【コミットメントと一貫性の原理(法則)】ビジネスで使える心理テクニック

コミットメントと一貫性の原理とは、約束を貫き通そうとする心理現象のことです。

 

たとえば、待ち合わせの時間に遅れたら「申し訳ない…」という感情になりますよね?

他にも、「今月は売上100万円作ります!」と大勢の前で約束をすると、なんとしてでもその目標を達成しようと思いますよね?

このように、われわれは約束したことを貫きとおそうとする本能が備わっているのです。

 

しかし、なぜこのような現象が起こるのでしょうか?

 

というわけで本日は、

本日のテーマ

  1. コミットメントと一貫性の原理とは
  2. コミットメントと一貫性の原理を営業に活用する方法
  3. コミットメントと一貫性の原理をマーケティングに活用する方法

というテーマでブログを執筆していこうと思います。

 

コミットメントと一貫性の原理(法則)とは

コミットメントと一貫性の原理

約束を貫き通そうとする心理法則

 

コミットメントとは

「コミットメント(commitment)」とは、「委託」「委任」「責任」「約束」などの意味があります。

このように、いくつかの意味合いがあるのですが、ここでは「約束」で考えた方が分かりやすいですね。

 

一貫性の原理とは

「一貫性の原理」とは、一度、思考・行動したら、それを継続しようとする原理のことです。

たとえば、ある映画を観ようとした時、前半がつまらなかったとしても、最後まで観てしまうことってありますよね?

つまり、「コミットメントと一貫性の原理」とは、ある約束をすると、その約束に矛盾しない思考・行動を取るという心理現象とも言えますね。

このように、「コミットメント」と「一貫性の原理」には密接な関係があります。

 

コミットメントと一貫性の原理の具体例

いくつか具体例をみていきましょう。

 

待ち合わせ時間に遅刻

「じゃあ明日10:00にハチ公前でねぇ〜」と約束したら、「今日は早く寝よう!」と感じますよね?

しかし、その日は携帯をダラダラ触り、テレビゲームをしてしまい、寝る時間が遅くなってしまいました。

朝起きるとすでに約束の時間の10:00。

その瞬間「うわ!やっちまった!」という罪悪感が混ざった感情になりますよね?

 

売上を公約する

「今月は絶対に売上100万円を達成します!」と営業マン全員の前で約束すると、「なんとしてでも、目標を達成しよう!」という感情を抱くかと思います。

しかし、もしも達成できなかった時は「ヤバイ、めちゃめちゃ気まずい…」という感情を抱くことにもなります。

このように、大勢の前で自分の目標を伝えることを「パブリックコミットメント」といいます。

 

歌うことで、楽しくなる

世界的心理学者ウィリアム・ジェームズは、下記のような名言を残しています。

楽しいから歌うのではない。

歌うから楽しい気分になるのだ。

 

簡単に図にするとこんな感じ

  • 歌う(行動)
  • 楽しい(態度)

このように、人間の脳は行動と一致した態度を取るようにできているのです。

別の言い方をするのであれば、

人間の脳は、行動と矛盾しない態度を取るようになるというふうにも言えます。

 

これには「認知的不協和」が深く関わっています。もしも、詳しく知りたい方は、下記の記事を参考にしてください。

関連記事

認知的不協和とは|具体例を使って分かりやすく解説

 

コミットメントと一貫性の原理はなぜ発動するのか

ではここからはコミットメントと一貫性の原理がなぜ発動するのか?について解説していきます。

  1. 思考の近道
  2. 社会的地位の維持

 

①思考の近道

ひとつ目の理由は、脳のエネルギーを節約するためです。

つまり、いちいち考えなくて済むようになるからということです。

 

たとえば、歯磨きをする時に、いちいち思考したりしないですよね?

他にも、出社する時に、乗り換える駅をいちいち意識したりしないですよね?

