エンハンシング効果とは|他者の“やる気”を高める心理学

エンハンシング効果とは、言語的な外発的動機付けにより、内発的動機付けが強化される心理現象のことです。

たとえば、子供に「しっかり勉強して本当に偉いね!」と褒めることで、能動的に勉強するようになったりします。

このように、われわれは、ある特定の行為を褒められることで、やる気が高まることがあります。

しかし、なぜこのような現象が起きるのでしょうか?

というわけで本日は、

本日のテーマ
  1. エンハンシング効果とは
  2. エンハンシング効果の具体例
  3. エンハンシング効果を効果的に活用する方法

というテーマでブログを執筆していこうと思います。

エンハンシング効果とは

エンハンシング効果

言語的な外発的動機付けにより、内発的動機付けが強化される心理現象

「enhance」には「高める」という意味があり、「内発的動機付けを強化する」という意味合いで使われています

エンハンシング効果の具体例

ではいくつか具体例を見ていきましょう。

例1:お母さん

お母さんから「自主的に勉強するなんて本当に偉いわね!」なんて言われると、「これからも頑張ろう!」と思えますよね?

例2:友達

友達から「毎日、ブログを執筆し続けることができるなんてすごいね!」と言われると、嬉しい気持ちになり、やる気が高まりますよね?

例3:営業

営業でいつもよりも高い成績を取ることができ、上司から「いや、本当にいつもありがとう!」なんて言われると、

「これからも頑張ろう!よし!来月はもっと売上を上げるぞ!」と思えますよね?

外発的動機付け・内発的動機付け

では、ここからは「外発的動機付け」と「内発的動機付け」についてそれぞれ詳しく解説していきます。

外発的動機付け

外発的動機付けとは、外部から与えられる「受動的」な動機付けです。

たとえば
  • ボーナスアップのために、仕事を頑張る
  • お母さんに怒られないために、勉強をする
  • 尊敬している人に「本を読め!」と言われたので、本を読む

内発的動機付け

内発的動機付けとは、内部から自発的に沸き起こる「能動的」な動機付けです。

たとえば
  • 楽しいからゲームをやる!
  • 興味関心があるから、心理学について調べる!
  • 心が穏やかになるから、ボランティア活動をする!

エンハンシング効果の実験

1925年にアメリカの発達心理学者のエリザベス・B・ハーロックは、賞罰(褒めること・叱ること)が児童の学習にどのような影響を与えるのかについて調べました。

実験:エリザベス・B・ハーロック

被験者の小学生(9〜11歳)は全員同じ教室内で、算数のテストを5日間行うのですが、

出す問題やテスト時間などの条件は一緒で、小学生を3つのグループに分け、前日の回答を渡す際に、それぞれ別々の言葉をかけました。

3つのグループ
  1. 点数に関係なく、できたところだけ褒める
  2. 点数に関係なく、できていないところを叱る
  3. 何も言わない

そして、それぞれのグループのテストの点数の変化を観察しました。

実験の結果

実験の結果
  1. 日を追うごとに、成績が向上し、最終日には71%も成績が伸びた
  2. 2日目には成績が20%向上するが、それ以降は低下する傾向があった
  3. 2日目には成績が5%向上するが、それ以降ほとんど変化はなかった

この実験により、褒めることは、学習効果を促進するということが分かりました。

叱ることも、最初は学習効果を促進させるものの、持続性がないようですね。

エンハンシング効果はなぜ発動するのか

では、エンハンシング効果がなぜ発動してしまうのでしょうか?

結論:承認欲求が刺激されるから

承認欲求

他者から認められたいという欲求

褒められたい!→やる気⤴︎

たとえば、勉強が嫌いな子供が、勉強を続けることが出来るのは「親に褒められたい」という理由であることは少なくありません。

他にも、ブログやYouTubeを継続的に、頑張ることが出来るのは「多くの人たちに認められたいから」ということも多々あります。

このように、承認欲求は、動機付けとして非常に効果的であると言えます。

言語的報酬

言語的報酬とは、下記のような言葉のことです。

言語的報酬
  • すごいね!
  • 尊敬する!
  • 真似できない!

もちろん、他にもたくさんありますが、結論を言うと褒めればOKです。

これらの賞賛の言葉を浴びせることにより、相手はやる気を高めてくれるようになるのです。

もちろん、ただ褒めればいいわけではありませんが。

それに関しては後ほど解説します

エンハンシング効果とアンダーマイニング効果

ではここからは、エンハンシング効果と関連のあるアンダーマイニング効果について解説していきます。

アンダーマイニング効果

アンダーマイニング効果

内発的動機付けで行われていたことに、物質的・金銭的報酬などの外発的動機を与えると、やる気を失ってしまうという心理現象

例:勉強

たとえば、親に「勉強しなさい!」と言わて、やる気を失ってしまった経験はありませんか?

