スノッブ効果とは、多くの人たちが持っているモノの価値を低く見積もる心理現象のことです。
たとえば、街中を歩いている時に、自分と同じ靴を履いている人がいたらちょっと嫌になりますよね?
他にも、「世界に100個しかない〜」「もう生産が終了した貴重な〜」とかって言われると、それを魅力的に感じてしまいますよね?
このように、我々はみんなが持っていないものを欲しがる傾向にあります。
というわけで本日は、
- スノッブ効果とは
- スノッブ効果の具体例
- スノッブ効果を営業・マーケティングに活用する方法
というテーマでブログを執筆していこうと思います。
目次
スノッブ効果とは
多くの人たちが持っているモノの価値を低く見積もる心理現象
※スノッブ効果は、「希少性の原理」と全く一緒です
スノッブ効果は、アメリカの経済学者ハーヴェイ・ライベンシュタインにより提唱された心理現象です。
スノッブ効果の具体例
では、いくつか具体例をみていきましょう。
- 限定商品
- メジャーデビュー
- サッカーシューズ
例1:限定商品
「会員限定!」などと言われると心が躍りますよね?
なぜなら、多くの人たちが手に入れていない限定品を、自分だけが手にいれることができるという感覚を味わうことができるからです。
たとえば、メンタリストDaiGoさんは、YouTube上で「ニコ生の会員になれば特別動画を視聴することができる」という特別感を出しています。
例2:メジャーデビューした歌手
以前は好きだった歌手やアイドルがメジャーデビューした途端に冷めてしまった…なんていう経験はありませんか?
これは、その歌手やアイドルたちに希少性という価値がなくなってしまったから起こる現象なんですよね。
こういう人たちの多くは、また別のデビュー前の歌手やアイドルを見つけて、そこで活動をする傾向にあります。
例3:サッカーシューズ
運動系の部活をやっていた人には分かると思うのですが、みんなと同じ運動シューズって履きたくないですよね?
たとえば、サッカーであれば、サッカーシューズ。
なぜなら、みんなと同じサッカーシューズを履いてしまうと、特別感がなくなってしまうからです。
つまり、オリジナリティーがなくなってしまうんですよね。
だから、なるべく他者とは違うサッカーシューズを探し求めるものです。
スノッブ効果はなぜ発動するのか
- 本能
- エネルギーの節約
理由1:本能
我々がサバンナで生活をしていた時代、何かを失うということは「死」に直結する概念でした。
なぜなら、たとえば、所有している食べ物を失ってしまうと、次いつ手に入るか分からないからです。
(昔はコンビニなんてありませんからね)
だから、手に入った食べ物をなんとしても所有しようとしていたのです。
このように、我々はサバンナ時代に培った本能によって、何かを失うという「損失」に敏感に反応するようにできています。
だから、ある対象に希少性がある場合、それを失うたくないという欲求から、その価値を高く見積もってしまうのです。
理由2:脳のエネルギーの節約
スノッブ効果は、我々の脳のエネルギーを節約するのに、一役買っています。
※我々の脳のエネルギーは、1日の中で使用できる容量が決められている
なぜなら、「限定されたもの=価値が高い」と一瞬で判断することができれば、その対象の質について吟味する必要がなくなるからです。
たとえば、「限定10個しかない人形」と言われた時に、「本当に10個しかないのか?」と疑い、ネットで調べまくるなんてことはしないですよね?