 

これは、脳が頻繁に取るような行動を習慣化してくれているからです。

このように、特定の行動を習慣化させる、つまり、無意識にでも取れるようになれば、いちいち思考する必要がなくなるので、脳のエネルギーを無駄に消費せずに済むわけですね。

 

②社会的地位の維持

ふたつ目の理由は、社会的地位を維持するためです。

実は、コミットメントと一貫性の原理は、命を繋ぎ止める上で欠かせない本能だったのです。

 

約束を守る=命

われわれがまだ狩猟採集民だった頃、共同体を形成することで、お互いに助け合い命を繋ぎ止めていました。

これにより、ひとりでは達成できないことをみんなで達成してきたわけですね。

たとえば、猛獣と戦ったり、武器を作ったり、食事を作ったり、子育てをしたり〜。

 

約束を破ると…

では共同体の中に、全く約束を守らないAという人物がいたとします。

 

このように、約束を守らない人がいたら、共同体はどうなるでしょうか?

最悪の場合、共同体全体が滅びてしまうかもしれませんよね。

だから、Aは共同体から追放されてしまいます。

そして、共同体から追放されたAは、ひとりで生活をしなければならなくなり、死を待つ人生を送ることになるのです・・・

 

このように、「約束を守ること」は「共同体の維持」に繋がり、逆に「約束を破ること」は「共同体の崩壊」に繋がってしまうのです。

だから、われわれは「約束を貫き通そう!」という本能を持っているのです。

“オータニ”

コミットメントと一貫性の原理は、サバンナ時代に培った生存戦略のひとつということですね

 

コミットメントと一貫性の原理の実験

ではここからは、コミットメントと一貫性の原理が、承諾率に大きな影響を与えるということを証明する実験を2つ紹介します。

  • ジョナサン・フリードマン、スコット・フレイザーの実験
  • ダニエル・ハワードの実験

 

ジョナサン・フリードマン、スコット・フレイザーの実験

1966年に、社会心理学者ジョナサン・フリードマンスコット・フレイザーがある面白い実験をしました。

 

カリフォルニア州の住民を対象に、研究員が下記のお願いをしました。

⑴「安全運転と書かれた看板を庭に立てさせてもらえませんか?」

この場合の承諾率は17%しかありませんでした。

※ちなみに、この看板は庭の景観が損なわれるくらい大きな看板です

 

しかし、この要求の2週間前に下記の要求をした結果、承諾率が4倍以上に跳ね上がったのです。

⑵「安全運転と書かれた小さなステッカーを車の窓ガラスに貼らせてもらえませんか?」

この要求を受け入れさせてから、本命である⑴の要求をした場合、承諾率76%まで跳ね上がったのです。

 

続きの実験

さらに実験は続きます。

⑴の要求の2週間前に⑴とは無関係の要求をしました。

それがこちら。

⑶「カリフォルニアを美しくという嘆願書に署名をいただけますか?」

(本命の⑴と全く関連性の無い要求です)

それから、⑴のお願いをしたところ、なんと承諾率が承諾率は46%まで上昇したのです。

 

実験の結果、面白いことに⑴のお願いの内容と⑶のお願いの内容に関係性が無くても、その承諾率は上がるということが分かりました。

つまり、「前の要求」と「次の要求」に関連性がある方が承諾率は上がりますが、もしも関係性がなかったとしても承諾率が高まるということが分かったのです。

 

ダニエル・ハワードの実験

消費者行動の研究をするダニエル・ハワードは、クッキーを使った面白い実験をしました。

 

彼はテキサス州のダラスの住民に電話で

⑴「飢餓救援教会のものがお宅までクッキーを売りに言ってもよろしいでしょうか?」

いうお願いをします。

(もちろん、そこでの売上は飢餓に苦しむ人たちに募金される旨もしっかり伝える)

この場合の承諾率は18%でした。

 

承諾率が約2倍に!?

しかし、⑴の要求をする前に、あることをすることで、先ほどの要求の承諾率を約2倍までに上昇させることに成功したのです。

 

ではどのようなことをしたのでしょうか?

