ツァイガルニク効果とは、未完了のものが想起されやすくなるという心理現象のことです。
たとえば、アニメを観ている途中で「続きはCMのあと!」なんて言われると、続きが気になって仕方がなくなりますよね?
このように、われわれには、未完了のものが思い出されやすくなるという性質があります。
しかし、なぜこのような現象が起こるのでしょうか?
というわけで本日は、
- ツァイガルニク効果とは
- ツァイガルニク効果を営業に活用する方法
- ツァイガルニク効果をマーケティングに活用する方法
- ツァイガルニク効果を仕事に活用する方法
- ツァイガルニク効果をストレス解消に活用する方法
というテーマでブログを執筆していこうと思います。
目次
ツァイガルニク効果とは

未完了のものが想起されやすくなるという心理現象
※「想起」とは「思い出すこと」です
ツァイガルニク効果の由来
ツァイガルニク効果は、旧ソビエト連邦の心理学者ブルーマ・ツァイガルニクにより提唱されました。
ツァイガルニクは、ドイツのゲシュタルト心理学者のクルト・レヴァンの下記の仮説を受けて実験を行いました。
人は欲求によって目標思考的に行動するとき緊張感が生じ持続するが、目標が達成されると緊張感は解消する
※後ほどお伝えする実験によって、それが証明されました
ツァイガルニク効果の具体例
ではいくつか具体例をみていきましょう。
例1:いいところで終わるドラマ
ドラマって基本モヤモヤした感覚を残して終わりますよね?
これにより視聴者を「続きが気になる!!!」と思わせ、継続的にドラマを視聴してもらうことができるようになるのです。
他にも、テレビ番組の途中でCMが入るのも、全く同じですね。
誰でも一度は、番組の途中でCMが入り「早く続きをみせろよ!」と荒ぶれたことがあるのではないでしょうか?
例2:テスト後
あなたは、1週間後に開始される「英単語」のテスト勉強をしているとします。
テストまでの期間は、テストに出題される英単語をしっかり覚えているでしょう。
しかし、テストが終わったらどうでしょうか?
きっと、ほとんどの英単語を忘れてしまいますよね。
このように、テストが未完了の状態では英単語を覚えることができているのですが、テストが達成されてしまったら英単語を忘れてしまうわけです。
例3:途中で終わるやりとり
あなたは、ある好きな男性とLINEでやりとりをしているとします。
徐々に仲良くなってきたため、勇気を出して「次、どこにいきます?」というデートの誘いをかけます。
しかし、そこから丸1日返信がありませんでした。
あなたは「え、どうしたんだろう?」と不安になると同時に、彼のことが気になってしかたがなくなります。
なぜなら、やりとりが未完了だからです。
結果、それがさらに燃え上がる愛へと変貌を遂げるのです。
ツァイガルニク効果はなぜ発動するのか

しかし、なぜツァイガルニク効果という現象が起こるのでしょうか?
結論:心理的リアクタンス
自由を制限されると、それを取り戻そうとする心理現象
例:「この章は絶対に読まないで!」
さて、あなたは今この章を読んでいますか?
きっと、読んでいるでしょう。なぜなら、オータニがあなたの自由を制限したからです。
つまり、オータニが、あなたの「読む」という行動の自由を制限したことにより、それを無意識レベルで取り戻そうとしたのです。
自由の制限→気になる
このように、自由を制限されると、その対象に注意が向くようになります。
結果、それが気になってしかたがなくなるのです。
- 自由を制限される
↓ - 注意が向く
↓ - 気になってしかたがなくなる
ツァイガルニク効果の実験


では、ツァイガルニク効果を証明した実験を紹介します。
実験:ブルーマ・ツァイガルニク
手順1
被験者に簡単な作業を複数行わせるのですが、その際、被験者を2つのグループに分けます。
- 最後まで課題を完了させてから、次の課題に取り組ませる
- 作業の途中で、次の課題に取り組ませる
手順2
次に、全ての課題が終わってから、
それぞれの被験者に「先ほどやった課題にはどんなものがありましたか?」と課題の内容について質問をしました。
実験の結果
結果、②は①と比べて2倍近く課題の内容を思い出すことができたのです。
別の実験
他にも知覚実験として、「完成した図形」と「未完成の図形」のどちらの方が記憶に残りやすいか?ということを調べました。
実験の結果
結果、「未完成の図」の方が印象・記憶が強く残るということが分かりました。
このように、我々は未完了のものが想起されやすく、さらに記憶にも残りやすいということが分かりました。
ツァイガルニク効果を営業に活用する方法