このように、「限定されたもの=価値が高い」という方程式を脳の中に持っていれば、脳のエネルギーを無駄に消耗する必要がなくなるのです。
デメリット
結論、スピードを優先してしまうあまりに、質を捨ててしまうということです。
たとえば、「限定10個ですよ〜」と言われて購入したものの、それは嘘で、紛い物だったなんてことにもつながりますからね。
スノッブ効果の実験
社会心理学者のステファン・ウォーチェルの実験を紹介します。
まず、被験者に2つの瓶に入ったチョコレートを評価してもらいます。
その際、チョコレートの入れ物を2つにわけます。
- 瓶の中に10枚入ったチョコクッキー
- 瓶の中に2枚入ったチョコクッキー
そして、それぞれのクッキーを食べた被験者に、クッキーの味を評価してもらい価格を設定してもらいました。
多くの被験者が②のクッキーの方が、①のクッキーよりも美味しいと評価し、クッキーの値段も高く設定したのです。
つまり、同じ味のクッキーであるにも関わらず、手に入りにくいものに対してはそれだけ高く評価したということですね。
ウォーチェルは、さらに実験をおこないます。
今度は、被験者に先ほどとは違った2つのパターンのクッキーの瓶を渡し、それを食べてもらいます。
- 瓶の中に10枚入ったチョコクッキーから、2枚しか入っていないチョコクッキーに取り替えたパターン
- 瓶の中にもともと2枚しかチョコクッキーが入っていないパターン
この条件の場合、どちらのクッキーの方が美味しいと評価されたのか?を調べました。
結果は、①のクッキーの方が②よりも高く評価されたのです。
つまり、最初から量に制限をかけられる方よりも、あとから制限をかけられる方に大きな影響を受けるということですね。
スノッブ効果と関連した心理学
- バンドワゴン効果
- ヴェブレン効果
スノッブ効果、バンドワゴン効果、ヴェブレン効果は、アメリカの経済学者ハーヴェイ・ライペンシュタインが、
1950年に論文『消費者需要理論におけるバンドワゴン効果・スノッブ効果・ヴェブレン効果』の中で提唱した概念になります。
消費者が商品を選択する際に、他者の影響を受けるという概念のこと(他者依存性)
つまり、我々は、時に他者の影響から消費行動を起こすことがあるということですね。
バンドワゴン効果
多数派の意見に従いやすいという心理効果
簡単に説明すると、「自分→多数派」という感じですね。
「多くの人が持っているから、私も欲しい!」という動機から生まれる消費のことですね。
例:行列のラーメン屋
たとえば、行列ができているお店を見かけると、「すごい人気だな!きっと美味しいに違いない!」と思いますよね?
このように、我々は流行りのものを選択する傾向があります。
ヴェブレン効果
価格が上昇するほど、需要が上昇するという心理現象
簡単に説明すると、「自分→高価なモノ」という感じです。
「多くの人に見せつけたいから、欲しい!」という動機から生まれる消費のことですね。
例:ブランド物
たとえば、高額であるにも関わらず、GUCCI、CHANEL、BVLGARIなどのブランド品が売れてしまうのはヴェブレン効果によるものです。
これは、他者に見せびらかしたいという心理が働いていると言えます。
スノッブ効果をマーケティングに活用する方法
では、ここからはスノッブ効果をマーケティングに活用する方法について解説していきます。
- 制限をかける
- 残数を表示する
方法1:制限をかける
結論、売りたい商品・サービスに制限をかけましょう。
たとえば、下記の要素に制限をかけると効果的です。
数量の限定
- 「限定10本の〇〇!」
- 「限定8名様!」
日時の限定
- 「限定5日間!」
- 「本日21時まで!」
地域限定
ご当地キーホルダーなど
会員限定
- 「会員限定の!」
- 「オンラインサロン生限定!」
このように、商品・サービスに制限をかけることで、消費者はそれを「価値の高いものだ!」と反射的に感じてしまいます。
方法2:残数を表示する
商品の残数は積極的に伝えるようにしましょう。
すると、「はやく買わないと!」と感じさせることができます。
例:楽天市場
たとえば、大手ECサイトの楽天市場でマイケル・ジャクソンのCDを調べていたら、ページの右側に「楽天市場(中古)1品」と出現しました。
これは在庫の数なのですが、このように在庫を強調されると、「いますぐに買わないと!」と焦ってしまいますよね?
なので、もしも商品の在庫の数を出せるようであれば、出すようにしましょう。
まとめ:スノッブ効果
では最後にまとめましょう。
本日は、
- スノッブ効果とは
- スノッブ効果の具体例
- スノッブ効果を営業・マーケティングに活用する方法
というテーマでブログを執筆しました。
スノッブ効果を意識するだけで、売上を爆増させることができます。
なので、まだ販売戦略の中に入れていないのであれば、すぐにでも導入するようにしましょう。