心理的リアクタンスとは、自由を制限されるほど、その自由を取り戻そうとする心理現象のことです。
たとえば、「絶対に見るなよ!」と言われたら、それが気になってしかたがなくなりますよね?
このように、我々は自由を制限されると、反射的にそれを取り戻そうとする心理が働きます。
しかし、なぜこのような現象が起きるのでしょうか?…
というわけで本日は
- 心理的リアクタンスとは
- 心理的リアクタンスの具体例
- 心理的リアクタンスを営業に活用する方法
- 心理的リアクタンスをマーケティングに活用する方法
というテーマでブログを執筆していこうと思います。
目次
心理的リアクタンスとは
自由を制限されると、その自由を取り戻そうとする心理現象
「リアクタンス(Reactance)」には、「反発」という意味があります。
つまり、心理的リアクタンスとは、自由を奪われたことによる「心理的反発」のことです。
ちなみに、心理的リアクタンスは、心理学者ジャック・ブレーム氏により提唱されました。
心理的リアクタンスの具体例
ではいくつか具体例をみていきましょう。
- 親からの命令
- 袋とじ
- 友達の恋愛相談
例1:親からの命令
親から「勉強しなさい!」「宿題はやったの!?」と言われたら、逆にやりたくなくなった・・・なんて経験はありませんか?
実は、これは心理的リアクタンスによる現象です。
「勉強しなさい!」と言われたことにより、自分の自由が制限されたので、無意識にそれをと戻そうとするのです。
例2:袋とじ
男性は分かると思いますが、袋とじが見たいがために、雑誌を購入してしまったなんて経験をしたことはないでしょうか?
このように、情報の一部を隠すことで、購買意欲をかき立てることができます。
例3:友達の恋愛相談
あなたの友達が「DVをしてくる彼氏と別れたいけど、どうすれば…」という相談を持ちかけてきたとする。
だから、あなたは「そんな彼氏と絶対に別れた方が良いよ!」と熱心にアドバイスをするのですが、彼女の口からは驚くべき言葉が…
それは、「でも、良いところもあるのよねぇ〜」です。
つまり、「付き合う」という自由を制限されてしまったことにより、無意識にそれを取り戻そうとしてしまったわけです。
だから、そんな時は「でも彼氏にも良いところもあるんじゃない?」なんて言ってあげましょう。
すると、「そんなわけないじゃん!!!」と悪いところばかりが出てくるようになり、別れさせることができます。
心理的リアクタンスの実験
バージニアで2歳児の男の子を対象にした実験が行われました。
まずは、同じくらい魅力的なおもちゃを2つ用意し、1つはプレキシガラスの障壁の横に置き、もう1つは障壁の向こう側に置きました。
その際、この障壁の高さを2つのグループに分けます。
- 障壁の高さは30センチ(ちょっと手を伸ばせば取れる高さ)
- 障壁の高さは60センチ(迂回しないと手に取れない高さ)
そして、研究者たちは、よちよち歩きの赤ちゃんが、それぞれのおもちゃに触れるまでの時間を調べました。
①の場合だと、どちらか一方のおもちゃを極端に好む傾向にありませんでした。
さらに、障壁の横に置いてあるおもちゃに触れる時間と、障壁の向こう側のおもちゃに触れる時間も同じくらいでした。
しかし、②の場合、男の子たちは、障壁の向こう側にあるおもちゃに一直線に向かいました。
さらに、障壁の向こう側にあるおもちゃに触れるまでにかかった時間は、障壁の横にあるおもちゃぬ触れるのにかかった時間の1/3だったのです。
このように、壁が高い方が「おもちゃで遊ぶ」という自由を制限されるので、無意識にうちに「それで遊びたい!」と感じてしまうのです。
心理的リアクタンスと関連した心理学
- 希少性
- ブーメラン効果
- カリギュラ効果
- ロミオとジュリエット効果
心理学1:希少性
限定されることで、その対象を不当に価値付けしてしまうという心理現象
具体例
- 100名限定!
- 5日間限定!
- 地域限定のまるもっこり!
- 会員限定で視聴できる動画!
