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カタルシス効果とは|意味・事例・会話での活用法などについて徹底解説

カタルシス効果とは、自分のネガティブな感情を口に出すことで、心が浄化される心理現象のことです。

たとえば、他人に自分の悩みを打ち明けたりすると、スッキリした経験はないでしょうか。他にも、その日にあったネガティブな出来事を日記にすることで、ストレス解消につながるなんてことを聞いたことはありませんか(エキスプレッシブライティング)。このように、我々は、ネガティブな感情などを外に出すことで、ストレスを解消することができたりします。

しかし、なぜこのような現象が起こるのでしょうか。本記事では、カタルシス効果の心理学的、脳科学的メカニズム、またこれを相手から好意を獲得するためにどう活用すればいいのかなどを紹介していきます。

というわけで本日は、

本日のテーマ

カタルシス効果とは|意味・事例・会話での活用法などについて徹底解説

というテーマでブログを執筆していこうと思います。

カタルシス効果とは

カタルシス効果

自分のネガティブな感情を口に出すことで、心が浄化される心理現象

カタルシス効果(カタルシス理論)は、感情の解放や緊張の緩和を通じて心の浄化が起こるとする概念です。古代ギリシャの哲学者アリストテレスが、悲劇や芸術作品を通じて人々が感情を解放し、精神的な浄化を体験できると主張したことに起源を持ちます。カタルシスは、ギリシャ語で「浄化」や「清める」を意味します。

心理学の分野では、カタルシス効果は感情の発散やストレスの解消に関連しています。特に、怒りや悲しみなどのネガティブな感情を表現することで、心身の健康が向上し、ストレスや不安が軽減されるとされています。映画や音楽、スポーツなど、さまざまな形でカタルシス効果が現れることがあります。

ただし、カタルシス効果についての研究は、その有効性や効果の大きさに関して意見が分かれています。一部の研究では、感情の発散がストレスや怒りを緩和する効果があるとされていますが、他の研究では、感情を発散することでその感情が増幅されることもあると指摘されています。このため、カタルシス効果に関する総合的な評価は、個人差や状況によって異なると考えられます。

カタルシス効果の具体例

では、いくつか具体例をみていきましょう。

  1. 映画やドラマの鑑賞
  2. 音楽やダンス
  3. スポーツや運動

事例1:映画やドラマの鑑賞

映画やドラマを観ることで、視聴者は登場人物の感情に共感し、自分自身の感情も解放することができます。例えば、悲劇的なストーリーを通じて涙を流すことで、自分の抱える悲しみやストレスを解消できる場合があります。

事例2:音楽やダンス

音楽を聴くことやダンスをすることで、感情を表現し、ストレスや不安を緩和することができます。特に、激しい音楽やリズムに合わせて体を動かすことで、怒りやフラストレーションを解消できることがあります。

事例3:スポーツや運動

スポーツや運動を通じて、感情やエネルギーを発散することができます。例えば、ボクシングやランニングなどの激しい運動は、ストレスや怒りを発散する効果があるとされています。また、チームスポーツに参加することで、チームメイトと協力し、共感を得ることもカタルシス効果につながります。

カタルシス効果が発動する理由

ここからは、カタルシス効果が発動する心理学的、脳科学的理由について解説していきます。

  • 感情の共感
  • ストレス反応の緩和
  • 報酬系の活性化

理由1:感情の共感

私たちは、映画やドラマ、音楽などを通じて、他者や登場人物の感情に共感することができます。この共感により、自分自身の感情も表現されやすくなり、感情の解放が促されます。共感は、脳内の「ミラーニューロン」と呼ばれる神経細胞が関与しており、他者の感情や行動を観察することで自分も同じ感情や行動を体験するかのように感じられる現象です。

理由2:ストレス反応の緩和

カタルシス効果は、ストレス反応を緩和する役割も果たしています。ストレスがたまると、身体は緊張状態になり、脳内のストレスホルモン(コルチゾール)の分泌が増えます。カタルシス効果を通じて感情を発散することで、ストレスホルモンの分泌が抑制され、リラックス効果が得られます。

理由3:報酬系の活性化

カタルシス効果は、脳内の報酬系が活性化することとも関係しています。報酬系は、快楽を感じる部分で、ドーパミンという神経伝達物質が関与しています。例えば、音楽やスポーツなどの活動を通じて感情を発散することで、脳内のドーパミンが放出され、快感や達成感を感じることができます。

