イエスセット(yes set)とは、小さなイエスを積み重ねることで、本命のイエスを取りやすくなるというテクニックです。
たとえば、営業で契約を取りたいと思っていた場合、”契約”という本命のイエスを取るまでに、小さなイエスをコツコツ積み重ねておけばいいのです。
たとえば、「今日はいい天気ですね?」「休日は読書をされているんですね!」「〜という悩みを抱えているということでお間違いないですか?」など。
しかし、なぜこのような現象が起こるのでしょうか?そして、イエスセットには、本当にそのような効果があるのでしょうか?…
というわけで本日は
というテーマでブログを執筆していこうと思います。
目次
イエスセット(yes set)とは
小さなイエスを積み重ねることで、本命のイエスを取りやすくなるというテクニック
イエスセットは、コミットメントと一貫性の原理と非常に密接な関係があります。
言動と一致した態度を取るようになるという心理現象
我々には、約束をしたら、それを貫き通さなければならないと感じる心理傾向があります。
たとえば、約束の時間に遅れてしまって、「やばい!」と焦ったり、罪悪感を感じた経験はありませんか。これは約束をしたことで、それと一貫した思考・行動を取ろうとする分かりやすい例になります。
実は、イエスセットもこの現象と全く一緒で、小さなイエスをコツコツ行うことによって、本命の要求にもイエスと言いやすくなってしまうのです。
イエスセットの事例
上記説明だけではイエスセットのイメージがわかないと思うので、下記に簡単な事例を紹介しておきます。
営業: お客様の業界では、最近競合が激化していると感じていますか?
顧客: はい、そうですね。
営業: そのため、コスト削減や効率化が求められていると思いますが、いかがでしょうか?
顧客: はい、その通りです。
営業: 弊社の提案するソリューションは、まさにその課題を解決するために開発されたものです。
よろしければ御社のお手伝いをさせていただきたいと思っているのですが、お時間10分ほどございますでしょうか?
顧客: はい
イエスセットと営業プロセス
イエスセットは、下記の各営業プロセスで使うことが可能です。
- ラポール:信頼構築
↓ - ヒアリング:情報収集
↓ - プレゼンテーション:情報提供
↓ - クロージング:締めくくり
たとえば、前述した事例は、ヒアリングで使うイエスセットになります。具体的に言えば、ヒアリングからプレゼンテーションへ移行する時に使うイエスセットですね。
これ以降では、各営業プロセスでどのようにイエスセットを活用するのか、を解説していこうと思います。
クロージングでは、イエスセットは使いません。理由としては、クロージングは営業のゴールだからです。つまり、クロージングでイエスを取るために、それより前の営業プロセスでイエスを取るといったイメージになります。
イエスセット(yes set):ラポール編
ラポールでは、次のような形でイエスセットを活用することが出来ます。
バックトラッキング
バックトラッキング(おうむ返し)
相手の言ったことをそのままの形で繰り返すコミュニケーションテクニック
バックトラッキングには、顧客と潜在意識レベルで相手と信頼関係を構築することができることが数々の研究で分かっています。
営業:出身はどちらですか?
顧客:奈良県です
営業:奈良県なんですね!(バックトラッキング)
顧客:(はい)
この手法を用いることで、相手の心の中で「イエス」を獲得することができます。もちろん、やり過ぎはよくないですが、バックトラッキングは、普段からクセづけるようにしましょう。
イエスセット(yes set):ヒアリング編
ヒアリングでは、次のような形でイエスセットを活用することが出来ます。
- 理想
- 現状
- 課題
ヒアリングについて詳しく知りたい方は、下記のSPIN話法の記事を参考にしていただければと思います。
願望のイエスセット
営業:最終的に、どれぐらいの売上を作りたいとお考えでしょうか?
顧客:500万円は作りたいですね
営業:500万円ですね?
顧客:はい
営業:それはいつまでに作りたいとお考えでしょうか?
