ベネフィットってなに?
メリットとの違いは?
営業・マーケティングでどうやって使うの?
こんな疑問を持っていないでしょうか?
ベネフィットの定義を明確化し、メリットとの違いを知ることで、販売を有利に進めることができます。
なぜなら、ベネフィットとメリットは全く別物だからです。
これらをゴチャゴチャにした状態で、販売活動を行ったとしても、売れるようにはなりません。
なので、「売上を上げたい!」と思っている人は、必ずこれらの意味の違いを理解するようにしましょう。
というわけで本日は、
- ベネフィットとは
- ベネフィットの具体例
- ベネフィットとメリットの違い
- ベネフィットを営業に活用する方法
- ベネフィットをマーケティングに活用する方法
というテーマでブログを執筆していこうと思います。
\\現代広告の心理技術101//
目次
ベネフィットとは
商品・サービスを購入した後の恩恵
ベネフィットは、英語で「利益」「便益」「恩恵」などの意味合いがあります。
消費者は商品・サービスそのものではなく、それから得られる「恩恵」を欲しているのです。
ベネフィットは、営業でもよく使われますが、マーケティングから来た用語になります。
ベネフィットの具体例
では、ベネフィットをよりよく理解してもらうための具体例をいくつか紹介しますね。
例1.ドリル
では、マーケティングで有名な話をしましょう。
Q.ドリルを買いに来た人が欲しいものってなんだと思いますか?
ここで「ドリル!」と答えた人は要注意ですよ?
答えは、「穴を空けるという結果」です。
なので、仮に消費者が「木に穴を空けたい」と思っているのであれば、高いドリルを提案するよりも、安いキリを提案した方が喜ばれるわけです。
例2.ゴルフクラブ
Q.ドライバーを買いに来た人が欲しいと思っているものはなんでしょうか?
答えは、「ボールを高く飛ばすという結果」です。
(もちろん、クラブの種類によって求める結果は違います)
例3.化粧品
Q.化粧品を買いに来た人が欲しいと思っているものはなんでしょうか?
答えは、いくつかに別れるでしょう。
- きれいに見られるという結果
- 人と正々堂々と話せるようになるという結果
- 自分に自信が持てるようになるという結果
このように、ベネフィットは人によって違うこともあります。
2種類のベネフィット
ベネフィットは大きく分けると2つ存在します。
- ファンクショナル(機能的)・ベネフィット
- エモーショナル(感情的)・ベネフィット
ファンクショナル・ベネフィット
機能にフォーカスした恩恵
「機能性・利便性・効率性」などは、ファンクショナル・ベネフィットとなります。
例:会計ソフト
たとえば、会計データなどをクラウド化することで、データが一元化できるようになり、仕事の生産性向上に繋がるなどがそうですね。
エモーショナル・ベネフィット
感情にフォーカスした恩恵
「優越感・幸福感・ワクワク感・安心感・支配感」などはエモーショナル・ベネフィットとなります。
例:ゴルフクラブ
たとえば、ゴルフクラブ(ドライバー)を購入することで、飛躍的にボールを高く飛ばすことができ、優越感に浸るなどがそうですね。
ベネフィットをより理解する
人が誰しも持っている欲求を8つにまとめた概念
生命の8つの躍動(Life-Force8)の提唱者
生命の8つの躍動(Life-Force8)は、アメリカのダイレクトレスポンス広告業界の第一人者であるドルー・エリック・ホイットマンにより提唱されたものです。
この8つの躍動は、ベネフィットとなることが多々あるので、必ず目を通しておくようにしましょう。
もしも、生命の8つの躍動(Life-Force8)について詳しく知りたい方は、彼の書籍『現代広告の心理技術101』を参考にしてください。
生命の8つの躍動(Life-Force8)とは
- 生き残り、人生を楽しみ、長生きしたい
- 食べ物、飲み物を味わいたい
- 恐怖、痛み、危険を免れたい
- 性的に交わりたい
- 快適に暮らしたい
- 他人に勝り、世の中に後れを取りたくない
- 愛する人を気遣い、守りたい
- 社会的に認められたい
以下は、『現代広告の心理技術101』の引用になります
欲求1:生き残り、人生を楽しみ、長生きしたい
我々は、例外なく「生きたい!」という生存本能を持っています。
昨今では自らの命を絶つ人たちも存在しますが、何か相当悪いことがない限り、我々は「生きたい!」と感じる生き物です。
欲求2:食べ物、飲み物を味わいたい
「食べたい!飲みたい!」というのも人間の本能と言えるでしょう。
しかし、これはただ栄養を摂取したいということではなく、「味わう」というところがポイントです。
いくら栄養価が高いと言えども、まずかったら食べたい、飲みたいと思わないですからね。
欲求3:恐怖、痛み、危険を免れたい
恐怖や痛みが伴う場所にずっと居続けたいとは思わないですよね?
