クレショフ効果とは、前後の繋がりを無意識に関連付け、意味付けをしてしまう心理傾向のことです。
エナジードリンクのCMなどは、クレショフ効果を活用していることが多々あります。
たとえば、リポビタンDやレッドブルなど。(後ほど、具体例を用いて解説しますね)
クレショフ効果は、マーケティングなどビジネスの世界では、当たり前に活用されている心理技術です。
なので、ぜひあなたのビジネスにも効果的に活用していくようにしましょう。
というわけで本日は、
- クレショフ効果とは
- クレショフ効果の具体例
- クレショフ効果を営業に活用する方法
- クレショフ効果をマーケティングに活用する方法
というテーマでブログを執筆していこうと思います。
目次
クレショフ効果とは
前後の繋がりを無意識に関連付け、意味付けをしてしまう心理傾向
※行動経済学では、「連合の原理」とも言われています
クレショフ効果の具体例
では、いくつか具体例をみていきましょう。
- 猫の気持ち
- リポビタンD
- アイコン
例1:猫の気持ち
写真①と写真②をご覧ください。
では、写真①の猫と写真②の猫では、それぞれどのような感情を抱いていると思いますか?
きっと、写真①を見た人は猫に対して「警戒している」とか、中には「友達になりたがっている」なんて答える人もいるかもしれませんね。
しかし、写真②を見た人は「魚を狙っている」とか「お腹が空いている」などと答えるのではないでしょうか?
このように、並べる写真によって、猫が抱く感情への解釈が違ってくるということですね。
例2:リポビタンD
マッチョの男性がふたり崖を登るのですが、一人の男性が崖を踏み外してしまいます。
しかし、もう一人の男性がギリギリのところで腕を掴み、「ファイトー!」と叫ぶ。
そして、もう一人の男性が「一発!」と叫ぶ。その後、ふたりがリポビタンDを飲み、CMが幕を閉じます。
リポビタンDのCMといえば、「ファイトー!イッパーツ!」ですよね?
「崖を登るマッチョなふたりの男性」と「リポビタンD」には、本来なんの関係もないのですが、
無意識のうちに「リポビタンDの飲むことで、物凄いエネルギーを得ることができる!」と関連付けしてしまうのです。
これは、レッドブルのCMにも同じようなことが言えます。
例3:オータニのアイコン
この記事の執筆者であるオータニは、TwitterやYouTubeのアイコンにある工夫をしています。
どんな工夫をしているか分かりますか?そうです。本を持たせてあるのです。
では、なぜ本なんて持たせているのでしょうか?
結論、アイコンを見た人たちに「オータニ=頭がいい」と思ってもらうためです。
「本」には「頭がいい」というイメージがあるので、それを「オータニ」と一緒に表示することで、「オータニ=頭がいい」という関連付けを無意識にさせることができるのです。
このように、読者や視聴者に持たれたいイメージの画像を使うことで、そのイメージを持ってもらいやすくなります。
クレショフ効果の実験
1922年旧ソビエト連邦の映画作家であるレフ・クレショフ氏は、全ロシア映画大学内である実験を行いました。
実験内容としては、被験者を3つのグループに分けて、それぞれ違うカットの次に俳優のイワン・モジューヒンの無表情のカットを見てもらいました。
(※右の男性はイワン・モジューヒン本人ではありません)
そして、それぞれのグループが「俳優の無表情にどのような意味付けをしたか?」を調べました。
- カット1を見た被験者は、俳優に対して「飢えている」と解釈
- カット2を見た被験者は、俳優に対して「悲しんでいる」と解釈
- カット3を見た被験者は、俳優に対して「欲情している」と解釈
このように、我々は前に受けた画像・映像によって、その後の認知に大きな影響を受けるということが分かりますね。
クレショフ効果と関連のある心理学
では、ここからはクレショフ効果と関連のある心理学について解説していきます。
プライミング効果
先行刺激(プライマー)が、無意識に後続刺激(ターゲット)に影響を与える心理現象
例:「シャンデリア」と「シンデレラ」
「シャンデリア」と10回言わせてから、「毒リンゴを食べさせられるのは?」と質問をされると、「シンデレラ!」と答えてしまった経験はありませんか?
