カクテルパーティー効果とは、自分に関係のある音声情報だけが処理されるという心理現象です。
たとえば、騒音の中でも友達と会話することができたりしますよね?
このように、我々は自分にとって必要な音声情報だけがしっかり処理することができるようにできているわけです。
しかし、なぜこのような現象が起きるのでしょうか?
というわけで本日は、
- カクテルパーティー効果とは
- カクテルパーティー効果の具体例
- カクテルパーティー効果を営業に活用する方法
- カクテルパーティー効果をマーケティングに活用する方法
というテーマでブログを執筆していこうと思います。
目次
カクテルパーティー効果とは

自分に関係のある音声情報だけが処理されるという心理現象
カクテルパーティー効果の由来
カクテルパーティー効果は、1953年に心理学者のコリン・チェリー氏により提唱されました。
騒がしい酒場でも、自分の名前が呼ばれたら反応したり、友達との会話がしっかり聞き取れるというところから来ています。
カクテルパーティー効果の具体例
ではいくつか具体例をみていきましょう。
例1:自分の名前
人がたくさんいる中華街などの中でも、自分の名前(自分に関係ある情報)が呼ばれると、ついついそちらに注意が向いてしまいますよね?
オータニの場合だと「オータニが〜」とどこかで聞こえたら、うるさい環境であっても、なぜか聞き分けることができるんですよね。
例2:恋愛
異性があなたに興味があるかないかは、あることをすればすぐに分かります。
あなたに興味がある時は、あなたの話(自分に関係ある情報)にめちゃめちゃ集中しますが、興味が無い場合はそこまで注意が向かないので「え?今なんて言った?」という状態が続きます。
つまり、あなたの話に注意が向いていないということは、あなたに興味関心がない証拠だということが言えるわけです。
例3:電車で居眠り
仕事に疲れて電車で眠ってしまったします。
しかし、電車内に「次は渋谷〜渋谷(自分に関係ある情報)」と自分が住む駅名(自分に関係ある情報)が鳴り響けば飛び起きることができますよね?
例4:営業コンサル
オータニは営業コンサルティングをしているのですが、カフェなどで仕事をしていると、隣の席で営業マンが商談(自分と関係のある情報)していることがあります。
すると、隣の席の話が気になってしまうのです。
なので、全く仕事に集中できなくなります。笑
例5:話を聞いてもらいたい時
たとえば、「ねぇねぇ〜聞いてよぉ〜」というのではなく、「〇〇ちゃん〜ちょっと聞いてよ〜」の方が集中して話を聞いてくれるようになります。
カクテルパーティー効果はなぜ発動するのか

しかし、なぜカクテルパーティー効果なんていう現象が起きてしまうのでしょうか?
結論:脳がパンクしてしまうから
もしも、脳が全ての情報に注意が向いていたら、脳がパンクしてしまうからです。
だから、脳は「選択的注意」といって、「必要な情報」だけを処理し「不必要な情報」をシャットアウトするようにできているのです。
例:読書
たとえば、読書中に下記の情報が全て知覚できてしまうと、読書に集中できないですよね?
- 身体に触れる服
- ページをめくる指先
- 店内に微かに鳴り響く音楽
- 周りの人たちの会話
このように、「選択的注意」のおかげで、われわれは脳のパンクを防ぎ、特定の行動に集中できるようになっているのです。
ちなみに、これは音声だけではなく、五感全てに同じような現象が起こります。
カクテルパーティー効果とカラーバス効果
では、ここからはカクテルパーティー効果と非常に関連性の高いカラーバス効果について解説して行きます。
カラーバス効果
自分に関係のある視覚情報だけが処理されるという心理効果
これもカクテルパーティー効果と同じで「選択的注意」による現象です
実験:ハーバード大学
1999年にハーバード大学の研究室で作成された動画を使った有名な実験を紹介します。
手順
まず、被験者に上記の動画を見てもらい、白チームがどれくらいボールをパスしたか?ということを数えてもらいました。
本当の目的
しかし、実験の目的は別のところにありました。
実は、動画の中盤でゴリラの着ぐるみを着た人が、正々堂々と画面を横切るのですが、被験者がそれに気づくか?を調べるといった内容だったのです。
実験の結果
実験の結果、パスの数を数えていた被験者の多くはゴリラの存在に気づかず、数を数えていない被験者はゴリラの存在を一人も見逃すことはありませんでした。
このように、音声情報だけではなく、視覚情報でも「選択的注意」が発動することですね。
カクテルパーティー効果の実験

