カリギュラ効果とは、禁止や制限をかけると、逆にしたくなるという心理現象です。
たとえば、昔話の『鶴の恩返し』『浦島太郎』が分かりやすいですね。
「中を絶対に覗いてはなりません」「箱の中身は絶対に開けてはなりません」と言われると、逆に覗いてしまいたい、中を確認したいと思ってしまう。
このように、我々は、禁止や制限をかけられると、逆にしたくなってしまう生き物なのです。
しかし、なぜこのような現象が起こるのでしょうか?
というわけで本日は、
- カリギュラ効果とは
- カリギュラ効果の具体例
- カリギュラ効果をマーケティングに活用する方法
というテーマでブログを執筆していこうと思います。
目次
カリギュラ効果とは

禁止や制限をかけると、逆にしたくなるという心理現象
カリギュラ効果の由来
カリギュラ効果の「カリギュラ」とは、代三代ローマ帝国皇帝のことで、
彼は非常に見た目に色気がある男性だったそうで、異常な性欲と残忍性で悪名を轟かせていました。
そんなカリギュラをモデルにした1980年公開のアメリカ・イタリアの合作歴史映画『カリギュラ』でしたが、
過激な残虐シーンや性的シーンが多い作品だったことにより一部で公開禁止になりました。
しかし、それがかえって世間の話題となり、結果として『カリギュラ』は大ヒット映画となったのです。
つまり、禁止されたことで、民衆は強烈な興味をかき立てられたのです。
カリギュラ効果の具体例
ではいくつか具体例を見ていきましょう。
例1.ピー
テレビなどで過激な言葉や内容には「ぴー」が入りますが、ついついその中身が気になってしまったなんて経験をしたことはありませんか?
例2.袋とじ
男性は分かると思いますが、袋とじが見たいがために、雑誌を購入してしまったなんて経験をしたことはないでしょうか?
このように、情報の一部を隠すことで、購買意欲をかき立てることができるのです。
例3.ダイエット商品
「効きすぎてしまうので、痩せたくない人は絶対に使わないでください」なんてコピーを見たことはありませんか?
怪しいと分かっていても、上記のコピーにより「もしかしたら…」という希望を持ち、ついつい購入してしまった人は数知れないでしょう。
例4.禁煙
禁煙でよくやってしまうのが、タバコが吸いたくなった時に「絶対にタバコは吸わない!」と強く言い聞かせてしまうこと。
実は、このようなことをすると、逆に吸いたくなってしまうのです。
もちろん、理由はカリギュラ効果。
もしも、タバコが吸いたくなったら、自分を客観的に分析するようにしましょう。
これは「RAIN」というマインドフルネスの一種なのですが、
詳しく知りたい方は、『瞑想の効果とやり方|脳疲労を改善する瞑想方とは』を読んでください。
例5.あえて素っ気ないフリをする
カリギュラ効果は、恋愛などにも使われる心理効果です。
たとえば、好きな人に素っ気ないフリをすることで、逆に「接触したい!」と相手の興味をかき立てることができます。
動画にしました
カリギュラ効果はなぜ発動するのか

しかし、なぜ禁止されるほど、それと逆の行動をしたくなってしまうのでしょうか?
結論:心理的リアクタンス
自由を制限されると、その自由を取り戻そうとする心理現象
選択したいという欲求
我々には、「自由な選択をしたい!」という欲求が備わっています。
しかし、これを制限されることで、心理的反発が起き、無意識のうちにその自由を取り戻そうと感じてしまうのです。
「この玉手箱を絶対に開けてはなりません」というのは、「開ける」という自由を制限されていることになります。
それゆえ、浦島太郎の心の中では、心理的反発が起き、結果、玉手箱を開けてしまうことになったというわけですね。
カリギュラ効果と関連のある心理学


