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アドバイス・シーキング|交渉を有利に進める心理テクニック

アドバイス・シーキングとは、相手にアドバイスを求めることです。

実は、アドバイスを求めることは、他者から好意を獲得する効果があります。たとえば、「ちょっと〇〇について分からないんですけど、教えてもらえますか?」という感じでアドバイスを求めることで、好意を獲得することができます。

もしかして、「え!なんで?」と思ったのではないでしょうか。確かにちょっと信じがたいですよね。というのも、アドバイスを求めるだけで、好意を獲得できるなんてシンプルにもほどがあるからです。

しかし、これは科学的に証明されているテクニックになります。では、なぜアドバイスを求めることで、他者から好意を獲得することができるようになるのでしょうか。本記事ではアドバイスシーキングの心理的メカニズムやアドバイスを求めるときの

というわけで本日は、

本日のテーマ

アドバイス・シーキング|交渉を有利に進める心理テクニック

というテーマでブログを執筆していこうと思います。

アドバイスシーキングとは

アドバイス・シーキング

相手にアドバイスを求めること

アドバイスシーキング(アドバイスを求める)とは、他者から意見や指導を求める行為です。これは、問題解決、意思決定、スキル向上、人間関係の改善などの目的で行われることが多いです。

アドバイスシーキングの具体例

では、アドバイスシーキングの具体例をいくつかみていきましょう。

  1. キャリアに関するアドバイス
  2. 健康やダイエットに関するアドバイス
  3. 人間関係に関するアドバイス

事例1:キャリアに関するアドバイス

職業選択や転職を検討している際、経験豊富な友人や先輩、専門家にアドバイスを求めることがあります。彼らの意見や経験を参考にすることで、自分に合ったキャリアパスを見つけやすくなります。

事例2:健康やダイエットに関するアドバイス

健康状態の改善やダイエットを目指している場合、専門家や友人、家族にアドバイスを求めることがあります。彼らから得られる情報や経験に基づくアドバイスを活用することで、適切な方法で目標に向かうことができます。

事例3:人間関係に関するアドバイス

職場や学校、家庭などでの人間関係の悩みがある場合、信頼できる友人や家族、カウンセラーにアドバイスを求めることがあります。他者の視点や経験を参考にすることで、悩みを解決しやすくなります。

アドバイスシーキングのメリット

アドバイスシーキングにはいくつかのメリットがあります。以下に主なものを挙げます。

  1. 問題解決の助け
  2. 意思決定のサポート
  3. スキルや知識の向上
  4. 自己評価の改善
  5. コミュニケーションの促進

メリット1:問題解決の助け

アドバイスを求めることで、他者の知識や経験に基づいた新たな視点やアイデアを得ることができ、問題解決に役立ちます。

メリット2:意思決定のサポート

アドバイスシーキングは、意思決定を行う際に有益な情報や意見を提供してくれるため、より適切な選択肢を選ぶ助けとなります。

メリット3:スキルや知識の向上

他者からのアドバイスを通じて、自分の知識やスキルを向上させることができます。これにより、自己成長やキャリアの発展に繋がることがあります。

メリット4:自己評価の改善

アドバイスを求めることで、自分の弱点や課題に気付くことができ、自己評価を改善するきっかけとなります。

メリット5:コミュニケーションの促進

アドバイスシーキングは、相手とのコミュニケーションを深める機会を提供します。これにより、人間関係の向上やチームワークの強化につながります。

アドバイスシーキングは、これらのメリットを享受するために、適切な相手を選び、具体的な質問を用意し、アドバイスを柔軟に受け入れることが重要です。ただし、最終的な判断や決断は自分自身で行うことが大切であり、他者の意見を過度に依存しないように注意しましょう

アドバイスシーキングと好意の関係

アドバイスシーキングを行うことで、実は他者から好意を獲得できることがわかっています。では、なぜ他者にアドバイスを求めることで、それが好意に繋がるのでしょうか。

結論から言えば、他者にアドバイスを求め、助けてもらうことで、助けた側が助けられた側に好意を持つようになるからです。これをベンジャミフランクリン効果と言います。たとえば、AさんがBさんと助けた場合、助けられたBさんがAさんに好意を持つことはもちろんですが、BさんもAさんに好意を感じるようになります。

詳しく解説すると、これには認知的不協和が関係しています。認知的不協はとは、矛盾した異なる認知を抱え、ストレスを感じている状態のことです。今回の例で言えば、「助ける」ということと矛盾しない態度をとるようになるということです。つまり、「好き」ですね。このように、我々は、行動と矛盾した態度を取らないようにできています。

アドバイスシーキングの実験

ケイティ・リルジェンクィスト(Katie Liljenquist)によるアドバイスシーキングに関する実験の詳細は以下の通りです。

実験では、参加者がペアになり、架空の企業において上司と部下の役割を持つ交渉シミュレーションを行いました。参加者は、部下の昇進に関連するさまざまな要素(昇進のタイミング、昇給額、新しい職位など)について交渉を行うことが求められました。

実験の前に、上司役の参加者の一部には、部下役の参加者にアドバイスを求めるよう指示されました。これにより、実験の対象となる「アドバイスを求める」という行為が導入されました。

交渉終了後、参加者にお互いの好意や信頼感を評価させました。その結果、アドバイスを求めた上司役の参加者は、部下役の参加者からより好意的に評価され、信頼感が高まる傾向があることが示されました。さらに、アドバイスを求めたペアでは、交渉が円滑に進み、双方にとって良い結果が得られることが分かりました。

この実験は、アドバイスシーキングが人間関係において好意や信頼を高める効果があることを示しています。アドバイスを求めることは、相手に対して敬意や信頼を示す行為と捉えられるため、人間関係の向上につながります。ただし、アドバイスを求める際には、適切なタイミングと方法が重要であり、相手の立場や知識を尊重することが大切です。

アドバイスシーキングを営業に活用する方法

では、ここからは、アドバイスシーキングを営業に活用する方法をいくつか紹介します。

  1. 顧客の趣味に関するアドバイスを求める
  2. 顧客の業界や業務に関するアドバイスを求める
  3. 提案内容に関する顧客の意見を求める

方法1:顧客の趣味に関するアドバイスを求める

営業マンは、顧客の趣味に関するアドバイスを求めることで、顧客との関係を強化できます。例えば、「〇〇さんもダーツをされるんですね。私も最近、ダーツを始めたばかりなのですが、コツなどがあれば教えていただけますか?」といった質問を通じて、顧客との信頼関係を強化することができます。

方法2:顧客の業界や業務に関するアドバイスを求める

営業マンは、顧客の業界や業務に関するアドバイスを求めることで、顧客との関係を強化できます。例えば、「お客様の業界では、どのような課題が最も重要視されていますか?」や、「お客様の業務で最も効率化が求められる部分は何でしょうか?」といった質問を通じて、顧客の専門知識を尊重し、信頼関係を築くことができます。

方法3:提案内容に関する顧客の意見を求める

営業マンは、提案内容に関する顧客の意見やアドバイスを求めることで、顧客のニーズに合った提案を行うことができます。例えば、「この提案に関して、お客様のご意見や改善点を教えていただけますか?」といった質問を通じて、顧客のフィードバックを得ることができます。

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まとめ

本日のテーマ

アドバイス・シーキング|交渉を有利に進める心理テクニック

アドバイスを求めることは、他者から好意を獲得する非常に効果的な機会となります。

今までアドバイスを求めることは、失礼な行為なのではないか、とアドバイスを求めることを渋っていた方は、今後は、好意獲得の戦略として効果的に使っていくようにしましょう。

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