アンダーマイニング効果|やる気を奪う心理学

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“オオタニ”
本日は、アンダーマイニング効果についてお伝えします!

 

アンダーマイニング効果|やる気を奪う心理学

アンダーマイニング効果とは、内発的動機付けで行われていたことに、物質的・金銭的報酬などの外発的動機付けをすると、やる気を失ってしまう心理現象です。

たとえば、

勉強が大好きな子供に対して「宿題が完成したら、ケーキを上げるね!」と報酬を与えるようになると、勉強に対するやる気が低下するようになるのです。

外発的動機付け・内発的動機付け

では、外発的動機付けと内発的動機付けの具体例をお伝えします。

 

外発的動機付け

外発的動機付けとは、外部から与えられる「受動的」な動機付けです。

  • ボーナスアップのために、仕事を頑張る
  • お母さんに褒められるために、勉強をする
  • 尊敬している人に「本を読め!」と言われたので、本を読む

 

内発的動機付け

内発的動機付けとは、内部から自発的に沸き起こる「能動的」な動機付けです。

  • 勉強が大好きだから、勉強する!
  • とにかくサッカーがやりたい!
  • 世界を旅したいので、ブログとYouTubeを頑張る!

 

アンダーマイニング効果の論文

心理学者リチャード・ニスベットは、3歳から5歳までの未就学児を対象にある面白い実験を行いました。

それは、未就学児がマーカーペンや他のおもちゃを使って遊ぶ回数と時間を観察するというものでした。

 

その際、未就学児を2つのグループを分けます。

  1. マーカーペンで上手に絵が描けたらご褒美をあげると伝える
  2. 何も言わなかった

 

その結果、①は②よりも長時間マーカーペンを使って遊んでいたことが分かりました。

そしてさらに、数週間後、マーカーペンに対する未就学児の反応を調べたのですが、

  1. は、ご褒美がないと全くマーカーペンに興味を示さなくなった
  2. は、前回と同じく自発的にマーカーペンで遊んでいた

という結果となたのです。

 

報酬はやる気を奪う

なぜ内発的動機付けによって行われていた行為が、外発的動機付けに変わった瞬間にやる気がなくなってしまったのでしょうか?

 

それは、「自律性」が奪われてしまったからです。

「自律性」とは、「選択したい」という自由への欲求のことです。

コロンビア大学の教授シーナ・アイエンガーは、名著『選択の科学』にて、自律性と幸福感には相関関係があると言っています

 

つまり、「自分で選択したい!」という欲求が、外発的動機付けにより損なわれてしまい、やる気を下げてしまったのです。

参考図書

 

内発的動機付けは成果が出やすい

実は、外発的動機付けよりも、内発的動機付けによる行動の方が、成果を上げる可能性が高いということが分かっています。

 

減量

たとえば、

肥満の人の減量を取り上げた研究では、スタッフの人たちが自律性を尊重してくれると感じた被験者の方が、

スタッフに管理されていると感じた被験者と比べて体重を多く減らし、定期的にエクササイズを行い、その後の追跡調査でも、体重を維持していることが分かりました。

 

社会的成功

他にも、

自らに選択権があり、人生は自分で切り開くものだと考える人ほど、モチベーションが高く、成功しやすいという研究もあります。

※研究を取り上げたら、キリがないくらいです

 

つまり、人は外発的動機付けにより、選択の自由が奪われていると感じると、成果を上げることが困難になるということですね。

選択権を与えよ

ではどのようにすれば、他者のやる気を高めることができるようになるのでしょうか?

それは、他者に選択権を与えることです。

人は、自らの手で選択しているという感覚を与えるだけで、やる気が高まることが分かっています。

 

選択権とやる気

心理学者のダイアナ・コルドヴァは、子供(小学3年生〜高校生)の選択の感覚に関する実験を行いました。

コルドヴァは、生徒たちにSFをテーマにしたパソコン用の算数学習ゲームを与えました。

このゲームは、算数式を解く順番を学ぶためのものです。

たとえば、「6+4×5=?」のような問題です。(4×5から解きますよね?)

 

そして、子供たちを2つのグループに分けました。

  1. 学習内容を何も選択できない
  2. 学習内容を選択できる

(自分を表すアイコンを4つの中から選択可能、宇宙船に好きな名前を付けることが可能)

 

実験の結果、②の子供たちの方が、ゲームを楽しみ、休み時間にもプレーを続ける傾向がありました。

さらに、その後の算数のテストでも、成績を向上させることができたのです。

選択対象が学習内容とは、無関係であったにも関わらず、ですよ?

