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内集団バイアスとは|信頼レベルを爆上げする心理学

内集団バイアスとは、自分のグループに属している人を無意識のうちにひいきしてしまうという心理傾向のことです。

たとえば、野球で同じ「巨人」ファンの人に対してなぜか好意を感じたりすることがあります。しかし、相手が「阪神」ファンだった場合、敵意を向けることがあります。このように、我々は、無意識のうちに自分の集団内にいると感じた相手をひいきし、集団外にいる人を差別するという性質があります。

しかし、なぜこのような現象が起きてしまうのでしょうか。本記事では、内集団バイアスの心理的メカニズム、またそれを営業やマーケティングに活用する方法を紹介します。

というわけで本日は、

本日のテーマ

内集団バイアスとは|信頼レベルを爆上げする心理学

というテーマでブログを執筆していこうと思います。

内集団バイアスとは

内集団バイアス

自分のグループに属している人を無意識のうちにひいきしてしまうという心理傾向

  • 内集団=自分が属していると感じるグループ
  • 外集団=自分が含まれていないと感じるグループ

内集団バイアス(in-group bias)とは、人々が自分たちの所属する集団(内集団)のメンバーを好む傾向や、外部の集団(外集団)のメンバーに対して偏見を持つ心理的な現象です。このバイアスは、人々が自分たちのアイデンティティを形成し、社会的なつながりを築く上で重要な役割を果たしています。しかし、内集団バイアスは、差別や排他的な行動、ステレオタイプの形成にもつながるため、注意が必要です。

内集団バイアスは、人間の進化の過程で生じた社会的なメカニズムであると考えられており、自分たちの集団を支持し、保護することで生存や繁栄に寄与するとされています。ただし、このバイアスが過剰になると、他の集団に対する偏見や差別を引き起こすことがあるため、その影響に注意が必要です。

内集団バイアスの具体例

では、いくつか具体例を見ていきましょう。

  1. スポーツチームのファン
  2. 職場環境
  3. 宗教団体

事例1:スポーツチームのファン

  • 内集団:自分が応援するチームのファン
  • 外集団:他のチームのファン

スポーツチームのファンは、自分たちが応援するチーム(内集団)に対して熱烈な支持を示し、同じチームのファン同士で連帯感を持ちます。一方で、他のチーム(外集団)やそのファンに対しては、競争相手として敵意を抱くことがあります。

事例2:職場環境

  • 内集団:自分が所属する部署やチームのメンバー
  • 外集団:他の部署やチームのメンバー

職場では、自分の部署やチーム(内集団)のメンバーと協力し、連帯感を持つことが一般的です。しかし、他の部署やチーム(外集団)との競争が激しい場合、内集団バイアスが強くなり、外集団に対する偏見や否定的な態度が生じることがあります。

事例3:宗教団体

  • 内集団:自分が信仰する宗教の信者
  • 外集団:他の宗教の信者

宗教団体では、同じ宗教(内集団)の信者同士で絆や共感を持ちます。一方、他の宗教(外集団)の信者に対しては、信仰の違いから不信感や偏見を持つことがあります。

内集団バイアスはなぜ発動するのか

進化心理学では、内集団バイアスが発動する理由は、人間の進化の過程で生じた社会的なメカニズムに基づいていると考えられています。以下に、進化心理学的な観点から内集団バイアスが発動する理由を分かりやすく説明します。

  1. 生存と繁栄のための協力関係
  2. 信頼関係の構築
  3. 集団のアイデンティティの確立

理由1:生存と繁栄のための協力関係

過去の狩猟採集社会では、人々は生存と繁栄のために協力し合う必要がありました。同じ集団のメンバーと協力することで、食糧を共有し、外敵から身を守ることができました。そのため、内集団のメンバーに対して好意的な態度を持ち、彼らと協力することが適応的な行動であったとされています。

理由2:信頼関係の構築

同じ集団のメンバーと信頼関係を築くことは、情報交換や援助を得るために重要でした。内集団バイアスは、集団内での信頼関係を強化し、社会的なつながりを維持する役割を果たしています。

理由3:集団のアイデンティティの確立

集団のアイデンティティを形成し、維持することは、集団の結束力を高め、協力や支援を促す効果があります。内集団バイアスは、自分たちの所属する集団に対する帰属意識を強化し、集団のアイデンティティを確立する役割を果たしています。

内集団バイアスの実験

内集団バイアスの有名な実験の1つに、ミニマル・グループ・パラダイム(Minimal Group Paradigm)があります。この実験は、1971年に社会心理学者のヘンリ・タージフェル(Henri Tajfel)によって初めて行われました。

