著書:サイコロジーセールスを出版しました

フォールスコンセンサスとは|営業・マーケティングに活用する方法を徹底解説

フォールスコンセンサスとは、自分の意見や行動が一般的だと考える心理現象のことです。

たとえば、「〇〇ちゃんには甘いお菓子を買って帰ろう〜」とお土産を買ってきたものの、友達は甘いものが好きではありませんでした…こんな経験はありませんか。これは「自分は甘いものが好きだから、〇〇ちゃんも甘いものが好きに違いない!」と無意識レベルで勘違いしてしまった結果生じた現象です。

実は、このようなフォールスコンセンサスにより、人間関係のトラブルに巻き込まれることが多々あります。なぜなら、他者の考えとこちらの考えに齟齬そごが生まれてしまうからです。では、どうすればこのようなトラブルを避けることができるのでしょうか。

というわけで本日は、

本日のテーマ

フォールスコンセンサスとは|営業・マーケティングに活用する方法を徹底解説

というテーマで記事を執筆していこうと思います。

フォールスコンセンサスとは

フォールスコンセンサス

自分の意見や行動が一般的だと考える心理現象

フォールスコンセンサス(False Consensus)とは、認知バイアス(cognitive bias)の一種で、人々が自分の意見や信念、価値観を他人も同様に持っていると過度に推定する傾向を指します。これは、自分の意見や行動が一般的であるという考えにより、他人も同じように考えるだろうという期待が生まれます。

フォールスコンセンサスは、自分の視点を過度に重視し、他人の視点や状況を考慮するのが困難になるために起こるとされています。このバイアスは、コミュニケーションの誤解や対立を引き起こすことがあり、グループ内での意見の違いを過小評価する結果につながることもあります。

対処法としては、他人の意見や視点を聞くことを積極的に行い、自分の意見や信念が必ずしも普遍的でないことを認識することが重要です。また、意思決定や意見形成において、多様な情報源や視点を取り入れることで、このバイアスを緩和することができます。

フォールスコンセンサスの具体例

では、いくつか具体例をみていきましょう。

  1. 政治的意見
  2. 嗜好や趣味
  3. 社会的な規範や価値観

事例1:政治的意見

政治的な議論において、自分の意見が多数派であると過度に考えることがフォールスコンセンサスの一例です。例えば、ある政治家や政策を支持している人は、自分の周囲の人々も同じようにその政治家や政策を支持していると思い込むことがあります。しかし、実際には多様な意見が存在し、自分の意見が必ずしも多数派でないことがあります。

事例2:嗜好や趣味

自分が好きな映画や音楽、食べ物などの嗜好や趣味を他人も共有していると思い込むこともフォールスコンセンサスの一例です。例えば、自分があるテレビ番組が大変面白いと感じている場合、他の人も同じようにその番組を楽しんでいると過度に推定することがあります。

事例3:社会的な規範や価値観

自分が持っている社会的な規範や価値観が、他人にも共通していると過度に考えることもフォールスコンセンサスの例です。たとえば、ある人が環境保護やリサイクルの重要性を強く感じている場合、他人も同じように環境問題に関心を持っていると考えることがあります。しかし、実際には、人々の関心や価値観は多様であり、自分の考えが他人にも当てはまるわけではありません。

フォールスコンセンサスの実験

1970年代後半にマーク・スネラーやリチャード・ラポーア、リー・ロス、アンドリュー・ウォードらによって行われた「サンドイッチマンの実験」を紹介します。この実験は、フォールスコンセンサス効果を検証するために行われました。

  1. 参加者は、自分が大学のキャンパス内で、「恥ずかしい」コスチューム(サンドイッチボードと呼ばれる看板を身につけた格好)を着用して宣伝活動を行うかどうかを選択するように求められました。
  2. 次に、参加者は他の学生たちが同じ状況に置かれた場合、どの程度の割合でこの宣伝活動に参加するだろうかと推定するように指示されました。
  3. 参加者の予想を、実際に宣伝活動に参加する学生の割合と比較しました。

この実験の結果、参加者は自分が選んだ選択肢(宣伝活動に参加するかしないか)を他の学生も同じように選ぶだろうと過度に推定していました。つまり、宣伝活動に参加すると答えた参加者は、他の学生も同様に参加するだろうと予想しました。一方、宣伝活動に参加しないと答えた参加者は、他の学生も同じように参加しないだろうと予想しました。

