ヒアリングって具体的に何を質問すればいいの?
SPIN話法ってなに?
こんな悩みを抱えていないでしょうか?
ヒアリングの重要性には気づいているけど、何を?どのような順番で? 質問していけばいいのか分からないですよね?
しかし、 そんな悩みを一気に解消するフレームワークがあります。
それがSPIN話法なのです。
SPIN話法を使うことで、ヒアリングを完全に攻略することができます。なので、ぜひこの記事でマスターしていきましょう。
というわけで本日は、
- ヒアリングとは
- SPIN話法とは
というテーマでブログを執筆していこうと思います。
目次
SPIN話法(スピン話法)とは
「S→P→I→N」という順番で質問をすることで、顧客のニーズを引き出すフレームワーク
- 状況質問(situation)
↓ - 問題質問(problem)
↓ - 示唆質問(implication)
↓ - 解決質問(need-payoff)
- 現状・理想はどんな感じ?
↓ - 課題は?
↓ - 放置したらやばくない?
↓ - 解決しましょうか?
手順1:状況質問(situation)
現状と理想を引き出す質問
いくつか質問をさせていただきたいのですが、
- 現状はどのような状況ですか?
- 理想はどのような状態ですか?
目的
状況質問の目的は、「現状」と「理想」を引き出すことです。
なぜなら、営業とは、顧客の問題解決(「現状」と「理想」のギャップを埋めること)だからです。つまり、状況質問をしなければ、商品・サービスを売り込むことができないということです。
もし、営業の基礎理論について詳しく知りたい方は、下記の記事を参考にしてもらえればと思います。
ポイント
- どちらから質問してもOK
- 前置きをする
- 具体的にする
ポイント①:どちらから質問してもOK
現状と理想についてはどちらから質問をしても問題ありません。
ただ、オータニ視点でお伝えするのであれば、理想から質問した方がヒアリングがスムーズになります。なぜなら、現状から質問をしてしまうと、基本的に言いたくない話からすることになるからです。
もちろん、ヒアリングの前に、しっかりと信頼が強化できていれば問題はないのですが
たとえば、パーソナルトレーナーを例にすると、いきなり「体重何キロですか?」と質問をされてしまうと、恥ずかしいであろう現在の体重の話からスタートさせなければなりません。
しかし、「最終的には何キロになりたいとお考えですか?」という明るい未来についての質問からスタートした方が、そのようなネガティブな感情を抱かせずに済みます。
なので、販売する商品によっても違ってはきますが、状況質問を行う際は、理想から質問をするようにしてみてください。
ポイント②:前置きをする
いくつか質問をさせていただきたいのですが、(お前置き)
- 現状はどのような状況ですか?
- 理想はどのような状態ですか?
前置きをしてから、質問をするようにしましょう。理由としては、前置きなしでいきなり質問をしてしまうと、尋問のような圧迫感を与えてしまうからです。
他にも、「これは皆さんにお伺いしているのですが〜」「〇〇さんのことをより理解したいと思っているので、いくつか質問させていただきたいのですが〜」なども効果的な前置きになります。
ここでは、前置き無しでいきなり現状や理想の質問をしない!ということを覚えておきましょう。
ポイント③:具体的にする
「現状」と「理想」は、具体的にするようにしましょう。なぜなら、具体的にしないと、顧客の「現状」と「理想」がフワフワしてしまうからです。
※「数字」を意識することで具体的になります
こちらもパーソナルトレーナーの例を使って解説しましょう。たとえば、顧客が下記のような「現状」や「理想」を伝えてきたとします。
理想:とにかく痩せたい!
↑
現状:めっちゃ太っている…
さて、あなたは、どのようにして目の前の顧客の問題を解決しますか?きっと、具体的な解決策が浮かんでこないのではないですよね。
というのも、現状の体重も理想の体重もフワフワしていたら、そのギャップが分からないからです。
つまり、「現状」と「理想」が抽象的であれば、そのギャップも抽象度が高くなり、それによって解決策も抽象的になってしまうのです。
なので、下記のような感じで、数字を使って具体的にしていきましょう。
- 理想:12月31日までにマイナス10キロ!
