シャルパンティエ効果とは、ある対象を、視覚的イメージによって、認知してしまうという心理効果のことです。
たとえば、「1キロの綿」と「1キロの鉄アレイ」だったら、重さは同じであるにも関わらず、なんとなく鉄アレイの方を重いと感じてしまいませんか?
なぜなら、多くの人たちは「鉄アレイ」=「重い」、「綿」=「軽い」というイメージを持っているからです。
つまり、同じ重さであるにも関わらず、視覚的イメージに引っ張られて「鉄アレイ」と回答する人たちが多くなるのです。
このように、我々は、日々視覚的イメージによって印象操作を受けています。
たとえば、テレビCM、YouTube広告、コンビニ、電車、飲食店…など、あらゆる場所で印象操作を受け、そして消費させられているのです。
というわけで本日は、
- シャルパンティエ効果とは
- シャルパンティエ効果を営業に活用する方法
- シャルパンティエ効果をマーケティングに活用する方法
というテーマでブログを執筆していこうと思います。
シャルパンティエ効果とは
ある対象を、視覚的イメージによって、認知してしまうという心理効果
シャルパンティエ効果の提唱者
シャルパンティエ効果は、フランス人医師のオーグスチン・シャルパンティエが1891年に出版した『Size-weight illussion(大きさ-重さの錯覚)』で発表されました。
また、シャルパンティエ効果は、別名『シャルパンティエ-コゼレフの錯覚』とも呼ばれています。
これは、シャルパンティエ効果を検証したドイツ出身の精神分析学者コゼレフという名前から来ています。
シャルパンティエ効果の具体例
ではいくつか具体例をみていきましょう。
- たくさんのビタミン
- 割引の錯覚
- 「安い!」という錯覚
例1:たくさんのビタミン
「レモン100個分のビタミンCを配合!」なんてキャッチフレーズを目にしたことはないでしょうか?
これって別の言い方をすると、「ビタミンC2000mg配合!」なのですが、これだとビタミンCがどれくらい入っているのかイメージしにくいですよね。
だから、あえて「レモン100個分のビタミンC」と広告することで消費者に「たくさんのビタミンが入っているんだ!」と錯覚させることができるようになるのです。
これは視覚的イメージが「分量」に影響を与えた例ですね。
例2:割引の錯覚
「30%OFF!さらにレジにて10%OFF!」なんて表示を服屋などで見かけたことはありませんか?
きっと、この表示を見た多くの人たちは「ってことは40%OFFじゃん!」と感じると思うのですが、実際は37%OFFなんですよね。
- 10,000円の30%OFF=7,000円
↓ - 7,000円の10%OFF=6,300円
このように、ちょっと見せ方を変えるだけで、消費者に「お得!」と感じさせることができるようになるのです。
これは視覚的イメージが「お得感」に影響を与えた例ですね。
例3:「安い!」という錯覚
年会費12,000円の会員制コミュニティーを運営しているとする。
これを、「月額1,000円!」とか「週額250円!」と表記することで、消費者に「安い!」と感じさせることができるのです。
しかし、これをさらに、「たった本1冊の本の値段で!」とか「缶コーヒー1杯の値段で!」みたいな感じにするのもオススメです。
このように、消費者がイメージしやすいモノで代用するのはかなり効果的だと言えますね。
これは、視覚的イメージが「価格」に影響を与えた例ですね。
シャルパンティエ効果と関連のある心理学
- フレーミング効果
- 代表性ヒューリスティック
心理学1:フレーミング効果
同じ主張でも表現を変えることで、違う印象を与える心理現象
例:お笑い芸人ナイツのネタ
たとえば、漫才コンビの「ナイツ」(塙さん、土屋さん)を知っているでしょうか?
オータニは「ナイツ」のネタが大好きなのですが、彼らの漫才の中に、このフレーミング効果を使った笑いがあります。
「今年のブームと言えば何と言っても、『半沢直樹』でしたよね?
最高視聴率42,2%ですって。
すごくないですか?