たとえば、“お化け屋敷”にずっといたいとは思わないでしょう。
他にも、“いじめを受けている職場”に居続けたいとも思わないですよね?
欲求4:性的に交わりたい
我々は、「セックスをしたい!」と思う生き物です。
これは、子孫繁栄を狙った本能と言えるでしょう。
なので、我々はマッチングアプリなどを使って「なんとしても異性と交わりたい!」と思います。
中には、セックスができるのであれば、高級なお金を支払うなんてこともありますよね。
欲求5:快適に暮らしたい
お風呂がなく、騒音だらけで、ゴキブリがたくさん出現するところで暮らしたいなんて思わないですよね?
なぜなら、快適ではないからです。
このように、我々は、最低限の快適さを求めるという本能があります。
欲求6:他人に勝り、世の中に後れを取りたくない
我々はどうしても、他者と比べてしまう生き物です。
たとえば、「〇〇よりも足が遅い」「〇〇よりも稼いでいない」「〇〇よりもモテない」などですね。
このように、我々は本能的に劣等感を持っていて、それを克服できるのであれば、お金を支払うという傾向があります。
欲求7:愛する人を気遣い、守りたい
あなたには、彼女、奥さん、子供、仲間いずれかがいますか?
きっと、彼らに何かあれば、協力し、守りたいと思うでしょう。
このように、我々は、大切な人を守りたいという本能があります。
欲求8:社会的に認められたい
我々は、他者に「すごいね!」と言われたい生き物です。
そのため、「私はすごいんだぞ!」というアピールをします。
たとえば、ブランド物のバックを見せびらかしたり、過去の自慢話をするのは、この典型例ですね。
このような欲求を承認欲求といいます。
ベネフィットとメリットの違い
ベネフィットの話をすると必ず聞かれるのが「メリットと何が違うんですか?」という質問です。
というわけで、これ以降ではこれらの違いについて解説していきます。
メリットとベネフィット
- メリット=商品・サービスが持つ特徴や強み
- ベネフィット=メリットから得られる恩恵
簡単に言うと、メリットの上位互換がベネフィットです。
メリットとベネフィットの具体例
では、それぞれを明確に理解するための具体例をみていきましょう。
例1.ゴルフクラブ
- メリット:〜という素材でできている
- ベネフィット:ボールを高く飛ばすという結果
〜という素材でできているというメリットによって、ボールを高く飛ばすというベネフィットを感じることができます。
例2.化粧品
- メリット=〜という成分が入っている
- ベネフィット=キレイになる
〜という成分が入っているというメリットによって、キレイになるというベネフィットを感じることができます。
例3.ワイヤレスの掃除機
- メリット=コードがない
- ベネフィット=ストレスなく掃除ができる
コードがないという特徴によって、ストレスなく掃除ができるというベネフィットを感じることができます。
売れるベネフィット
では、ここからは「このベネフィットを提示すれば高確率で売れる!」というベネフィットを紹介しようと思います。
結論:人間関係のベネフィットは売れる
なぜなら、全ての悩み・幸福は人間関係が源泉になっているからです。
これは、アドラー心理学の『対人関係論』という考え方になります。
つまり、人間関係の願望・悩みこそが本質なのです。
例1.健康
たとえば、肌が荒れていることに悩みを抱えているとする。
しかし、これは人間関係による悩みに還元されます。
たとえば、「肌が荒れることで、好きな〇〇君に嫌われてしまう…」という悩みになります。
例2.目標達成
たとえば、営業の成績に悩みを抱えているとする。
しかし、これも人間関係による悩みに還元されます。
たとえば、「今月も目標を達成しないと、同僚たちにばかにされてしまう…」という悩みになります。
