感応度逓減性とは、同じ刺激を繰り返し受けることで、その刺激に対する感度が低下していく現象です。
ちなみに、あなたは他の営業パーソンと比べると、数をこなせているでしょうか。もし「数をこなせています!」という方は、ここでブラウザバックしてもらって大丈夫です。ただし、それとは逆の回答であれば、ぜひこの記事を最後まで読んでいただければと思います。
なぜなら、本記事を読むことで、他者から嫌われることに慣れ、数をこなし、そして売上を上げることができるかもしれないからです。他にも、継続が苦手な方にもおすすめの記事となっております。なぜなら、感応度逓減性は、習慣化とも深い関係がある現象だからです。
というわけで本日は、
というテーマでブログを執筆していこうと思います。
目次
感応度逓減性とは
同じ刺激を受け続けると、それに慣れてくるという現象
感応度逓減性(Sensitization-Decrease)は、繰り返し同じ刺激にさらされることによって、個体の感応度が低下する現象を指します。後ほど紹介しますが、これは習慣化と密接に関連しており、両者は個体が刺激に適応するための学習プロセスの一部を形成しています。感応度逓減性は、短期的には個体が集中力を維持し、注意をより重要な刺激に向けることができるようにする役割を果たし、長期的には環境に適応し、ストレス耐性を向上させることに寄与します。
感応度逓減性は、疲労、飽和、過剰刺激などによって引き起こされることがあります。個体が疲労したり、過剰な刺激にさらされたりすると、感応度が低下し、それに伴い刺激に対する反応も減少します。このような状況は、例えば長時間の勉強や仕事、音楽や映像の過剰摂取などで経験されることがあります。
感応度逓減性の具体例
ではここからは、感応度逓減性の日常的な事例をいくつか紹介します。
- 交通騒音
- 香水や芳香剤の香り
- スマートフォンの通知音
事例1:交通騒音
都市部に住んでいると、車や列車の音、道路の騒音などが絶え間なく聞こえます。最初はこれらの音に敏感に反応するかもしれませんが、時間が経つにつれて感応度逓減性が働き、その音に慣れて気にならなくなります。
事例2:香水や芳香剤の香り
新しい香水や芳香剤を使用すると、最初はその香りに敏感に反応しますが、だんだんと感応度が低下し、香りに慣れて気づかなくなります。これは、自分が普段使っている香水の香りに対しては気づきにくくなるが、他人の香水の香りには敏感に反応する理由でもあります。
事例3:スマートフォンの通知音
スマートフォンを使い始めた頃は、通知音にすぐに反応してメッセージやアプリの更新を確認していたかもしれません。しかし、時間が経つと通知音に対する感応度が低下し、繰り返し同じ音が聞こえても、無意識的に無視するようになります。
感応度逓減性とウェバー・フェヒナーの法則
ウェーバー・フェヒナーの法則は、心理学と知覚の分野で、感覚刺激の強さとその知覚の強さとの関係を説明する法則です。感応度逓減性は、この法則を通じて説明することができます。
ウェーバー・フェヒナーの法則は、刺激の強さが増加するにつれて、その変化に対する知覚の増加が相対的に減少すると主張します。これは、感応度逓減性と関連しており、繰り返し同じ刺激にさらされることで、その刺激に対する感度が低下していく現象を示しています。
例えば、重さを持ち上げるとき、最初に1kgの重さを持ち上げると、その重さをはっきりと感じることができます。しかし、その後、さらに1kgずつ重さを増やしていくと、その重さの増加に対する感覚は次第に鈍くなっていきます。この現象は、感応度逓減性とウェーバー・フェヒナーの法則の両方が関与しています。
同様に、痛みや快楽、音の大きさ、光の明るさなど、さまざまな感覚刺激に対しても、同じような現象が観察されます。刺激の強さが増加するにつれて、感じる変化の度合いが相対的に減少していくことが、ウェーバー・フェヒナーの法則と感応度逓減性の関係を示しています。
感応度逓減性が発動する理由
感応度逓減性は人々がより効率的かつ適応的に情報を処理し、リソースを最適化するための重要なメカニズムとなります。
- 注意の経済性
- 適応能力
- 損失回避とリスク管理
理由1:注意の経済性
私たちの注意力は限られています。感応度逓減性は、繰り返し同じ刺激に対して感応度が低下することで、私たちが新しい刺激や重要な情報に対して注意を向けることを容易にし、リソースをより効率的に利用できるようになります。
理由2:適応能力
環境は常に変化しており、私たちは新しい状況に適応する必要があります。感応度逓減性は、私たちが繰り返し同じ刺激に慣れることで、環境の変化に対してより迅速に適応する能力を向上させます。
理由3:損失回避とリスク管理
感応度逓減性によって、私たちは損失やリスクに対して慣れることがあります。これは、適度なリスクを取ることで、より良い選択肢や機会を活用できるようになる効果があります。ただし、過度な感応度逓減性はリスクを過小評価し、不適切な判断を下すことにつながる可能性もあります。
以上のように、感応度逓減性は、私たちが限られたリソースを最適化し、環境の変化に適応するための重要なメカニズムとして機能しています。感応度逓減性は、私たちの認知システムが効率的に情報を処理し、重要な事項に焦点を当てることを可能にする一方で、適切なリスク管理を促進する役割も果たしています。