だって、57,8%の人たちは、見てないってことですからね?」
- 最高視聴率42.2%
↓ - 57.8%の人たちは観ていない
これら二つは、主張は全く一緒であるのにも関わらず、表現を変えただけでこれだけ相手に与える印象が変わるわけです。
心理学2:代表性ヒューリスティック
過去の経験から、連想ゲームのように処理される現象
例:身長とスポーツ
たとえば、友達が「私の彼氏、身長180センチあるの〜」と言ってきたとする。
さらに、話を聞いていくと、どうやらスポーツをやっているそうです。
さて、彼女の彼氏はなんのスポーツをやっている可能性が高いでしょうか?
きっと、多くの人たちは「バスケットボール?」「バレーボール?」と思うでしょう。
これは、「身長が高い→バスケットボール」という連想ゲームが一瞬で行われたからです。
シャルパンティエ効果を営業、マーケティングに活用する方法
- 分かりやすいもので代用する
- ビフォアー・アフターを見せる
- 漢字を使わない
- 価格を小さくする
- 割引を2回に分ける
方法1:分かりやすいもので代用する
分かりにくいものを、分かりやすいもので代用して伝えるクセをつけるようにしましょう。
例:色々な表現
たとえば、「広さ」などを表現したいのであれば、「東京ドーム◯個分の広さ」みたいな感じで、みんなが知っているもので代用するようにしましょう。
他にも、水筒を「4トンの重さにも耐えられる!」というよりも「ゾウが踏んでも壊れない!」なんて表現した方が分かりやすいですよね。
あと、『イナバ物置』では「100人乗っても大丈夫!」というフレーズがありますが、これは屋根の強度をアッピールした斬新なものですよね。
このように、多くの人たちがイメージしやすいモノで代用して表現すると、消費につながりやすくなります。
方法2:ビフォアー・アフターを見せる
商品・サービスを伝える際、必ず「お客様のビフォアー・アフター」を伝えるようにしましょう。
なぜなら、これを伝えるだけで、視覚的イメージを膨らませることができるからです。
例:パーソナルトレーナー
たとえば、パーソナルトレーナーなどはこの手の方法をよく使います。
トレーニングを受ける前と受けた後の画像を同時に掲載して、消費者に「ここなら安心だ!」と思わせるのです。
すると、別にパーソナルトレーニングのキャリキュラムなどの細かい内容を伝えなかったとしても、契約になる可能性が高まります。
なので、特に手法などにそこまで特徴が無い場合は、「お客様のビフォアー・アフター」を積極的に使いましょう。
方法3:漢字を使わない
漢字はなるべく控えるようにしましょう。
※もちろん、例外はありますが
例:レモン100個分
たとえば、「レモン100個分のビタミンCを配合!」というキャッチフレーズを「レモン百個分のビタミンCを配合!」と表現するとどうですか?
数字を漢字で表現しただけでちょっとイメージが沸きにくくなりましたよね?
このように、「大きさ」や「重さ」などを表現する際は、漢字ではなく数字を使った方がインパクトが強くなりますので、ぜひ意識するようにしましょう。
方法4:価格を小さくする
価格を期間で割り算して、小さく見せるようにしましょう。
例:WEBサポート
たとえば、年間12万円のWEBサポートを販売しているのであれば、まずはそれを月額10,000円、週2,500円に表現を変えます。
そして、余裕があれば、それを「方法1」の要領でイメージしやすいもので代用しましょう。
たとえば、「週1回の飲み代を我慢するだけで人生を変える!」とかですね。
方法5:割引を2回に分ける
たとえば、洋服屋では「30%OFF!さらにレジにて10%OFF」と表記されていますが、多くの人たちは数字のトリックに騙され「ってことは40%OFFじゃん!」と感じてしまいます。
しかし、これはしっかり計算すると、トータルで「37%OFF」なんですよね。
このように、割引を2回に分けることで、消費者にお得感を感じさせることができるので、店舗経営などをされている方は、ぜひ使ってみてください。
ちょっと汚い手口ではありますが…
まとめ:シャルパンティエ効果
では最後にまとめましょう。
本日は、
- シャルパンティエ効果とは
- シャルパンティエ効果を営業に活用する方法
- シャルパンティエ効果をマーケティングに活用する方法
というテーマでブログを執筆しました。
シャルパンティエ効果を使うことで、消費者を錯覚させ、売上をあげることができます。
このような、ちょっとした工夫が、売上向上につながりますので、今一度あなたのトークやライティングを見直してみるようにしましょう。
必ずシャルパンティエ効果が使えるフレーズがあるはずです。