 

選択の感覚を与えることで、自律性の欲求が満たされ、内発的動機づけが高まり、大きな成果を上げることが出来たと考えられますね。

 

エンハンシング効果|やる気を高める心理学

エンハンシング効果とは、言語的報酬を与えることで、やる気を高める心理現象のことです。

たとえば、

「毎日、ブログを執筆し続けることができるなんてすごいね!」と言われると、やる気が高まったりします。

ちなみに、これは外発的動機付けになりますが、物質的・金銭的報酬ではないので、問題無し

言語的報酬

言語的報酬を、さらに分かりやすく解説します。

  • すごいね!
  • 尊敬する!
  • 真似できない!

他にもたくさんありますが、これらが言語的報酬になります。

簡単に言うと、褒めればOKです。

これらの賞賛の言葉を浴びせることにより、相手はやる気を高めてくれるようになるのです。

 

エンハンシング効果の論文

1925年、アメリカの発達心理学者のエリザベス・B・ハーロックは、

賞罰(褒めること・叱ること)が児童の学習にどのような影響を与えるのかについて調べました。

 

被験者の小学生(9〜11歳)は全員同じ教室内で、算数のテストを5日間行うのですが、

出す問題やテスト時間などの条件は一緒で、小学生を3つのグループに分け、前日の回答を渡す際に、それぞれ別々の言葉をかけました。

  1. 点数に関係なく、できたところだけ褒める
  2. 点数に関係なく、できていないところを叱る
  3. 何も言わない

 

結果は

  1. 日を追うごとに、成績が向上し、最終日には71%も成績が伸びた
  2. 2日目には成績が20%向上するが、それ以降は低下する傾向があった
  3. 2日目には成績が5%向上するが、それ以降ほとんど変化はなかった

 

この実験により、

褒めることは、学習効果を促進するということが分かりました。

叱ることも、最初は学習効果を促進させるものの、持続性がなりようですね。

 

承認欲求を刺激する

ではなぜ、言語的報酬によりやる気を高めることが出来るのでしょうか?

それは人間の根源的欲求である承認欲求を刺激するからです。

承認欲求とは、他者に認められたいと思う欲求のことです。

 

たとえば、

勉強が嫌いな子供が、勉強を続けることが出来るのは「親に褒められたいから」ということは少なくありません。

他にも、

ブログやYouTubeを継続的に、頑張ることが出来るのは「多くの人たちに認められたいから」ということも多々あります。

 

このように、人は承認欲求を満たすために、行動することが多々あるのです。

ちなみに、アドラー心理学ではこの承認欲求による行動を否定しています

褒めるコツ

ではここからは、相手のやる気を効果的に高める褒める時のポイントについて解説して行こうと思います。

結論から言うと下記の3つです。

  1. 行動(努力)を褒める
  2. 関係性
  3. 不定期に褒める

それぞれ詳しく解説して行きます。

 

①行動(努力)を褒める

相手の能力(結果)を褒めるのではなく、行動(努力)を褒めることが大切になります。

これは、名著マインドセット「やればできる! 」の研究を書いたスタンフォード大学の心理学者キャロル・S・ドゥエックの研究で分かっています。

 

さらに、行動(努力)を褒めることで、下記の3つの効果が期待出来ることも分かりました。

  1. 難易度の高いことにチャレンジするようになる
  2. 粘り強くなる
  3. 成績が向上する

 

②関係性

褒める時には、褒める側と褒められる側の関係性も大切だったりします。

たとえば、ちょー極端ですが、

  1. 通りすがりの人
  2. 尊敬している上司

どちらの人に褒められた方がモチベーションが上がりますか?

きっとほとんどの人は②を選択するのではないでしょうか?

つまり、褒められたいと思っている人から褒められることで、やる気を高めることが出来るということです。

 

③不定期に褒める

いつも褒めるのではなく、不定期に褒めることが大切だったりします。

なぜなら、人間は同じ刺激を何度も受けると、慣れてしまうからです。

 

たとえば、毎日、毎日大好きなステーキを食べ続けていたら、飽きてしまうわけです。

たまに食べるステーキが最高に美味しいわけですよ。

 

だから、いつも褒めるのではなく、ルールを決めて褒めるようにしましょう。

たとえば、小さなタスクでは褒めず、大きなタスクをクリアした場合のみ、褒めるみたいな感じです。

 

心理テクニック

本日の記事はこれで終わりますが、

その他にも営業やマーケティングで使えそうな心理テクニックを知りたいという方は

下記の記事も参考にしてみてください。

営業スキル

【完全版】トップ営業マンが使うスキル38選を大公開!【必見】

2019年2月19日

 

そして、さらに本日の参考図書もご紹介しておきます。

努力なんて、誰でもできる――。

コロンビア大学心理学博士が、科学の最新の知見をもとに、あなたの常識を次々とひっくり返す! 目標を「成し遂げる」方法を説く。

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