- 希少性
- ブーメラン効果
- ロミオとジュリエット効果
心理学1:希少性
限定されることで、その対象を不当に価値付けしてしまうという心理現象
- 限定100名!
- 5日間限定!
- 静岡限定!
- ニコ生会員限定の!
主には「数量」「期間」「地域」「会員」などを限定することで、「この機会を逃してはいけない!」と感じ、その対象に対して、不当に価値付けしてしまいます。
心理学2:ブーメラン効果
説得されればされるほど、それに反発したくなるという心理現象
例:営業
たとえば、いかに質が高くて必要性の高い商品だったとしても、
「買ってください!」「ぜひお願いします!」なんて言われると、それに反発して購入する気がなくなってしまいます。
だから、「押してダメなら引いてみろ」というコトワザはかなり当たっていると言えますね。
心理学3:ロミオとジュリエット効果
障害があるほど、それを乗り越えようとする気持ちが高まる心理現象
例:ロミオとジュリエット
ロミオとジュリエット効果の由来としては、シェイクスピアによる『ロミオとジュリエット』という戯曲から来ています。
ロミオとジュリエットは、お互いの両親の不仲により仲を引き裂かれてしまいます。
その結果、ロミオはジュリエットに会いに行くようになってしまうわけですね。
カリギュラ効果をマーケティングに活用する方法


- 禁止・制限する
- ツァイガルニク効果を使う
- バーナム効果を使う
方法1.禁止・制限する
ポジティブな禁止をすることで、興味関心を持たせることができるようになります。
- 痩せすぎちゃうので、痩せたくない方は使わないでください!
- お得過ぎるので、絶対に友達には教えちゃダメ!
ここで大切なのは、「メリットし過ぎるので、禁止」という方程式
例:タイトル・ヘッダー
カリギュラ効果は、特にブログ・SNSのタイトル、販売ページのヘッダーなどで非常に活躍します。
なぜなら、それに興味を持ってもらえるかもらえないかで、精読率が決まるからです。
そのためにも、タイトルやヘッダーはカリギュラ効果を使ったインパクトのあるコピーにしなければなりません。
ぜひ上記方程式を意識して、刺激的なコピーを完成させましょう。
あまりにも胡散臭過ぎると、消費者から嫌われてしまうこともありますので、多用するのは控えましょう
方法2.ツァイガルニク効果を使う
未完了のものが想起されやすくなるという心理現象
例:いいところで終わるドラマ
ドラマって基本モヤモヤした感覚を残して終わりますよね?
これはツァイガルニク効果を使った戦略になります。
これにより視聴者を「続きが気になる!!!」と思わせ、継続的にドラマを視聴してもらうことができるようになるのです。
方法:シルエットにする


このように、情報を包み隠すことで「どんな包丁なんだろう!?」と興味をかき立てることができるようになるのです。
これは、他の商品にも応用可能ですので、ぜひこれをテンプレートにして広告を設計してみてください。
方法3.バーナム効果を使う
誰にでも当てはまるようなことを、自分だけに当てはまっていると勘違いしてしまう心理現象
例:占いはなぜ当たるのか
占いが当たっていると感じるのは、ただの勘違いです。
なぜなら、占い師はただ誰にでも当てはまる抽象的なことしか伝えていないので、それがあたかも自分にも当てはまっているように感じるからです。
たとえば、「あなたには、まだ使われていない、まだ活かしきれていない能力がかなりあります!」なんて言われるとどうでしょうか?
きっと、あなたに当てはまってますよね。
方法:誰にでも当てはまるコピーにする
たとえば、下記のコピーをご覧ください。
マーケティングのことを全て理解している方は、このメルマガに登録しないでください!
このコピーを見た人たちの多くは、メルマガに登録してしまうでしょう。
なぜなら、自分のマーケティングが完璧だと思っている人は非常に少ないからです。
このように、マジョリティー(多数派)に合わせたコピーを作ることで、コンバージョンを一気に高めることができるようになります。
ぜひ、これをテンプレートにして、様々なコピーを作成してみてください。
▼おすすめ図書:心理学▼
まとめ:カリギュラ効果
では最後にまとめましょう。
本日は、
- カリギュラ効果とは
- カリギュラ効果の具体例
- カリギュラ効果をマーケティングに活用する方法
というテーマでブログを執筆しました。
カリギュラ効果を使うことで、消費者の興味関心をこちらにグイッと引っ張ってくることができます。
なので、あなたの販売戦略にぜひ導入するようにしましょう。
もしも、その他の心理テクニックについて知りたい方は、下記の記事なども参考にしてもらえればと思います。