので問題なしです。
コンテンツマーケティングの時代
有益な情報を定期的に提供し続けるマーケティング手法
たとえば、ブログを提起的に更新したり、SNSで毎日呟いたりなど。
とくにかく、ターゲットユーザーが喜ぶ情報を届けることが大切になります。
※コンテンツマーケティングとザイアンス効果(単純接触効果)は非常に密接な関係があると言えるでしょう
コンテンツマーケティングにより、顧客ロイヤリティ(会社への忠誠心)を向上させることができ、最終的に購入へと繋げることができるようになります。
もしも、コンテンツマーケティングについてさらに詳しく知りたい方は、『コンテンツマーケティングとは|メリットや成功事例を紹介』を参考にしてください。
マーケティングで使える心理学
まとめ:ザイアンス効果(単純接触効果)
では最後にまとめましょう。
本日は、
- ザイアンス効果(単純接触効果)とは
- ザイアンス効果(単純接触効果)はなぜ発動するのか
- ザイアンス効果(単純接触効果)を営業に活用する方法
- ザイアンス効果(単純接触効果)をマーケティングに活用する方法
というテーマでブログを執筆しました。
ザイアンス効果(単純接触効果)は非常にシンプルですが、非常に効果の高い心理法則と言えます。
なので、あなたの販売戦略の中に必ず導入するようにしましょう。