エンハンシング効果との違い

2つの違い
  • エンハンシング効果→やる気を高める
  • アンダーマイニング効果→やる気を奪う

エンハンシング効果もアンダーマイニング効果も外発的動機付けと点では一緒です。

しかし、やる気を奪うのか?やる気を高めるのか?という点では大きな違いがあります。

動画にしました

エンハンシング効果で内発的動機付けを強化するポイント

ではここからは、相手のやる気を効果的に高める褒める時のポイントについて解説して行こうと思います。

3つのポイント
  1. 行動(努力)を褒める
  2. 関係性
  3. 不定期に褒める

ポイント1.行動(努力)を褒める

相手の能力(結果)を褒めるのではなく、行動(努力)を褒めるようにしましょう。

実験:キャロル・S・ドゥエック

スタンフォード大学の心理学者キャロル・S・ドゥエックは、思春期初期の子供たち数百人を対象にした実験を行いました。

手順1

まず生徒全員に、非言語式知能検査というかなり難しい問題を10問解かせます。

案の定、検査の結果は、ほとんどの生徒はまずまずの成果となりました。

手順2

検査が終わった後、実験者は生徒に褒め言葉をかけるのですが、その際、生徒を2つのグループに分けます。

2つのグループ
  1. 能力を褒めたグループ
  2. 努力を褒めたグループ

そして、それぞれのグループの変化を観察しました。

実験の結果

チャレンジ力UP

その後、さらに別の問題を選ばせるのですが、①能力を褒められた生徒は、新しい問題にチャレンジするのを避ける傾向にありました。

自分の無能さを露呈させる結果になる可能性があるからですね

一方、②努力を褒められた生徒の9割はが新しい問題にチャレンジする方を選んだのです。

楽しさUP

さらに、①能力を褒められた生徒は、問題が上手く解けたあとは楽しいと感じたが、難問を出されたあとは、面白くないと答えるようになりました。

一方、②努力を褒められた生徒は、難問を出されても嫌になったりせず、むしろ難しい問題の方が楽しいと答えるようになったのです。

成績UP

最後に、①能力を褒められた生徒の能力がガクンと落ち、スタート時よりもさらに成績が落ちてしまいました。

一方、②努力を褒められた生徒の出来はどんどん良くなりったのです。

キャロル・S・ドゥエック『マインドセット』

ポイント2.関係性

褒める時には、褒める側と褒められる側の関係性も考えるようにしましょう。

例:誰に褒められるか?

たとえば、ちょー極端ですが、どちらの人に褒められた方がやる気が高まりますか?

二人の人物
  1. 通りすがりの人
  2. 尊敬している上司

きっと、ほとんどの人は②を選択しますよね。

このように、褒められたいと思っている人から褒められることで、やる気を高めることが出来るのです。

ポイント3.不定期に褒める

いつも褒めるのではなく、不定期に褒めるようにしましょう。

なぜなら、人間は同じ刺激を何度も受けると、慣れてしまうからです。

例:ステーキ

たとえば、毎日、毎日大好きなステーキを食べ続けていたら、飽きてしまいます。

やっぱり、たまに食べるステーキが最高に美味しいわけですよ。

ポイント:ルールを設定する

だから、いつも褒めるのではなく、ルールを決めて褒めるようにしましょう。

たとえば、小さなタスクでは褒めず、大きなタスクをクリアした場合のみ褒めるみたいな感じです。

他にも、「数字」を基準にして褒めるのもアリですね。

たとえば、「課題が10個終わったら・・・・・・・褒める」みたいな感じです。

おすすめ図書:心理学

まとめ:エンハンシング効果

では最後にまとめましょう。

本日は、

本日のテーマ
  1. エンハンシング効果とは
  2. エンハンシング効果の具体例
  3. エンハンシング効果を効果的に活用する方法

というテーマでブログを執筆しました。

相手のやる気をコントロールすることは、相手をコントロールすることにもつながります。

なので、今後はエンハンシング効果を意識した戦略を取るようにしましょう。

もしも、「外発的動機付け」による、やる気の高め方についても詳しく知りたい方は、下記の記事を参考にしてもらえればと思います。

アンダーマイニング効果とは|やる気を奪う意外な心理学

➡︎質問は公式LINEからどうぞ
➡︎質問は公式LINEからどうぞ