ミニマル・グループ・パラダイムの実験では、個人が完全に無意味で恣意的な基準に基づいて2つのグループに分けられます。以下に、実験の詳細を説明します。

  1. 実験参加者は、ある画家の絵画作品を評価するというタスクに参加するよう指示されます。参加者は、無意味な基準(例:画家Aが好きか画家Bが好きか)に基づいて2つのグループに分けられます。このグループ分けは、参加者同士が互いに知らないように行われ、参加者は自分以外のメンバーの評価結果も知らされません。
  2. グループ分けが終わった後、参加者は報酬分配タスクに取り組むよう指示されます。このタスクでは、参加者は自分と他の参加者に報酬(例:ポイントやお金)を分配する決定を行います。ただし、参加者は、自分や他の参加者がどのグループに属しているかがわかるようになっています。
  3. 実験の結果、参加者は自分が属するグループ(内集団)のメンバーに対して報酬をより多く分配する傾向がありました。この結果は、内集団バイアスが無意味で恣意的な基準に基づいて作られたグループに対しても発動することを示しています。

ミニマル・グループ・パラダイムの実験は、内集団バイアスが非常に強力な社会的なメカニズムであることを示しており、その後の研究でも様々な文化や年齢層の参加者で同様の結果が得られています。この実験は、人間がどのような状況下でも内集団と外集団を識別し、内集団に対して好意的な態度を持ちやすいことを示しています。

内集団バイアスを営業に活用する方法

では、ここからは内集団バイアスを営業に活用する方法をいくつか紹介します。

  1. 共通の趣味や興味を見つける
  2. 特別な内集団に属させる
  3. 口コミや推薦を活用する

方法1:共通の趣味や興味を見つける

営業担当者は、顧客と自分の間に共通の趣味や興味を見つけることで、内集団と外集団の境界を曖昧にし、顧客との距離を縮めることができます。

たとえば、営業担当者が、顧客のオフィスに飾られているスポーツチームのグッズに気づき、自分もそのチームのファンであることをアピールする。この共通の趣味を通じて、顧客は営業担当者を内集団の一員として認識し、信頼感や好意が生まれることで、営業の成功率が向上する可能性があります。

方法2:特別な内集団に属させる

営業担当者は、顧客に対して、自分たちの商品やサービスを利用することで、特別な内集団に属すると感じさせることが重要です。

たとえば、営業担当者が、顧客に「当社のサービスを利用することで、業界内で最先端の技術を活用している先進的な企業の仲間入りを果たすことができます」とアピールする。顧客は、その特別な内集団に属することを望み、サービスの購入に前向きになる可能性があります。

方法3:口コミや推薦を活用する

営業担当者は、顧客の友人や知人からの口コミや推薦を活用することで、内集団バイアスを利用することができます。

たとえば、営業担当者が、顧客に「あなたの友人である〇〇さんも当社の商品を愛用しており、大変満足しているとお聞きしました」と伝える。顧客は、友人がすでに商品を使用していることを知り、自分もその内集団に加わりたいと感じることで、購入意欲が高まる可能性があります。

内集団バイアスをマーケティングに活用する方法

では、ここからは内集団バイアスをマーケティングに活用する方法をいくつか紹介します。

  1. ブランドコミュニティの構築
  2. 限定商品や会員特典の提供
  3. インフルエンサーマーケティング

方法1:ブランドコミュニティの構築

企業は、顧客が共通の興味や価値観を持つ仲間とつながり、自分たちのブランドに関する情報や経験を共有できるブランドコミュニティを構築することで、内集団バイアスを利用できます。

たとえば、ハーレーダビッドソンは、オーナーやファンが集まり、情報交換やイベント参加ができるコミュニティ「ハーレーダビッドソン・オーナーズ・グループ」を設立しています。メンバーは、ブランドに対する帰属感を強化し、他のオーナーやファンとのつながりを大切にすることで、ブランドロイヤリティが向上しています。

方法2:限定商品や会員特典の提供

企業は、限定商品や会員特典を提供することで、顧客に特別な内集団に属すると感じさせ、内集団バイアスを活用できます。

たとえば、スターバックスは、スターバックスカード会員向けに、限定メニューや先行予約サービス、特別なプロモーションを提供しています。これにより、会員は特別な内集団の一員であると感じ、ブランドへの愛着やロイヤリティが高まります。

方法3:インフルエンサーマーケティング

企業は、インフルエンサーや有名人が自社製品を使用・推奨することで、そのフォロワーやファンが内集団に属することを望み、製品の購入意欲を高めることができます。

たとえば、アディダスは、サッカー選手のリオネル・メッシを起用し、彼がアディダス製のサッカーシューズを着用していることをアピールしています。メッシのファンは、彼と同じシューズを履くことで内集団に属すると感じ、アディダスの商品に対する魅力が高まります。

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まとめ

本日のテーマ

内集団バイアスとは|信頼レベルを爆上げする心理学

内集団バイアスは営業・マーケティングに活用しない理由はありません。

なぜなら、読者があなたのことを内集団の人間だと感じれば、機械的にあなたに信頼を寄せるようになる最強の心理法則だからです。ぜひ、今回紹介した方法を活用し、あなたの販売活動に繋げるようにしましょう。

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