それは、⑴のお願いをする前に「お元気ですか?」という質問をして、それにポジティブなレスポンス「元気だよ」「上々だよ」「まぁまぁだね」などを取り付けるというものでした。

(ちなみに、120名に電話して108名の方がポジティブなレスポンスをしてくれました)

これにより、承諾率が32%まで上昇したのです。

 

購入率は?

さらに、実際にお宅に訪問して、クッキーを購入してくれた人たちは89%までに及びました。

つまり、訪問した時、高確率でクッキーを購入してもらうことができたのです。

 

なぜこのような現象が起きたのでしょうか?

それは、最初に「元気だよ」「上々だよ」「まぁまぁだね」などのポジティブな発言を取り付けることで、「自分は恵まれている」→「人を助ける」という一貫性が働いたからです。

  • 恵まれている(発言)
  • クッキーを買う(態度)

もしも、これでクッキーを購入しなかったら、自分の発言と矛盾することになってしまいますからね。

 

動画にしました

 

コミットメントと一貫性の原理を営業に活用する方法

ではここからは、コミットメントと一貫性の原理を営業に活用する方法について解説していきます。

  1. フット・インザ・ドア
  2. イエスセット

 

①フット・インザ・ドア

フット・インザ・ドアとは、小さな承諾を積み重ねることで、本命の要求を承諾させやすくするテクニックです。

 

飛び込み営業

“オオタニ”
3分だけお時間いただけますか?(小さな要求)
お客さま
はい、大丈夫ですよ
“オオタニ”
電気料金の見直しで、お邪魔させていただいたのですが、今どちらの会社さんでご契約されていますか?
お客さま
〇〇電気ですね
“オオタニ”
そうなんですね。

もしよろしければ、電気代など月々どれくらいかかっていらっしゃるか伺ってもよろしいでしょうか?(小さな要求)

お客さま
はい、大丈夫ですよ。だいたい毎月〜

このように、「小さな承諾」を積み重ねることで、最終的に「契約」という「大きな承諾」を得ることができるのです。

だから、それまでに「小さな承諾」をコツコツ取り付けるようにしましょう。

関連記事

【フット・インザ・ドア】説得力を高める心理テクニック

 

②イエスセット

イエスセット(yes set)とは、小さなイエスを積み重ねることで、本命のイエスを取りやすくなるというテクニックです。

「イエスセット」と「フット・インザ・ドア」の違い

  • イエスセット=小さな「イエス(発言)」を取る
  • フット・インザ・ドア=小さな「承諾(行動)」を取る

なので、これらに違いはほとんどありません。

 

営業ではこう使う

具体例①
“オオタニ”
今日は良いお天気ですね
お客さま
はい、そうですね
具体例②
“オオタニ”
まとめさせていただくと、〇〇さんは今将来のお金に対する不安があるということでしょうか?
お客さま
はい、そうですね
具体例③
“オオタニ”
もしも話を聞いてみて、「欲しい」と思っていただけたら本日中にお返事をいただく形でもよろしいでしょうか?
お客さま
はい、分かりました

 

イエスセットの注意点

あまり商談中に「YES」を取ることに意識し過ぎない方がいいでしょう。

というのも、イエスセットのことばかりを考えていると、商談に集中できなくなるからです。

だから、イエスセットはある特定の場面で使うようにしましょう。

もしも、その特定の場面について詳しく知りたい方は、下記のイエスセットの記事を参考にしてもらえればと思います。

関連記事

【イエスセット(yes set)】話法を完全攻略!〜究極の営業スキル〜

 

コミットメントと一貫性の原理をマーケティングに活用する方法

ではここからは、コミットメントと一貫性の原理をマーケティングに活用する方法について解説していきます。

  1. フット・インザ・ドア
  2. イエスセット

※営業と一緒です

 

①フット・インザ・ドア

※フット・インザ・ドアの説明は前述しましたので、割愛させていただきます

ここでは下記の2つについて解説します。

  1. 無料のお試し
  2. 誘導ページ

 

⑴無料お試し

「無料のお試し」を導入している化粧品会社をみたことはありませんか?

