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オープンクエスチョンとクローズドクエスチョン:違いと効果的な使い方

オータニ

現代社会では、ビジネスや教育、日常生活でさまざまなシーンで質問が活用されていますが、その質問の種類や効果的な使い方を十分に理解しているでしょうか?

質問は主にオープンクエスチョンとクローズドクエスチョンの二つに分類されます。

オープンクエスチョンは回答者が自由に意見を述べる質問であり、クローズドクエスチョンは選択肢から答えを選ぶ質問です。これらの違いを理解し、適切な使い方を身につけることで、効果的なコミュニケーションが可能になります。

本記事では、「オープンクエスチョンとクローズドクエスチョン:違いと効果的な使い方」を初心者にも分かりやすく解説し、効果的な質問の設計方法を提供します。

オープンクエスチョンとクローズドクエスチョンの概要

オープンクエスチョンとクローズドクエスチョンは、質問のタイプの一つで、どちらも日常のコミュニケーションや問題解決などで頻繁に使われます。

後ほど、それぞれの質問を明確に定義していきますが、ここでは簡単な定義を紹介しておきますね。

  • オープンクエスチョンは、答えが自由形式である質問
  • クローズドクエスチョンは、選択肢から答えを選ぶ質問

この記事では、オープンクエスチョンとクローズドクエスチョンの違い、利点、欠点、適切な使い方について説明し、効果的な質問の設計方法を提供します。

オープンクエスチョン

オープンクエスチョン

回答者が自由に意見や感想を述べることができる質問

具体的な回答が求められるため、回答者の考えや経験を深く理解することができます。では、1つ事例を見ていきましょう。下記のAさんがBさんに対して行う質問は全てオープンクエスチョンになります。

  • Aさん:最近の仕事はどんな感じですか?
  • Bさん:プロジェクトが忙しくて、毎日残業が続いています。
  • Aさん:そのプロジェクトで一番大変な部分は何ですか?
  • Bさん:データを分析するのに時間がかかり、締め切りに間に合わせるのが難しいです。
  • Aさん:データ分析の過程で、何か新しい発見はありましたか?
  • Bさん:実は、顧客の購買傾向に意外なパターンが見つかりました。
  • Aさん:それは興味深いですね。そのパターンを活用すると、どのような改善が期待できますか?
  • Bさん:マーケティング戦略に取り入れることで、より効果的なターゲティングが可能になりそうです。

オープンクエスチョンの利点

では、オープンクエスチョンには、どのような利点があるのでしょうか。

  1. 回答者の意見や感想を詳細に把握できる
  2. 新たなアイデアや視点を得られる
  3. 回答者が話す機会を提供し、関係を築く

利点1:回答者の意見や感想を詳細に把握できる

  • Aさん:この新しい製品について、どのような感想を持ちましたか?
  • Bさん:デザインがとても魅力的だと感じました。特に、色の組み合わせが独特で目を引きます。

この例では、Aさんがオープンクエスチョンを使ってBさんの感想を詳細に把握しています。

利点2:新たなアイデアや視点を得られる

  • Aさん:今後のプロジェクトで改善できる点は何だと思いますか?
  • Bさん:コミュニケーションツールを導入することで、メンバー間の情報共有がスムーズになり、効率が向上すると思います。

この例では、Aさんがオープンクエスチョンを用いてBさんから新たなアイデアを得ています。

利点3:回答者が話す機会を提供し、関係を築く

  • Aさん:最近の休日はどのように過ごしていますか?
  • Bさん:家族と一緒に遠出して、アウトドア活動を楽しんでいます。特にキャンプがお気に入りです。

この例では、Aさんがオープンクエスチョンを使ってBさんに話す機会を提供し、お互いの趣味や家族について理解し合い、関係を築くことができます。

オープンクエスチョンの欠点

では、オープンクエスチョンには、どのような欠点があるのでしょうか。

  1. 回答に時間がかかることがある
  2. 分析や集計が難しい
  3. 回答が主観的で比較が難しい

欠点1:回答に時間がかかることがある

  • Aさん:この映画のストーリーや登場人物についてどのように感じましたか?
  • Bさん:えーと、まずストーリーは…あのシーンが印象的で…登場人物も…うーん、ちょっと時間がかかりそうですが…

この例では、Aさんがオープンクエスチョンを使ってBさんに質問をしていますが、Bさんは答えるのに時間がかかるため、会話がスムーズに進みません。なので、オープンクエスチョンをあまりにも連発してしまうと、相手にストレスを与えてしまうことにつながります。

欠点2:分析や集計が難しい

  • Aさん:100人のアンケート回答者から、この製品についてどのような意見が寄せられましたか?
  • Bさん:それぞれの回答者から様々な意見が寄せられていて、全てを分類して集計するのが難しいです。

この例では、Aさんがオープンクエスチョンを使ったアンケートを実施していますが、Bさんは分析や集計が難しいと説明しています。これは会話の中での欠点ではなく、主にマーケティングにおける欠点ですね。

欠点3:回答が主観的で比較が難しい

  • Aさん:お店Aとお店B、どちらのサービスが良かったと感じますか?
  • Bさん:お店Aではスタッフの対応が丁寧でしたが、お店Bでは料理が美味しかったので、どちらが良いか比較するのが難しいです。