例3.お金
たとえば、薄給に悩みを抱えているとする。
しかし、これも人間関係による悩みに還元されます。
たとえば、「同世代と比べると、給料が少ない…」という劣等感に関連した悩みになります。
ベネフィットを営業に活用する方法
ではここからは、ベネフィットを使ってどう提案すればいいのか?というところを解説していきます。
結論:願望・悩みを深掘りする
なぜなら、願望や悩みを深掘りすることで、最終的に人間関係の願望・悩みにたどり着くことができるからです。
例:売れるようになりたい
たとえば、「営業で売れるようになりたい…」という願望を持った営業マンがいたとする。
そこで、「なぜ?」という質問をぶつけて見ましょう。
すると、人間関係のベネフィットを引っ張り出すことができます。
真の理由
たとえば、「上司から怒られたくないからです…」「もっと周りから翔さんされたいんです!!!」など。
もしも、1回の「なぜ?」で人間関係のベネフィットを引き出すことができなければ、さらに「なぜ?」を繰り返すようにしましょう。
「なぜ?」の質問を繰り返していると、いつか必ず人間関係のベネフィットにたどり着くことができます。
(だいたい2~3の質問でたどり着けることがほとんど)
ポイント:ベネフィットは十人十色
「売れるようになりたい…」という願望を持っている人でも、その動機は様々です。
- 上司から怒られたくな!
- 同僚から称賛されたい!
- 家族を安心させたい!
なので、しっかりヒアリングをして、提案がズレないようにしましょう。
なぜなら、提案がずれてしまうと、プレゼン移行率や契約率が大きく低下してしまうからです。
もしも、ヒアリングのコツについて詳しく知りたい方は、『【SPIN話法】ヒアリング力を強化する最強のフレームワーク』を参考にしてください。
ベネフィットをマーケティングに活用する方法
ではここからは、ベネフィットをどうマーケティングに活用するのか?というところを解説していきます。
結論:ペルソナを作る
想定購入客のこと
商品・サービスを届けるターゲット像を具体的にすることで、消費者に刺さるマーケティングを行うことができるようになります。
ペルソナを設計する際は、下記の要素を明確にするようにしましょう。
名前、性別、年齢、家族構成、住居地、職業、年収、趣味、休日の過ごし方、チャレンジしていること、検索ワード、悩み、願望
もしも、ペルソナマーケティングについての理解を深めたい方は、『ペルソナとは|作り方やマーケティングでの使い方を解説』を参考にしてください。
例:化粧品
たとえば、ペルソナを「お肌をきれいにしてモテたい22歳の女性」と設計したとする。
(本来はもっと絞り込みます)
この条件で広告を打つのであれば、下記のようなコピーなるでしょう。
肌荒れブスから卒業!!!キレイな肌から素敵な彼氏を作る!!!
このように、ペルソナを設計することで、ベネフィットも明確になります。
なので、マーケティングを行う際は、ペルソナの設計を忘れないようにしましょう。
\\現代広告の心理技術101//
まとめ:ベネフィットとは
では最後にまとめましょう。
本日は、
- ベネフィットとは
- ベネフィットの具体例
- ベネフィットとメリットの違い
- ベネフィットを営業に活用する方法
- ベネフィットをマーケティングに活用する方法
というテーマでブログを執筆しました。
ベネフィットとメリットの区別はしっかりつけておきましょう。
なぜなら、メリットばかりを提案しても、売れないからです。しかし、ベネフィットを提案することができれば、契約率は飛躍的に向上します。
なので、ぜひこの記事を何度も繰り返し読んで、メリットとベネフィットの違いを明確にするようにしましょう。