- 商談を途中で切り上げる
- 興味付け
方法1.商談を途中で切り上げる
商談はキリの悪いところで切り上げるようにしましょう。
なぜなら、商談が途中で終わると、その続きが気になるようになるからです。
例:営業トーク
たとえば、下記のような感じで、次の商談につなげましょう。
「続きなのですが、本日は私の時間の関係で、最後までお話することができないので、
今週どこかでまたお会いできればと思うのですが、◯日と×日のどちらがご都合よろしいでしょうか?」
ポイント:二択クロージング
次の商談を取り付ける時は、「○日と×日のどちらがご都合よろしいでしょうか?」と質問するようにしましょう。
なぜなら、二択で質問をした方が、次の接触確率を高めることができるからです。
たとえば、異性をデートに誘う時に、
「デートにいきませんか?」と誘うよりも、「ディナーかランチに行きませんか?」と誘った方がデートに漕ぎ着けることができる可能性は高くなります。
もしも、二択クロージングについて詳しく知りたい方は、『誤前提暗示とは|「YES」の確率を高める説得術』を参考にしてください。
心理学:ザイアンス効果(単純接触効果)
接触回数を重ねるごとに、好意を感じるという心理現象
商談を分けることで、接触回数を増やすことができるので、顧客から好意を獲得することもできます。
なので、ザイアンス効果(単純接触効果)の影響を最大化するためにも、ツァイガルニク効果を積極的に使っていきましょう。
方法2.興味付け
質問を投げかけることで、興味を持たせるテクニック
しっかり話を聞いてもらいたいのであれば、相手に質問を投げかけるようにしましょう。
というのも、人は質問をされると、そこへ注意が向いてしまう性質があるからです。
たとえば、「出身はどちらですか?」と質問されたら、「あ!応えないと!」と反射的に思ってしまいませんか?
例:営業トーク
「相手に興味を持たせる方法ってなんだと思いますか?」
答え:質問
「売れる営業マンの平均クロージング回数ってどれくらいだと思いますか?」
答え:5回
「即決の契約を取り付けるための、たった1つの方法ってなんだと思いますか?」
答え:約束を取り付ける
もしも、興味付けのコツについて詳しく知りたい方は、『興味付けとは|興味を引き出す3つの質問話法』を参考にしてください。
ツァイガルニク効果をマーケティングに活用する方法


- 問題提起からスタートする
- ペイウォールを作る
方法1.問題提起からスタートする
想定読者が抱える問題を提示すること
↓
ブログを最後まで読んでもらいたい…
こんな悩みを抱えていないでしょうか?
他にも、通販番組やYouTube広告などは、問題提起からスタートしています。
このように、問題提起からスタートすると「その解決策を知りたい!」と思わせ、文章を最後まで読んでもらえる可能性が高まります。
もしも、問題提起の作り方について詳しく知りたい方は、『【PASONA(パソナ)の法則】人の行動を操るフレームワーク』を参考にしてもらえればと思います。
方法2.ペイウォールを作る
「ここまでは無料ですが、続きは有料で〜」ってやつ
例:ブログ
ペイウォールは、ブログや有料noteなどでよく使われます。
他にも、メンタリストDaiGoさんは、「続きはニコ生で!」みたいな感じで、有料会員に飛ばしたりしています。
なので、情報を途中まで提供して、完全版を会員制のサービスで伝えるというのもアリですね。
動画にしました
ツァイガルニク効果を仕事に活用する方法


ではここからは、ツァイガルニク効果を仕事に活用する方法について解説します。
方法.ポモドーロ・テクニック
「25分の集中」+「5分の休憩」を繰り返すメソッド
「集中力を持続させたい…」
「すぐに集中力が切れてしまう…」
こんな悩みを持っていないでしょうか?
そんな時は、ポモドーロ・テクニックを使いましょう。
ポイント:25分で終了!
どんなにキリが悪いところでも、25分が経過したら、タスクを終えるようにしましょう。
すると、ツァイガルニク効果により「続きがやりたい!!!」という状態を作り出すことができるようになります。
重要:長持ちしない集中力…
そもそも、人間の集中力はそう長く持つようにできていません。
なぜなら、われわれがまだサバンナで生活をしていた時代は、
特定の対象に集中するよりも、注意が散漫になっていた方が命を繋ぎ止めることができたからです。
なので、「集中力がない…」と苦しむことは有りません。
「そもそも、集中できない生き物なんだ!」と開き直るようにしましょう。
ツァイガルニク効果をストレス解消に活用する


ではここからは、ツァイガルニク効果をストレス解消に活用する方法について解説します。
方法.仕事を溜めない
快眠できない…
ストレスがすごい…
こんな悩みを持ってはいませんか?
そんな時は、なるべく仕事を溜めないようにしましょう。
仕事が残る→想起される
なぜなら、1日で仕事が片付かないと、それが想起されやすい状態になるからです。
だから、寝ようとしても頭から離れなくなってしまい、快眠が困難になってしまいます。
終わらない場合は…
仮に、毎日仕事が片付かないようであれば、そもそも1日の仕事量が多い可能性があるので、調整するようにしましょう。
かなりの仕事を押し付けてくる会社であれば、転職することをオススメします
▼おすすめ図書:心理学▼
まとめ:ツァイガルニク効果
では最後にまとめましょう。
本日は、
- ツァイガルニク効果とは
- ツァイガルニク効果を営業に活用する方法
- ツァイガルニク効果をマーケティングに活用する方法
- ツァイガルニク効果を仕事に活用する方法
- ツァイガルニク効果をストレス解消に活用する方法
というテーマでブログを執筆しました。
ツァイガルニク効果は、営業、マーケティング、仕事、ストレス解消 など、様々な分野で活躍する心理テクです。
なので、この記事を何度も読んで理解し、あなたの人生をポジティブ色にしていきましょう。
もしも、その他の心理テクニックについて知りたい方は、下記の記事なども参考にしてもらえればと思います。