この例では、Aさんがオープンクエスチョンを使ってBさんに質問をしていますが、Bさんは回答が主観的で比較が難しいと述べています。

クローズドクエスチョン

クローズドクエスチョン

回答者が選択肢から答えを選ぶ質問

選択肢が限定されているため、回答を集計しやすく、簡潔な回答が得られます。では、1つ事例を見ていきましょう。下記のAさんがBさんに対して行う質問は全てクローズドクエスチョンになります。

  • Aさん:今日の昼食は、寿司とラーメン、どちらがいいですか?
  • Bさん:ラーメンがいいですね。
  • Aさん:スパイシーなラーメンが好きですか?
  • Bさん:はい、大好きです。
  • Aさん:ラーメン屋で、普段はどのくらいの辛さを選びますか? 1~5のうち、どれくらいですか?
  • Bさん:私は3くらいの辛さがちょうどいいです。

クローズドクエスチョンの利点

では、クローズドクエスチョンには、どのような利点があるのでしょうか。

  1. 回答が簡潔で、すぐに得られる
  2. 分析や集計が容易
  3. 比較がしやすい

利点1:回答が簡潔で、すぐに得られる

  • Aさん:昨日の天気は晴れでしたか?
  • Bさん:はい、晴れでした。

この例では、Aさんがクローズドクエスチョンを使ってBさんに質問し、Bさんは簡潔で明確な回答をすぐに提供しています。

利点2:分析や集計が容易

  • Aさん:100人のアンケート回答者のうち、どれくらいの割合が新製品に満足していましたか?
  • Bさん:満足していると回答した人が70%でした。

この例では、Aさんがクローズドクエスチョンを使ったアンケートを実施し、Bさんは分析や集計が容易にできた結果を報告しています。

利点3:比較がしやすい

  • Aさん:あなたはコーヒーと紅茶、どちらが好きですか?
  • Bさん:コーヒーの方が好きです。

この例では、Aさんがクローズドクエスチョンを使ってBさんに質問し、Bさんは2つの選択肢を比較して好みを明確に伝えています。

クローズドクエスチョンの欠点

では、クローズドクエスチョンには、どのような欠点があるのでしょうか。

  1. 回答者の意見や感想が詳細にわからない
  2. 新たなアイデアや視点が得られない
  3. 回答者の発言機会が限られる

欠点1:回答者の意見や感想が詳細にわからない

  • Aさん:この映画は面白かったですか?
  • Bさん:はい、面白かったです。

この例では、Aさんがクローズドクエスチョンを使ってBさんに質問していますが、Bさんの回答から具体的な感想や詳細な情報が得られません。

欠点2:新たなアイデアや視点が得られない

  • Aさん:今後のプロジェクトで、オフィス内のコミュニケーションを改善するために、オンラインツールを導入すべきだと思いますか?
  • Bさん:はい、そう思います。

この例では、Aさんがクローズドクエスチョンを用いてBさんに質問していますが、Bさんの回答から新たなアイデアや視点は得られません。

欠点3:回答者の発言機会が限られる

  • Aさん:あなたは普段、電車で通勤していますか?
  • Bさん:はい、そうです。

この例では、Aさんがクローズドクエスチョンを使ってBさんに質問していますが、Bさんの回答は短く、自分の経験や意見を十分に話す機会が限られてしまいます。

オープンクエスチョンとクローズドクエスチョンの使い方

では、ここからオープンクエスチョンとクローズドクエスチョンの使い分けについて解説していきます。

クローズドクエスチョンとオープンクエスチョンの使い方を効果的に組み合わせることで、より深い情報や意見を引き出すことができます。

以下の会話形式の具体例では、AさんがBさんにクローズドクエスチョンとオープンクエスチョンを組み合わせて効果的に質問しています。

  • Aさん:昨日のパーティーは楽しかったですか?(クローズド)
  • Bさん:はい、とても楽しかったです。
  • Aさん:何が一番楽しかったですか?(クローズド)
  • Bさん:一番楽しかったのは、皆でゲームをしたことです。笑い声が絶えず、みんなが楽しそうだったからです。
  • Aさん:次のパーティーでもゲームをしたいですか?(クローズド)
  • Bさん:はい、ぜひまたゲームがしたいです。
  • Aさん:次回のパーティーでどんなゲームがしたいですか?(オープン)
  • Bさん:チーム対抗で楽しめるクイズゲームがいいと思います。みんなで盛り上がれるし、コミュニケーションも取りやすくなると思います。

このように、基本的に質問は、クローズドクエスチョンからオープンクエスチョンへと進んでいきます。

それを証明する思考実験をしてみましょう。初対面の相手に対していきなりオープンクエスチョンをやってみてください。

やってみると分かるのですが、初対面の相手にいきなりオープンクエスチョンはできないのが分かるのではないでしょうか。

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まとめ

本日のテーマ

オープンクエスチョンとクローズドクエスチョン:違いと効果的な使い方

オープンクエスチョンとクローズドクエスチョンは、それぞれ異なる利点と欠点があり、適切な使い方が重要です。

オープンクエスチョンは詳細な意見や感想を得るのに適しており、クローズドクエスチョンは簡潔で明確な回答が必要な場合に適しています。

効果的な質問を設計するためには、質問の目的を明確にし、オープンクエスチョンとクローズドクエスチョンを適切に使い分けることが重要です。

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