↑ - 現状:体重60キロ
このように、数字ベースに落とし込むことで、解決策が具体的になり、商品・サービスを提案しやすくなります。
手順2:問題質問(problem)
課題を引き出す質問
現状から理想の状態に行くまでにどのような課題がありますか?
問題質問の目的
問題質問の目的は、「現状」から「理想」へ行く上での障壁(課題)を聞くことです。
つまり、なぜ「現状」から「理想」へ行くことができないのか? をヒアリングするのです。
上記例で言うと、「継続が苦手」というのが課題に当たります
ポイント
- 課題を可視化させる
- 課題のハードルを下げる
ポイント①:課題を可視化させる
課題を引き出す際は、それを書き留めて、後から見える形にするようにしておきましょう。なぜなら、それにより顧客の問題意識を強化することができるからです。
たとえば、「あなたの課題はA、B、Cです」と口頭で伝えるよりも、それをiPadや紙などに書き留めておいて、後から見せた方が、強く印象に残りますよね。
それは、最終的に、顧客の購入動機につながっていきますので、ぜひ顧客の課題はしっかりと書き留めておくようにしましょう。
ポイント②:課題のハードルを下げる
①どんなに小さなことでもいいのですが、現状から理想の状態に行くまでの課題を②強いて3つあげるとしたら何がありますか?
上記トークを行うことで、より多くの課題を抽出することができるようになります。多くの課題を抽出することができれば、それだけ顧客の問題意識も高まりますので、契約率に大きな影響を与えます。
では、上記トークの中に入っているトリガーを2つ解説していきます。
まずは、「どんなに小さなことでもいいのですが〜」の部分について。
そもそも”課題”とか”悩み”などと言われると、”大きなもの”という認識をしてしまいます。
なので、前置きとして「どんなに小さなことでもいいのですが〜」と添えることで、課題のハードルを下げることができるので、顧客の課題を抽出しやすくなるのです。
次に、「強いて3つあげるとしたら〜」の部分について。
「課題はありますか?」という質問をするよりも、数を使った具体的な質問することで、顧客の脳は「3つ探そう!」と課題の発見に積極的になります。
以上の理由から、上記トークを使うことで、より多くの課題を抽出することができるようになるのです。課題を抽出する際は、ぜひ使ってくださいね。
手順3:示唆質問(implication)
痛みを与える質問
〇〇さんは、今のままで〜という現状から、〜という理想へいけそうでしょうか?
示唆質問の目的
示唆質問の目的は、訴求度を高めることです。つまり、購入への動機を強化することができるのです。
なぜなら、示唆質問によって、顧客に「このままでは、確かにやばいかも…」と感じさせることができるからです。
ポイント
- 前置きをする
- 信頼を強固にする
- 無理にする必要はなし
ポイント①:前置きをする
示唆質問と前置きはセットで行うようにしましょう。たとえば、前置きには次のようなものがあります。
- これは確認のために、皆さんにお伺いしているのですが〜
- 〇〇さんの人生を変えたいからこそ、あえて質問させていただくのですが〜
- もちろん、もう〇〇さんの誤認識されているとは思いますが〜
示唆質問は、少なからず顧客にストレスを与えるトークになります。なので、状況質問の時と同様に、前置きが大切になってきます。
ポイント②:信頼を強固にする
信頼が強固になっていない段階で、示唆質問はしないようにしましょう。なぜなら、“ただの嫌なヤツ”になってしまうからです。
前述しました通り、示唆質問は、相手にネガティブな印象を与えるトークになります。ななので、これは示唆質問だけに限りませんが、ヒアリングは信頼関係が築けてから行うようにしましょう。
ポイント③:無理にする必要はない
商品・サービスの購入をものすごく前向きに考えている顧客に対して、無理に行う必要はありません。
というのも、繰り返しにはなりますが、示唆質問はネガティブな質問なので、「嫌なヤツだなぁ」と思われてしまう可能性が高いからです。
たとえば、「化粧品を購入したい!」と意気込んでいる顧客に対して、「もしも、化粧品を購入しなかったら、どうなりそうですか?」なんて質問をすれば、「何この人!?」ってなりますよね?
