アフォーダンスとは、モノや環境が与える意味のことです。
たとえば、ドアノブ(モノ)が付いているドアがあったとする。
これにより我々は今までの経験から「このドアはノブをひねって開けるんだ!」と思考することができます。
他にも、ブログ記事の中に「>>続きはこちら」と「>>」を付けるだけで「ここをクリックすればいいんだ!」と思います。
このように、世の中は、モノがアフォード(提供)したものを、我々がピックアップ(受け取る)するという関係で成り立っているのです。
しかし、アフォーダンス理論を学ぶことで、どんなメリットがあるのでしょうか?
というわけで本日は、
- アフォーダンス理論とは
- アフォーダンス理論の具体例
- アフォーダンス理論の活用方法
というテーマでブログを執筆していこうと思います。
目次
アフォーダンス理論とは
モノや環境が与える意味のこと
アフォーダンスは、デザインの世界でよく使われる考え方になります。
アフォーダンスの提唱者
アフォーダンスは、1950年代後半にアメリカの認知心理学者ジェームス・J・ギブソン(Gibson, J. J.)により提唱されました。
※「アフォーダンス(affordance)」という単語はギブソンの造語であり、「与える・提供する」という意味を持つ「Afford」から来ているようです
ドナルド・ノーマンの功績
今でこそアフォーダンス理論は、デザインの世界で活躍するようになりましたが、元々はそうではありませんでした。
アメリカの認知心理学者ドナルド・ノーマン(Norman, D. A.)が、1988年に執筆した『誰のためのデザイン?』がきっかけとされています。
その中で、ノーマンは、デザインの中に「使いやすさ(ユーザビリティ)」という考え方を導入しました。
つまり、いくら美しく、機能性が豊かだったとしても、使いにくかったら、それは選ばれないという考え方を導入したのです。
(Windowsよりも、MacBookが選ばれるようになった理由がまさにこれ)
このように、ノーマンが打ち出したアフォーダンス理論によって、デザインの理論は、革命的とも言える変化を遂げました。
“アフォーダンス”から“シグニフィア”へ
しかし、ノーマンのアフォーダンス理論は、ギブソンが使っていた意味とは違っていたために、若干の批判を受けました。
なので、ノーマンは、自らの著書に書かれている「アフォーダンス」を誤用だとして、2011年にアフォーダンスを新たに“シグニフィア”という概念に変更しました。
- アフォーダンス=我々の知識に働きかけない
- シグニフィア=我々の知識に働きかける
たとえば、我々がトイレのマークを認識できるのは、「赤いスカートの人=女性」「黒い怒り型の人=男性」という知識が入っているからですよね?
このように、頭の中に入っている知識を引き出してくれるのがシグニフィアという考え方になります。
※もちろん、こんな違いを知る必要は全くありません
アフォーダンス理論の具体例
では、いくつか具体例をみていきましょう。
- イス
- ドアノブ
- 電車
- ゴミ箱
- 電車
例1:イス
こんな形の物があったら、それは100%イスですよね?
しかし、イスには「座っていいですよ!」なんて書かれていないのにも関わらず、我々はそれに座るという行動をとります。
なぜなら、イスがその情報をアフォード(提供)し、それを我々がピップアップ(受け取る)するからです。
例2:ドアを開ける
左のイラストはドアノブが付いているドアで、右のイラストは引き手の付いたドアです。
これら2つは、壁を隔てた一枚の厚い板になりますが、それぞれのドアは別々の情報をアフォード(提供)をしています。
そして、それを我々がピックアップ(受け取る)して、ドアを開けるという行動をとっているのです。
例3:電車に並ぶ
多くの駅には、利用者が電車に並ぶためのラインが敷かれており、そのおかげで機械的に並ぶことができています。
これは駅に敷かれてあるラインがそれをアフォード(提供)した情報を利用者がピックアップ(受け取る)しているからです。
例4:ゴミ箱
最近のゴミ箱は、何を?どこに?捨てればいいのかが一目瞭然になりました。
というのも、アフォーダンスをしっかり活用するようになったからです。
たとえば、燃えるゴミだったら「炎のマーク」が施されていたり、キャップの大きさに対応した穴になっていたり。
つまり、ゴミ箱が何を?どこに?捨てるべきかの情報をアフォード(提供)してくれているのです。
そして、我々がその情報を無意識にピックアップ(受け取る)し、ゴミ箱に対応したゴミを捨てることができているのです。
例5:動画のボタン
動画が普及した現代であれば、このボタンが何を意味するか分かりますよね?