顧客:今年の12月までには、作りたいと考えておます
営業:今年の12月までにですね?
顧客:はい
営業:では、〇〇さんは、12月までに毎月500万円を稼げるようになりたいということでお間違いないでしょうか?
顧客:はい
現状のイエスセット
営業:現在の売り上げはどれくらいですか?
顧客:100万円ほどですね
営業:100万円ですね?
顧客:はい
課題のイエスセット
営業:では、100万円から500万円にいくまでの課題を強いて3つ挙げるとしたら、何がございますか?
顧客:紹介が出ないことがいちばんの要因ですね
営業:紹介が出ないんですね?
顧客:はい
営業:他には、何かありますか?
顧客:後は、ヒアリングが苦手です…
営業:ヒアリングが苦手なんですね
顧客:はい
イエスセット(yes set):プレゼンテーション編
- プレゼン移行
- プレゼン中
プレゼン移行のイエスセット
〇〇さんの問題を解決をするためのお手伝いをさせていただければと思うのですが、10分ほどお時間ございますか?
プレゼン移行トークとは、ヒアリングからプレゼンテーションに移行するためのトークになります。この質問をイエスを取り付けることで、プレゼンテーションに進むことができるようになります。
ここでのポイントとしては、「お時間ございますか?」というトークです。
「ご興味ありますか?」「お話聞いてみませんか?」などの場合、「話を聞いたら、購入しないといけないのかなぁ…」と購入へのプレッシャーを与えてしまうことになります。
しかし、「お時間ありますか?」だと、多少ではありますが、そのようなネガティブなイメージが払拭されますよね?
なので、プレゼン移行する際は、「お時間ありますか?」というフレーズで締めるようにしましょう。
プレゼンテーション中のイエスセット
プレゼンテーション中のイエスセット(yes set)では、ヒアリングで明確にした顧客の「現状」と「願望」の2つを意識してイエスセット(yes set)をしていきましょう。
なぜなら、ヒアリングで行ったイエスセット(yes set)を再度行うことで、顧客に問題を再認識してもらうことができ、さらに、購入の動機を強化することができるからです。
営業:弊社商品を使えば、〇〇さんがおっしゃっていた、(現状)から(理想)に行けそうだと感じませんか?
顧客:はい、感じます
イエスセット(yes set)をマーケティングに活用する方法
マーケティングでは、イエスセットを下記のような形で活用することが可能です。
- 問題提起
- 具体例
方法1:問題提起
読者の抱えているであろう問題を提示する技法
通販番組などで下記のような文言を聞いたことはありませんか。
「ダイエットをしてもすぐにまたリバウンドをしてしまう…」こんな経験はありませんか?
このように、文章や動画の冒頭を問題提起からスタートすることで、ユーザーからイエスを取ることができます。
ユーザーからイエスが取れていない場合、それはあなたの見込み顧客ではありません
その結果、それ以降のコンテンツを閲覧してもらえる可能性を高めることができます。
ちなみに、弊社で販売している営業心理学講座は、問題提起からスタートしております。参考に下記の動画をチェックしてみてください。
方法2:具体例
具体例を伝える時は、必ずイエスセットを取るようにしましょう。というのも、具体例ではイエスを取りやすいからです。
たとえば、オータニは、返報性の原理の説明する時に、下記のように説明します。
バレンタインデーにチョコレートをもらったら、ホワイトデーにお返しをしなければと感じますよね?(イエスセット)
これが返報性の原理です。
このように、具体例という「あるある」はイエスを取るのに絶好のチャンスなので、ぜひ積極的に行うようにしましょう。
まとめ
イエスセット(yes set)とは|契約率爆上がりの心理テクニック
イエスセット(yes set)は地味ではありますが、販売においてものすごく効果の高いテクニックです。
これからは契約率UPのためにコツコツと小さなYESを取り続けることを意識して行きましょう。
イエスセット(yes set)とは|契約率爆上がりの心理テクニック