バックトラッキング(おうむ返し)とは、相手の発言をそのままの形で繰り返すコミュニケーション方法です。
たとえば、相手が、「趣味は、テニスです」と言ってきたら、ただ「テニスなんですね!」と繰り返すだけです。実は、たったこれだけのことで、相手から好意を獲得することが出来るのです。
しかし、なぜバックトラッキングをするだけで、上記のような結果を手にすることが出来るのでしょうか。
というわけで本日は、
というテーマでブログを執筆していこうと思います。
目次
バックトラッキング とは
相手の発言をそのままの形で繰り返すコミュニケーション方法
バックトラッキングは、NLP(神経言語プログラミング)で使われ、相手と潜在意識レベルで信頼関係を構築できるコミュニケーションスキルになります。
後ほど解説していきますが、バックトラッキングを行うことで、様々なメリットを享受することができます。というわけで、まずはバックトラッキングの具体例をご紹介します。
- 営業:普段、休日は何をされているんですか?
- 顧客:運動をしています
- 営業:運動されるんですね!ちなみに、どんな運動をされているんですか?
- 顧客:ウォーキングをしています
- 営業:ウォーキングをされているんですね!
バックトラッキングと脳科学
結論としては、相手が自分を理解してくれていると感じることで、自己肯定感が高まり、相手への好意や信頼を感じるためです。
具体的には、バックトラッキングを行うことで、相手の発言や行動に対して正確に理解していることを示すことができます。相手は自分の発言や行動が理解されていることを知り、自己肯定感が高まります。
さらに、自分が発言した内容に対してバックトラッキングを行ってくれる相手は、自分に対して興味や関心を持っていることを示しています。このように、バックトラッキングは相手の自己肯定感を高めるだけでなく、相手への興味や関心を示すことによって、相手から好意を得ることができると考えられます。
また、脳科学的な観点からも、相手の発言や行動を正確に理解することが、脳の「報酬系」に影響を与えることが知られています。報酬系は、自己肯定感や幸福感を調整するための脳の機能であり、相手からの好意や信頼を得ることは、報酬系を活性化することができます。
つまり、バックトラッキングを通じて相手を理解することで、相手の報酬系を刺激することができ、好意や信頼を獲得することができると考えられます。
以上のように、バックトラッキングを行うことで相手の自己肯定感を高め、報酬系を刺激することができるため、相手から好意や信頼を獲得することができると考えられます。
バックトラッキングの3つの効果
- 自己肯定感を高める
- 安心感を与える
- 深いコミュニケーションを促進する
効果1:自己肯定感を高める
バックトラッキングは、相手の発言や意図を正確に理解することで、相手の自己肯定感を高める効果があります。
相手は自分の発言や意図が正確に理解されていることを知り、つまり、「正しく情報を届けることができている!」という形で自己肯定感が高まります。
このように、相手の自己肯定感を高めることで、相手から好意や信頼を得ることができます。
効果2:安心感を与える
バックトラッキングは、相手に安心感を与えることができます。誰しも、話に耳を傾けてもらいたいものですよね。では、最悪なコミュニケーションと最良なコミュニケーションの違いをそれぞれ見ていきましょう。
最悪なコミュニケーション
最高のコミュニケーション
効果3:深いコミュニケーションを促進する
バックトラッキングを繰り返し行うことで、相手との深いコミュニケーションを促進することができます。
なぜなら、バックトラッキングを行うことで、効果の1と2で紹介した通り、相手の自己肯定感を高め、安心感を与えることが出来るからです。
それにより相手は普段共有しないような情報まで開示してくれるようになります。結果、コミットメントと一貫性の原理により、さらに強化な信頼関係を築くことが出来るようになります。
3種類のバックトラッキング
では、ここからは3種類のバックトラッキングをそれぞれ解説していきます。
- 事実バックトラッキング
- 感情バックトラッキング
- 要約バックトラッキング
種類1:事実バックトラッキング
事実バックトラッキングとは、相手の言ったことをそのままの形で繰り返すバックトラッキングのことです。ちなみに、これまで話をしてきた一番オーソドックスなバックトラッキングになります。
事実バックトラッキングの例
種類2:感情バックトラッキング
感情バックトラッキングとは、相手の感情をそのままの形で繰り返すバックトラッキングのことです。
これは、事実バックトラッキングとやることはほとんど一緒なのですが、より相手の発言に耳を傾け、そのままの形で使う必要があります。なぜなら、感情表現は特に認識にズレが生まれやすいからです。
たとえば、「イライラする」と「ムカつく」は似たような表現ではありますが、相手はこれらを別々の意味で捉えている可能性も否めません。
だから、お互いの表現に勘違いが起こらないようにするためにも、相手の感情表現をそのままの形でバックトラッキングするようにしましょう。
感情バックトラッキングの例
種類3:要約バックトラッキング
要約バックトラッキングとは、相手の長い話をまとめて繰り返すバックトラッキングのことです。
基本的に、事実バックトラッキングと変わったところはないのですが、根本的に違うのは、相手が話す量です。話し手によっては、一度に多くのメッセージを伝える人がいます。そんな時に使えるのが、要約バックトラッキングです。
ポイントとしては、よりアクティブリスニングを心がけることです。というのも、アクティブリスニングができていないと、相手の話が長尺であるが故に、その発言内容を忘れてしまい、上手くバックトラッキングが出来なくなるからです。
要約バックトラッキングの例
バックトラッキングと無限ループ話法
会話を円滑に進めるためのフレームワーク
では、ここからは、オータニが発明した無限ループ話法について解説していこうと思います。
無限ループ話法でのポイントとしては、無理に自己開示を入れる必要がないというところです。というのも、全ての発言に自己開示を入れてしまうと、不自然になってしまうからです。
なので、基本は質問とバックトラッキングをメインに扱い、余裕があれば自己開示を入れていくようにしてください。ただ、下記の例では、無限ループ話法に早く慣れてもらうために、なるべく自己開示を入れて発言をするようにしております。
※バックトラッキング=B、自己開示=Z、質問=Qと表記します
まとめ
バックトラッキングとは|好意を高める傾聴スキルを徹底解説
バックトラッキングは、は誰でも簡単に使えるコミュニケーションスキルです。
このスキルを自然と使いこなすことができれば、気づかないうちに、相手はあなたに心を開いている状態を作り出すことができるようになります。
最初は使いにくいと思ってしまうかもしれませんが、これからのコミュニケーションでぜひ意識して使っていただければと思います。
バックトラッキングとは|好意を高める傾聴スキルを徹底解説