自己奉仕バイアスとは、成功を自分の資質のためとし、失敗を他者や環境のせいにするという現象のことです。
たとえば、車の衝突事故では、被害者が相手のせいにするのはもちろんですが、加害者側は自己奉仕バイスによって自分の責任を過小評価するようになります。
「急に飛び出したのが悪いんだ!…」という感じで。
このように、我々は自分にとって都合が良いように物事を解釈しようとするバイアスを持っています。
しかし、なぜこのような現象が起きてしまうのでしょうか?
というわけで本日は、
- 自己奉仕バイアスとは
- 自己奉仕バイアスの具体例
- 自己奉仕バイアスから脱却する方法
というテーマでブログを執筆していこうと思います。
目次
自己奉仕バイアスとは
成功を自分の資質のためとし、失敗を他者や環境のせいにするという心理現象
※「成功は自分の手柄、失敗は他人のせい」と考えてしまうことですね
自己奉仕バイアスの具体例
では、いくつか具体例をみていきましょう。
- スポーツ
- 学校の先生
- 上司と部下
- 彼氏の浮気
例1:スポーツ
たとえば、あなたがサッカーの試合をしているとします。
もしも、試合に勝った場合、「これまで努力してきてよかった!」とそれを自分の実力だと考えるようになるでしょう。
しかし、試合に負けた場合は、「ちょっと不運続きだったな!」「あれは審判のせいだ!」とその原因を外部のせいだと考えるようになるのです。
例2:学校の先生
たとえば、あなたが中学3年生の生徒を受け持っているとします。
もしも、生徒が受験に成功すれば、「いや〜やっぱりオレの教え方は上手い!」と考えるようになるでしょう。
しかし、生徒が受験に失敗したら、「あいつは勉強が足りない!」「あいつはやっぱ頭が悪いなぁ…」と他人のせいにするようになります。
例3:上司と部下
たとえば、あなたがいつも気にかけている部下が、会社にとって大切な商談をしているとします。
もしも、部下が商談を成立させたら、「オレが見込んだだけのことはある!」と自惚れるようになるでしょう。
しかし、部下が商談に失敗すれば、「ちゃんと言われた通りにしないからだ!」と言い訳をするようになるのです。
例4:彼氏の浮気
彼氏の浮気がバレたとしましょう。
もちろん、彼女はブチギレるわけですが、彼氏の方はというと「いや、オレを放っておいたお前が悪い!」と自分の失敗を過小評価し、彼女に逆ギレをすることもあります。
自己奉仕バイアスを構成する2つの要素
自己高揚バイアス
成功を自分の資質のおかげとするバイアスのこと
つまり、「成功は自分のおかげ」の部分ですね。
「成功は自分のおかげ」と捉えることで、自尊心を高めることができるようになります。
だから、たくさんのことにチャレンジしたり、ちょっとの失敗でクヨクヨしなくなります。
「成功は自分のおかげ」と捉えることで、自惚れる可能性も高まります。
だから、それいじょう自分のスキルを高めたり、磨いたりしなくなってしまうこともあります。
レベルの高い人ほど、「いや、俺の力もまだまだだ!」と捉えていますよね?
つまり、レベルの高い人ほど、自己高揚バイアスとは逆の行動を取る傾向があるということです。
自己保護バイアス
失敗を他者や環境などの外部要因にするバイアスのこと
つまり、「失敗は他人のせい」の部分ですね。
自分を責め過ぎなくなります。
人は時に、しなくてもいいことを自分のせいにしてしまうことがあります。
たとえば、映画などで「母親が交通事故になってしまったのは、私があの時止めなかったからだ!」と自責心を持つ主人公っていますよね?
しかし、冷静に考えれば、別に“母親が事故にあったこと”と“自分”にはなんの関係もないわけです。
このように、無理に自責にすることはストレスの元となりますので、自己保護バイアスを持っていると気が楽になります。
「失敗は他人のせい」と捉えることで、成長できなくなります。
たとえば、ブログを執筆しているけど、なかなかアクセスが集まらないとします。
自己保護バイアスにかかっていない人は、「もっと素人でも分かりやすい具体例を使おう!」「もっとSEOを勉強しないとダメだ!」と成長する方に向かおうとするのですが、
自己保護バイアスがかかっている人は、「いや、これはまだ時代が追いついてない!」「リテラシーの低い読者ばかりだ!」と、外部のせいにばかりします。
このように、何かの失敗を外部のせいにしていたら、いつまで経っても成長することができなくなるのです。
自己奉仕バイアスから脱却する
自己奉仕バイアス自体は悪いものではありませんが、影響を受け過ぎるとそれはそれで良くありません。
というわけで、ここからは自己奉仕バイアスから脱却する方法について解説します。
結論:成功は他人のおかげ、失敗は自分のせい
自己奉仕バイアスに陥っていると感じたら、次の言葉を唱えるようにしてみてください。
成功は他人のおかげ、失敗は自分のせい
成功は他人のおかげ
このように、考えることで、他者に感謝できるようになります。
たとえば、サッカーの試合で得点を決めることができたとします。
自己奉仕バイアスにかかっている人は「オレってすげー!」と考えます。
もちろん、これ自体は自尊心を高めることになりますので、全く問題ありません。
しかし、あまりにも自分に自信を持ち過ぎると、横暴な態度になってしまうことにもなりかねません。
なので、何かに成功したら、「他人のおかげ!」と考えるようにしましょう。
そして、このような感謝の気持ちが生まれたら、積極的に他者にその感謝を伝えましょう。
すると、感謝をされた人たちからの評価が一気に上がり、それ以降も良好な関係を築けるようになるので。
失敗は自分のせい
文字だけ見ると、よくない表現に感じますよね?
しかし、ここで伝えたいことは「自分にできるところはなかったか?と考えましょう」ということです。
というのも、外部のせいにすると、成長できなくなるからです。
なので、一見、外部的要因と思えることも、ひとまず自分がコントロールできる範囲だったかを考えるようにしましょう。
そして、それがもしもコントロール圏内だったら、積極的に改善するのです。
変えることのできるものについて、それを変えるだけの勇気をわれらに与えたまえ。
変えられることのできないものについては、それを受け入れられる冷静さを与えたまえ。
そして、変えることのできるものと、変えることのできないものとを見分ける知恵を与えたまえ。
引用:『嫌われる勇気』
まとめ:自己奉仕バイアス
では最後にまとめましょう。
本日は、
- 自己奉仕バイアスとは
- 自己奉仕バイアスの具体例
- 自己奉仕バイアスから脱却する方法
というテーマでブログを執筆しました。
自己奉仕バイアスは、悪い言い方をすると、ものすごく自分勝手なバイアスということができます。
なぜなら、成功した時は自分のおかげと考えますが、失敗はすぐに他人のせいにするからです。
このバイアスに翻弄され続けると、あなたの成長を止め、目標達成を遠ざける結果となってしまいます。
なので、ぜひ「成功は他人のおかげ、失敗は自分のせい!」を忘れないようにしてください。