きっと「これってなんの意味があるの?赤字にならないの?」と疑問を持っている人も少なくないと思うのですが、実はこれはかなり効果的なマーケティング戦略なんですよね。

 

化粧品の戦略

たとえば、消費者が、ある化粧品を「無料お試し」という言葉に釣られ、購入したとする。

そして、無料のお試しの期間が過ぎたタイミングで、会社は「無料のお試し」の際に取得した電話番号に電話をかけます。

すると、消費者は、「無料のお試し」で承諾しているため、実際に化粧品を購入する確率が高くなるのです。

これには、「保有効果」「返報性の原理」という心理法則も働いていますが、フット・インザ・ドアもかなり大きな影響を与えています。

 

⑵誘導ページ

ある対象に登録した後は、その直後の別の対象にも登録しやすくなります。

たとえば、「メルマガ」に登録した後に、「セミナー」のページに飛んだという経験をしたことはないでしょうか?

これは、フット・インザ・ドアを使ったテクニックになります。

 

特に「メルマガ」でよく使われるのですが、

もしも、あなたが販売している商品があれば、使用しているメルマガスタンドで設定しておくようにしましょう。

オータニも昔メルマガをしていたのですが、その時は「メルマガ登録→オンラインサロンページ」というプロセスでした。

 

②イエスセット

※イエスセットの説明は前述しましたので、割愛させていただきます

 

コピーライティングで使う

ブログ・メルマガ ・SNSなどのコピーライティングで主に使われます。

※YouTubeとかでも使える

 

ではどのようにコピーライティングでイエスセットを使うのでしょうか?

その方法は、下記の2つです。

  1. 問題提起
  2. 文中に質問を入れる

 

⑴問題提起

ブログの冒頭のライティングは「問題提起」からスタートするようにしましょう。

なぜなら、これにより、それ以降の内容を読んでもらいやすくなるからです。

 

たとえば、下記のような感じです。

  • 「夏が近づいてきたけど、なかなかダイエットに手を付けられない…」なんて悩みを抱えていませんか?
  • 「ブログを毎日更新しているけど、なかなかPV数が増えない…」なんて悩みを抱えていませんか?

 

このように、心の中で「YES」を取るようなライティングをすると、読者はそれと矛盾しない行動を取りやすくなります。

 

こんな感じ

  • 「夏が近づいてきたけど、なかなかダイエットに手を付けられない…」なんて悩みを抱えていませんか?

    無料のダイエットプログラムを試しに使ってみる
  • 「ブログを毎日更新しているけど、なかなかPV数が増えない…」なんて悩みを抱えていませんか?

    ブログを攻略するPDFを手に入れる

 

もしも、問題提起についてさらに詳しく知りたい方は、下記の記事を参考にしてください。

関連記事

【PASONA(パソナ)の法則】人の行動を操るフレームワーク

 

⑵文中に質問を入れる

問題提起の部分意外にも、イエス取りをする質問をちょこちょこ入れていきましょう。

たとえば、下記のような感じです。

  • あなたも「できれば努力することなく、痩せたい!」なんて思いませんか?
  • あなたにも「なんで努力が報われないんだ!」って憤慨した経験があるのではないでしょうか?

 

もちろん、何度も何度もこのような質問を入れるとクドクなってしまうので、程々に入れるようにしましょう。

 

まとめ:コミットメントと一貫性の原理

では最後にまとめましょう。

本日は、

本日のテーマ

  1. コミットメントと一貫性の原理とは
  2. コミットメントと一貫性の原理を営業に活用する方法
  3. コミットメントと一貫性の原理をマーケティングに活用する方法

というテーマでブログを執筆しました。

 

コミットメントと一貫性の原理は、ものすごく影響力のあるテクニックと言えるでしょう。

なぜなら、人間の本能に突き刺すテクニックだからです。

コミットメントと一貫性の原理は、仕事、交友、恋愛、全てに使うことができるので、あなたの生活に合わせて、効果的に使っていきましょう。

 

もしも、その他の心理テクニックについて知りたい方は、下記の記事も参考にしてもらえればと思います。

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