主には、「数量」「期間」「地域」「会員」などを限定することで、「この機会を逃してはいけない!」と感じ、その対象に対して、不当に価値付けしてしまいます。
心理学2:ブーメラン効果
説得されればされるほど、それに反発したくなるという心理効果
例:営業
たとえば、いかに質が高くて必要性の高い商品だったとしても、
「買ってください!」「ぜひお願いします!」なんて言われると、それに反発して購入する気がなくなってしまいます。
だから、「押してダメなら引いてみろ」というコトワザはかなり的を射ていると言えますね。
心理学3:カリギュラ効果
禁止や制限をかけると、逆にしたくなるという心理現象
例:映画カリギュラ
カリギュラ効果の由来としては、アメリカ・イタリアの合作映画の『カリギュラ』から来ています。
その内容はあまりにも過激であったため、一部地域で上映を禁止されました。
しかし、それが逆に注目を集めるという結果となったというところからカリギュラ効果と名付けられました。
心理学4:ロミオとジュリエット効果
障害があるほど、それを乗り越えようとする気持ちが高まる心理効果
例:ロミオとジュリエット
ロミオとジュリエット効果の由来としては、シェイクスピアによる『ロミオとジュリエット』という戯曲から来ています。
ロミオとジュリエットは、お互いの両親の不仲により仲を引き裂かれてしまいます。
しかし、これにより逆に愛が燃え盛り、ロミオはジュリエットに会いに行くようになってしまうのです。
心理的リアクタンスを営業に活用する方法
- 現状を肯定する
- 説得し過ぎない
方法1:現状を肯定する
営業で難しいのは、相手の悩みを引っ張り出すことです。
しかし、あることをすることで、簡単に悩みを引っ張ってくることができます。
それは、相手の現状を肯定するという方法です。
例:集客コンサルタント
顧客にダイレクトに「何か集客での悩はありませんか?」なんて尋ねるのもアリですが、ちょっと売り込み感が出てしまいます。
なので、そんな時は「今のままでも十分集客ができているんじゃないですか?」と現状を肯定するのです。
すると、心理的リアクタンスが発動し「いやいや、そんなことないですよ〜」というレスポンスが返ってきます。
※これがいわゆる「謙遜」というやつです
ラスト:悩みを引っ張り出す
そして、下記のように質問をすると、自然と悩みを引っ張ってこれるようになります。
方法2:説得し過ぎない
「説得すればするほど、顧客が離れて行ってしまった…」なんていう経験はありませんか?
たとえば、「この商品は〜な特徴があるんです!」「絶対に購入された方が良いですよ!」などと伝えすぎてしまうなど。
このように、商品をゴリ押しされると、逆に購入したくなくなります。
結論:ヒアリングを徹底する
なので、「押してダメなら引いてみろ」というコトワザがある通り、ゴリゴリ押す営業をするのではなく、顧客の「現状」と「理想」をしっかりヒアリングし、落ちついた提案をするようにしましょう。
すると、顧客に購入する動機が生まれますので、ゴリゴリ押さなくても、ちょっとしたプッシュで商品・サービスを購入してくれるようになります。
心理的リアクタンスをマーケティングに活用する方法
では、ここからは心理的リアクタンスをマーケティングに活用する方法について解説していきます。
方法:禁止・制限する
ポジティブな禁止をすることで、興味関心を持たせることができるようになります。
ここで大切なのは、「メリットし過ぎるので、禁止」という方程式。
例:タイトル・ヘッダー
カリギュラ効果は、特にブログ・SNSのタイトル、販売ページのヘッダーなどで非常に活躍します。
なぜなら、それに興味を持ってもらえるかもらえないかで、それ以降読んでもらえるかが決まるからです。
そのためにも、タイトルやヘッダーは、カリギュラ効果を使ったインパクトのあるコピーにしなければなりません。
なので、ぜひ上記方程式を意識して刺激的なコピーを完成させましょう。
※あまりにも胡散臭過ぎると、消費者から嫌われてしまうこともありますので、多用するのは控えましょう
まとめ:心理的リアクタンス
では最後にまとめましょう。
本日は、
- 心理的リアクタンスとは
- 心理的リアクタンスの具体例
- 心理的リアクタンスを営業に活用する方法
- 心理的リアクタンスをマーケティングに活用する方法
というテーマでブログを執筆しました。
心理的リアクタンスは、人間の本能に刺した心理現象です。
なので、これを利用すれば、簡単に他者をおコントロールすることができます。
ぜひ、あなたの営業・マーケティングに積極的に活用し、売上を爆増させていきましょう。