ただし、感応度逓減性には注意が必要な場面もあります。例えば、健康や安全に関連する問題の場合、繰り返し同じ刺激にさらされることで感応度が低下し、重大なリスクを認識しなくなる可能性があります。このような状況では、システム2を活用して論理的で意識的な思考を行い、状況を適切に評価することが重要です。
また、感応度逓減性は消費者行動や市場にも影響を与えます。消費者は繰り返し同じ商品やサービスを利用することで、その魅力に対する感応度が低下し、新しい商品やサービスに興味を持つことがあります。これは、市場が競争力を維持するために新しいアイデアやイノベーションが必要であることを示しています。
総じて、感応度逓減性は、私たちの思考や行動に大きな影響を与える現象であり、行動経済学的視点から考察することで、私たちがどのようにリソースを最適化し、環境の変化に適応し、リスクを管理しているかを理解することができます。しかし、その効果が適切な評価や判断を阻害する可能性もあるため、適切なバランスを見極めることが重要です。
感応度逓減性と習慣化
感応度逓減性を習慣化に活用することで、新しい習慣を形成しやすくなるだけでなく、自己改善や自己成長にもつながります。以下の方法を参考にして、感応度逓減性を習慣化に活用してみてください。
- 小さな変化を導入する
- 継続的な刺激の変化
- 目標を段階的に上げる
- 他者との競争や協力
- フィードバックを利用する
方法1:小さな変化を導入する
習慣化を試みる際、一度に大きな変化を求めるのではなく、小さな変化を徐々に導入することが効果的です。これにより、感応度逓減性が働き、新しい状況に徐々に慣れることができます。
たとえば、毎日3,000文字のブログ記事を書きたいのであれば、まずは毎日300文字書くところからスタートします。それを毎日継続していくと、感応度逓減性により、ブログを書くこと自体に慣れていくため、最終的に3,000文字のブログ記事を書くまでになるわけです。
方法2:継続的な刺激の変化
同じ習慣を繰り返すことで飽きやすくなるため、継続的に刺激を変えることが重要です。
たとえば、瞑想の習慣をつける場合、毎日同じ瞑想法を行うのではなく、呼吸法を変えたり、音楽を聴いたり、ガイデッド瞑想を試すなど、さまざまなアプローチを試すことで、飽きを防ぎながら習慣化を進めることができます。
方法3:目標を段階的に上げる
習慣化の過程で、段階的に目標を上げることで、自分に対する刺激を継続的に与えることができます。これにより、感応度逓減性が働き、継続的に自己改善ができるようになります。
たとえば、ランニングの習慣をつける場合、最初は1週間に2キロを走ることを目標に設定し、次の週には3キロ、さらに次の週には4キロと、徐々に距離を延ばしていくことで、自分に対する刺激を継続的に与えることができます。
方法4:他者との競争や協力
他者と競争したり、協力して目標に取り組むことで、新しい刺激を得ることができます。これにより、感応度逓減性が働き、習慣化を継続する意欲が維持されます。
読書の習慣をつける場合、友人や家族と一緒に読書会を開催したり、オンラインの読書サークルに参加したりすることで、他者と競争しながらも協力して目標に取り組むことができます。
方法5:フィードバックを利用する
自分の進捗や成果に対するフィードバックを得ることで、感応度逓減性を活用し、継続的な改善や成長を促すことができます。フィードバックは、自己評価だけでなく、他者からの評価やアプリを使ったデータ分析など、さまざまな方法で得ることができます。
節約の習慣をつける場合、家計簿アプリを使って毎月の支出を確認し、無駄遣いを見つけたり、節約の工夫を見直したりすることで、自分の進捗に対するフィードバックを得ることができます。
感応度逓減性と営業活動
営業パーソンから、よくこのような質問をもらうことがあります。
それは「営業で否定されるのが怖いです…」というもの。
しかし、それも感応度逓減性に従えば、他者から否定されることも数をこなしていくうちに慣れてきます。もちろん、これは他のことにも言えます。
たとえば、初対面の人と会う、ヒアリングをする、プレゼンテーション、クロージングなど。営業は厚かましい人に向いている天職だと思っているかもしれませんが、そんなことはありません。我々は、程度はどうあれ社会的欲求という、分かりやすく言えば「他者から嫌われたくない!」という欲求を平等に持っています。しかし、これも様々な顧客と繰り返し会っていく中で慣れていきます。
もし、今「私は、性格的に営業に向いていないのでは?…」と少しでも感じているのであれば、6ヶ月は本気で行動してみて下さい。もしかしら、6ヶ月後には「嫌われるなんてもう慣れたわ〜」となっているかもしれません。このように、嫌われることに慣れると、数をこなすことができるようになるので、あなたの売上を上げてくれること間違いなしです。
ぜひ、営業初心者の方は、「オータニが感応度逓減性の話をブログでしていたな!」ということを思い出して、自分自身を奮起させるきっかけにしていただければ幸いでございます。
まとめ
感応度逓減性とは|トップセールスになるための最強マインドセットはここにある!
感応度逓減性とは、同じ刺激を繰り返し受けることで、その刺激に対する感度が低下していく現象のことです。
この現象を理解することで、習慣化や営業への対策を行うことができます。もし、何か継続したいことがあったり、営業活動の中で数をこなせず落ち込んでしまっている方は、この記事を何度も読み、自身を奮起させるために使っていただければと思います。
感応度逓減性とは|トップセールスになるための最強マインドセットはここにある!