このように、示唆質問の目的はあくまでも「購入の動機付け」なので、前向きで動機が明確な顧客には、控えるのがいいでしょう。
手順4:解決質問(need-payoff)
プレゼンテーションに移行するための質問
よろしければ、〇〇さんの問題を解決するための提案をさせていただければと思うのですが、お時間ありますか?
解決質問の目的
解決質問の目的は、プレゼンテーションに移行することです。
念の為、営業プロセスを整理しておくと「ラポール(信頼)→ヒアリング→プレゼンテーション→クロージング」という流れになります。
今回のSPIN話法は、ヒアリングの部分に当たります
つまり、解決質問は、次の営業プロセスであるプレゼンテーションに移るという非常に大切な質問ということになりますね。
ポイント
- 「お時間はありますか?」と質問をする
- 即決トーク
ポイント①:「お時間ありますか?」と質問する
売れない営業マンは下記のようなトークをしてしまいがちです。
- ご興味ありますか?
- いかがでしょうか?
- どうされますか?
このような感じでプレゼンテーション移行しようとすると、顧客は「買わなきゃいけないのかなぁ…」とプレゼンに対して大きなストレスを感じてしまいます。
なので、「お時間ありますか?」という柔らかい表現に変えるようにしましょう。
加えてお伝えしておくと、時間も一緒に伝えた方が良いこともあります。
たとえば、「よろしければ、〇〇さんの問題を解決するための提案をさせていただければと思うのですが、5分ほどお時間ありますか?」という感じで。
このように、あらかじめ時間を伝えておくことで、「5分だったら〜」という感じで、プレゼンテーションへのストレスをさらに軽減させることができるようになります。
逆に、普段のプレゼンテーションが長い場合は、あえて時間を伝えない方が良いかもしれませんね。なぜなら、長い時間を伝えると、それがストレスになり、プレゼン移行率が低下してしまう可能性があるからです。
ポイント②:即決トーク
よろしければ、〇〇さんの問題を解決するための提案をさせていただければと思うのですが、お時間ありますか?(プレゼン移行トーク)
もしも内容にご納得していただけましたら、この場でスタートしていただく形でもよろしいでしょうか?(即決トーク)
プレゼン移行トークが終わったら、必ず即決トークを行うようにしましょう。理由としては、顧客の「検討します」を封じ込めることができるからです。これにより即決率が高まります。
即決トークにイエスと言ってしまうと、「その場で『やる?』『やらない?』を決断をする!」という約束を取り付けたことになります。
これはコミットメントと一貫性の原理が影響しています
多くの顧客は、頻繁に「検討します」という魔法の言葉を発することで、購入を先延ばしにしようとします。というのも、脳科学的に”購入”は痛みが伴う行動だからです。
ただ、営業マン視点で言えば、「検討します」を許すことはNGとなります。なぜなら、自宅に持って帰らせてしまうと、購入意欲が減退してしまうからです。
たとえば、感動した映画でも、時間が経ってしまえば、その感動レベルは徐々に減少していくのと一緒です。
そうならないためにも、即決トークを使って、「検討します」を封じ込めるということが大切なのです。
SPIN話法(スピン話法)のまとめ
- 状況質問(situation)
↓ - 問題質問(problem)
↓ - 示唆質問(implication)
↓ - 解決質問(need-payoff)
これでもう「何を?どのような順番で?」という悩み持つことはないでしょう。
もちろん、最初は難しいと感じるでしょうが、何度も繰り返し使っていくうちに慣れてきます。
なので、まずはSPIN話法に則ったトークを作成し、それを今後の営業に繰り返し使っていくようにしましょう。
初めまして!
めっちゃ分かりやすくて、凄く実用的で感動しました。
早速、SPIN法をビジネスに取り入れて、自分のサービスを必要な方に届けられるようになりたいと思います。
これからもブログを見て、勉強させて頂きます。
ありがとうございます!