左から、「再生ボタン」「一時停止ボタン」「リピートボタン」ですね。
それぞれのボタンは、それぞれ別々の情報をアフォード(提供)してくれています。
そのため「どれが再生ボタンだ??」なんて迷うことなく、目的のボタンを押すことができているのです。
アフォーダンス理論をマーケティングに活用する方法
- リンクを工夫する
- ボタンを工夫する
- アイコンを工夫する
※これら3つを工夫することで、※回遊率、クリック率(CTR)、成約率(CVR)などを高めることができるので、サイトを運用している人は要チェックですね
サイト内の様々なページを閲覧してもらうこと
ちなみに、回遊の反対は「離脱」です
方法1:リンクを工夫する
あなたは、下記の2つのうち、どちらのリンクをクリックしようと思いますか?
明らかに後者ですよね?
なぜなら、「➡︎」や「光」が、読者に「クリックして〜」とアフォード(提供)しているからです。
結果、読者もその情報をピックアップ(受け取る)しやすくなるので、リンクのクリック率を高めることができるのです。
方法2:ボタンを工夫する
たとえば、下記の2つのボタンだったら、どちらのボタンの方がクリックしようと思いますか?
明らかに後者ですよね?
なぜなら、黒いボタンだと本文の文字の色とかぶるので、目立たないからです。
他にも、ちょっとした工夫にはなりますが、
「➡︎」やボタンに影を入れることで、「クリックして!」という情報をアフォード(提供)することができます。
結果、クリック率などを高めることができるのです。
方法3:アイコンを工夫する
アイコンを工夫することは非常に大切です。
なぜなら、読者のストレスを大幅に軽減させることができるからです。
では、その具体例をいくつかみていきましょう。
例1:虫眼鏡アイコン
虫眼鏡のアイコンを使うことで、一瞬で検索窓だと判断させることができます。
「ここで検索するんだ!」という感じで。
しかし、中には「どこから検索すればいいんだろう?」と読者にストレスを与える設計になっているサイトもあります。
※多くのサイトの検索窓は図のようなものとなっているので問題ないとは思いますが
例2:ハンバーガーアイコン
ハンバーガーアイコンにを使うことで、一瞬で「メニューだ!」だ判断させることができます。
※左上の横3本線のアイコンがハンバーガーアイコンになります
メニューを開いてもらうことは、サイト内の回遊率をあげる上で非常に大切な要素です。
なので、文字で「メニュー」と記載するのではなく、必ずハンバーガーアイコンを使うようにしましょう。
例3:SNSの色
クリック率を上げたいのであれば、色にも気を配るようにしましょう。
たとえば、オータニのブログのトップには、YouTube、Twitter の情報が記載されているのですが、下記のような色合いになっています。
YouTube=赤、Twitter=青、というイメージってありますよね?
このように、色で情報をアフォード(提供)するのも非常に大切です。
まとめ:アフォーダンス理論
では最後にまとめましょう。
本日は、
- アフォーダンス理論とは
- アフォーダンス理論の具体例
- アフォーダンス理論の活用方法
というテーマでブログを執筆しました。
アフォーダンス理論は、消費者を誘導する上で非常に大切な理論です。
初めてアフォーダンス理論を知った人は少し理解に苦しむところもあるかもですが、一度理解できるとあなたの売上を爆増させてくれます。
なので、理解できるまで、何度も繰り返しこの記事を読むようにしましょう。