※答え:白雪姫
これは、「シャンデリア」という先行刺激(プライマー)に引っ張られてしまうことにより起こります。
クレショフ効果に話を戻すと、つまり、先行刺激(画像・映像)により、その後の画像・映像の認知が歪められてしまうわけです。
このように、プライミング効果とクレショフ効果には密接な関係があると言えますね。
クレショフ効果を活用する3ステップ
- どんなイメージを持たせたいかを決める
↓ - そのイメージを持った対象を決める
↓ - 対象とアイテムをくっ付ける
手順1:どんなイメージを持たせたいのかを決める
まずは、自分や商品・サービスに、どんなイメージを持たせたいのかを決めます。
たとえば、オータニの例で言うのであれば下記のような感じです。
オータニは、ここで「頭がいい」を選択しました。
手順2:そのイメージを持ったアイテムを決める
先ほど「頭がいい」というイメージを設定しました。
なので、そう思われるようなアイテムを連想的に考えていきましょう。
たとえば、下記のようなものです。
オータニはここで「本」を選択しました。
手順3:対象とアイテムをくっ付ける
最後に、対象とアイテムをくっ付けましょう。
オータニの例で言うと、「オータニ」と「本」をくっ付けました。
そのために、YouTubeのアイコンには本を持たせていますし、YouTubeの動画でも本棚を背にして話をするようにしています。
作ったアイテムをどのように忍ばせるかは、いろいろ試行錯誤してみてください。
クレショフ効果を営業に活用する方法
では、ここからはクレショフ効果を営業に活用する方法について解説していきます。
方法:アイテムを変える
「身に着けるアイテム」を工夫をするだけで、簡単に印象を操作することができます。
例:「優しい」と思われたい
強面の営業マンであれば、出会い頭でかなり警戒心を持たれやすくなるので、営業には不利になります。
なので、そんな時には、ちょっと派手目でおしゃれな服装で営業する方がいいでしょう。
営業では、漆黒のスーツに身を包むことがオーソドックスとされていますが、
見た目の印象がお客さまに与える影響はかなり大きいので、顔・身長などによって見た目は変えていくのがオススメです。
もし、見た目を変えて、他者からの印象を良くしたいという方は、『できる営業マンの見た目とは|第一印象を攻略する方法を解説』を参考にしてください。
例:「頭がいい」と思われたい
お客さまから「頭が良さそう!」と思われたいのであれば、メガネをかけましょう。
もしも、目が悪くないのであれば、伊達メガネでも全然OKです。
なぜなら、人はメガネに対して「頭がいい」というイメージも持っているからです。
このように、ある突出した特徴がその後の認知に影響を与える現象をハロー効果(後光効果)といいます。
もし、ハロー効果について詳しく知りたい方は、『ハロー効果(後光効果)とは|営業・マーケティングに応用する方法』を参考にしてください。
クレショフ効果をマーケティングに活用する方法
では、ここからはクレショフ効果をマーケティングに活用する方法について解説します。
方法:画像・映像を意識する
たとえば、ブログのヘッダー画像、販売ページの画像、テレビ広告の映像 などですね。
これらを工夫することで、企業や商品の印象を容易に操作することができます。
例1:シャンプーの広告
たとえば、「シャンプー」に「天然由来」のイメージを持たせたいのであれば、下記のように表現するのがいいでしょう。
「なんだか髪の毛に良さそう〜」という印象を与えることができそうですよね?
例2:知のブログのヘッダー(昔の)
こんな感じで、「頭がいい!」と思わせる(?)ようなヘッダー 画像に変えました。
このヘッダーを見た読者は、「このサイトは、頭がいい人が作ったサイトなんだ!」と一瞬で理解してくれるでしょう。
例3:口紅
画像1と画像2では、同じ口紅なのですが、それと一緒に写る女性によって全く違う印象を与えますよね?
画像1では20~30代に向けた口紅で、画像2では40代向けの口紅と感じるのではないでしょうか?
このように、商品と一緒に見せる人物画像の存在はものすごく大切です。
なので、あなたのターゲットに合わせた人物画像を挿入するようにしましょう。
まとめ:クレショフ効果
では、最後にまとめましょう。
本日は、
- クレショフ効果とは
- クレショフ効果の具体例
- クレショフ効果を営業に活用する方法
- クレショフ効果をマーケティングに活用する方法
というテーマでブログを執筆しました。
クレショフ効果を意識することで、無意識のうちに相手の印象を操作することができます。
なぜなら、自分が持つアイテムによって、それをあなたに関連付けするからです。
なので、特にブロガー・YouTuberの方などの情報発信者は、自分が持つアイテムを意識するようにしましょう。