カクテルパーティー効果の提唱者である心理学者コリン・チェリーの実験を紹介します。
実験1.コリン・チェリー
ヘッドホンのようなものを使って、被験者の左右の耳に別々の話(音声)を流し、片方の話に集中するように指示します。
そして、別々の音声をどれくらい理解しているか?を調べました。
実験の結果
結果、被験者は集中するように指示された話はしっかり理解していましたが、別の話に関しては、全く理解をしていなかったのです。
つまり、「選択的注意」が行われていたということですね
続きの実験
先ほどの実験と内容はほとんど変わらないのですが、
次の実験では、注意するように指示されていない話(音声)に被験者の名前をいれるようにします。
その時、どれくらいの被験者が、名前入りの音声を理解しているか?を調べました。
実験の結果、被験者は、名前を入れた話(注意するように指示されていない話)の方をしっかり理解していたのです。
なぜなら、名前を入れることで、そちらに注意が向いてしまったからです。
実験2.イギリスの医師
イギリスでは、診療予約のすっぽかしによる経済被害がかなり大きいようです。
そこで、医師たちは、ある工夫をしました。
それは、診療予約を念押しする携帯メールの文面に患者のファーストネームを入れるというものです。
実験の結果
結果、すっぽかしを57%も減らすことができました。
この実験で面白いのは、フルネーム(ジョン・スミス様)や敬称(スミス様)を入れても全く効果がなかったというところです。
つまり、日本であれば、名前を入れることですっぽかしを減らすことができるようになるということですね。
※「オータニ」の場合は「ユーキ」
カクテルパーティー効果を営業に活用する方法

ではここからは、カクテルパーティー効果を営業に活用する方法について解説します。
方法.名前を呼ぶ
とにかく、相手の名前を呼ぶようにしましょう。
なぜなら、名前を呼ぶことで、集中して話を聞いてもらえるようになるからです。
例:質問
- ×:毎月、どれくらい契約が取れているんですか?
- ◯:〜さんは、毎月どれくらい契約が取れているんですか?
社会的報酬
実は、相手の名前を呼ぶ行為は「社会的報酬」と言われており、相手にプレゼントを送っているのと同じ効果があると言われています。
つまり、名前を呼ぶことで、報酬を与えることになるので、そこに返報性の原理が生じ、相手も好意でお返しをしてくれるようになるのです。
悩み:なかなか名前を覚えられない…
こんな悩みを抱えている人もいるでしょう。
しかし、これもあることをするだけで、解決することができます。
結論、とにかく相手の名前を呼びましょう。
なぜなら、人はアウトプットした情報が記憶に強化されるようにできているからです。
つまり、名前を覚えるのが得意な人は、よく人の名前を呼ぶ習慣があるという特徴があると言えますね。
カクテルパーティー効果をマーケティングに活用する方法

ではここからは、カクテルパーティー効果をマーケティングに活用する方法について解説します。
方法.関係があると思わせる
「これって私のこと?」と思わせることが大切になります。
たとえば、ブログでは、自ゴトだと思わせることができれば、精読率を上げることができます。
動画だと視聴者に
でも、「私のこと!?」と思わせるためには、何をすればいいの?
結論:問題提起
読者が抱えているであろう問題を提示すること
たとえば、「〇〇な悩みを持っていませんか?」「〇〇と思ったことはありませんか?」みたいなものですね。
このような読者の抱える心理的悩み・願望に関する質問を投げかけることで、一気に興味を引かせることが可能になります。
もしも、問題提起からの文章構成について知りたい方は、『PASONA(パソナ)の法則とは|人の行動を操るフレームワーク』参考にしてください。
▼おすすめ図書:心理学▼
まとめ:カクテルパーティー効果
では最後にまとめましょう。
本日は、
- カクテルパーティー効果とは
- カクテルパーティー効果の具体例
- カクテルパーティー効果を営業に活用する方法
- カクテルパーティー効果をマーケティングに活用する方法
というテーマでブログを執筆しました。
カクテルパーティー効果はシンプルですが、使っていない人が非常に多い心理テクニックです。
なので、本日お伝えした「名前を呼ぶ」「問題提起」は必ず使うようにしましょう。
もしも、その他の心理テクニックについて知りたい方は、下記の記事なども参考にしてもらえればと思います。