カタルシス効果と他者への好意

カタルシス効果のポイントとしては、悩みを打ち明けた側が、悩みを聞いた側に好意を持つというところがポイントです。つまり、あなたが相手の悩みを聞く側になることができれば、相手から好意を獲得することができるようになるのです。というわけで、悩みを打ち明けた側が、聞いた側に好意を寄せる理由を紹介します。

  1. 感情の共有
  2. 打ち明けた側の心の解放
  3. 自己開示の効果
  4. 援助の受容

理由1:感情の共有

悩みを打ち明けることで、自分の感情や考えを他者と共有することができます。悩みを聞いてくれた相手が理解や共感を示すことで、自分が受け入れられていると感じることができます。この相互理解や共感が、好意を持つ理由の一つとなります。これはあくまでも聞き手が悩みに共感してくれたことが前提となります。

理由2:打ち明けた側の心の解放

悩みを打ち明けることでカタルシス効果が発動し、抱え込んでいた感情やストレスが解放されます。この心の解放感により、悩みを聞いてくれた相手に感謝や好意を感じることがあります。これは、脳のエラーにより生じる現象になります。本当は、打ち明けたことでストレスが解消されたにも関わらず、「この人(聞き手)のおかげでストレスが解消された!」と原因を他者に帰属させることによる現象になります。

理由3:自己開示の効果

他者に自分の悩みを打ち明けることは、自己開示というプロセスです。自己開示が進むことで、相手との信頼関係が深まり、好意が生まれやすくなります。自己開示は、他者との距離を縮め、より親密な関係を築く効果があります。

理由4:援助の受容

悩みを聞いた側がアドバイスや助けを提供することで、打ち明けた側は感謝や好意を感じることがあります。相手が自分のために努力してくれることで、相手に対する信頼感が増し、好意が生まれやすくなります。

カタルシス効果をコミュニケーションで活用する3つの方法

では、ここではカタルシス効果を日常の会話などで活用する方法を紹介していきます。

  1. 聞き上手になる
  2. 自己開示をする
  3. 時間をかける

方法1:聞き上手になる

相手の悩みを引き出すには、大前提の話になりますが、聞き上手にならなければなりません。なぜなら、こちらが話してばかりいると、相手から情報(悩み)を引っ張り出してくることができないからです。

たとえば、会話中は適度に質問を行い、相手が話をしている最中は、じっくりと耳を傾け、さらなる質問や相槌で関心を示します。そして、友人Bが悩みを話し始めたら、中断せず、最後まで聞いてあげることが大切です。もし、聞き上手になるための質問テクについて知りたい方は、下記の記事を参考にしてください。

方法2:自己開示をする

自己開示をすることで、他者から情報を開示させることができるようになります。なぜなら、自己開示をすることで、返報性の原理が生じるからです。つまり、「〇〇さんも情報を開示してくれたのだから、私も開示しないと!」と思わせることができるからです。

たとえば、「出身はどちらですか?」よりも「私は奈良県出身なのですが(自己開示)、〇〇さんはどちら出身ですか?」と質問をした方が、情報を開示してくれる可能性を高めることができます。逆に、自己開示なしで、質問攻めにしてしまうと、尋問のようなコミュニケーションに陥ってしまいます。

ここでのポイントとしては、まずはライトな情報から自己開示+質問して行くようにすることです。つまり、徐々にヘビーな内容の自己開示を行うのです。理由はお察しの通り、ヘビーな情報から自己開示をしてしまうと、相手に嫌悪感を与えてしまうことに繋がるからです。

つまり、ライトな情報から自己開示+質問を行い、頃合いを見て、ヘビーな自己開示にシフトしていくわけです。すると、相手からヘビーな情報(悩み)を引き出しやすくなります。大切なのは、いきなり踏み込んだヘビーな自己開示+質問を行わないということです。

方法3:時間をかける

一番堅い方法としては、当然と言えば当然ですが、時間をかけることです。なぜなら、時間をかけることで、ヘビーな話もできる関係になっている可能性が高いからです。もちろん、上記のような方法を使うことも大切ではありますが、相手の警戒心が強い場合は、無理に自己開示+質問で情報を引き出そうとするのではなく、自然と相手から打ち明けてくれるのを待つことも戦略の一つです。

まとめ

本日のテーマ

カタルシス効果とは|意味・事例・会話での活用法などについて徹底解説

カタルシス効果は、自身のストレスを解消するためだけに活用されているイメージがあったかと思いますが、実は、他者から好意を獲得する上でもものすごく活躍する心理法則になります。

仕事、交友、恋愛など様々な人間関係の構築に使える最強の心理法則になりますで、本記事を何度も繰り返し読み、カタルシス効果をマスターするようにしましょう。

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