  • 同意した学生:他の学生も同意するだろう(約60%)、他の学生は拒否するだろう(約40%)
  • 拒否した学生:他の学生も同意するだろう(約30%)、他の学生は拒否するだろう(約70%)

この実験は、フォールスコンセンサス効果が人々の判断に影響を与えることを示しており、自分の意見や選択が他人にも当てはまると過度に推定する傾向があることを示唆しています。

フォールスコンセンサスが発動する理由

フォールスコンセンサス効果が発動する心理学的理由はいくつかありますが、ここでは3つの主要な理由をわかりやすく説明します。

  1. 自己中心性バイアス
  2. 利用可能性ヒューリスティック
  3. 確証バイアス

理由1:自己中心性バイアス

人々は自分自身の視点や経験を基準にして物事を評価する傾向があります。自分の意見や信念、価値観が正しいと感じるため、他人も同じように考えると思い込むことがあります。この自己中心性バイアスによって、人々は自分の考え方や行動を他人に過度に当てはめる傾向があります。

理由2:利用可用性ヒューリスティック

人々は情報の利用可能性や想起しやすさに基づいて判断を行う傾向があります。自分自身の意見や経験は容易にアクセスできるため、他人の意見や経験よりも自分のものを重視することがあります。その結果、他人も同じように考えるだろうと過度に推定するフォールスコンセンサス効果が生じます。

理由3:確証バイアス

人々は自分の信念や仮説を支持する情報を探し求める傾向があります。この確証バイアスによって、他人の意見や行動が自分の信念に一致する場合、その情報が目立ちやすくなります。一方で、自分の信念に反する情報は無視されやすくなります。この結果、自分の意見が一般的であると考え、他人も同じように考えると思い込むことがあります。

フォールスコンセンサスから脱却する方法

フォールスコンセンサス効果から脱却するためには、自己認識を高め、他人の視点や経験を理解しようとする努力が必要です。以下にいくつかの方法を紹介します。

  1. 自己反省
  2. 積極的なリスニング
  3. 確証バイアスに対抗する
  4. 多様な人々と交流する
  5. 情報源を広げる

方法1:自己反省

自分自身の考え方や価値観について定期的に自己反省し、自分の意見が必ずしも普遍的でないことを認識しましょう。自分の信念や意見が他人に当てはまらない可能性があることを意識することが重要です。

方法2:積極的なリスニング

他人の意見や経験を尊重し、積極的にリスニングすることで、他人の視点を理解しやすくなります。対話の際には、相手の話を中断せず、質問を通じてより深く理解しようとすることが大切です。

方法3:確証バイアスに対抗する

自分の信念を支持する情報だけでなく、自分の信念に反する情報も積極的に収集・検討しましょう。異なる意見や視点に触れることで、フォールスコンセンサス効果に陥りにくくなります。

方法4:多様な人々と交流する

異なる文化や背景を持つ人々と交流することで、多様な価値観や意見に触れる機会が増えます。これにより、自分の視点が必ずしも普遍的でないことを実感し、フォールスコンセンサス効果から脱却しやすくなります。

方法5:情報源を広げる

情報源を多様化し、異なる視点や意見を含む情報にアクセスしましょう。メディアやSNSのエコーチャンバー現象に陥らないよう、様々な立場の意見や報道に触れることが重要です。

フォールスコンセンサスを営業に活用する方法

では、ここからはフォールスコンセンサスを営業に活用する方法をいくつか紹介します。

  1. 顧客の視点を理解する
  2. 市場調査や情報収集
  3. フィードバックを求める

方法1:顧客の視点を理解する

営業パーソンは、顧客の視点やニーズを理解することが重要です。顧客との対話を通じて、顧客の課題や要望を明確に把握し、それに基づいて提案を行いましょう。自分の意見や価値観が顧客に当てはまるという前提を捨て、顧客の立場で物事を考えることが大切です。

方法2:市場調査や情報収集

営業パーソンは、市場調査や情報収集を行い、顧客のニーズや業界動向について幅広く知識を持っておくことが重要です。異なる視点や意見を含む情報を収集し、自分の意見や経験だけに頼らず、客観的な判断ができるように努めましょう。

方法3:フィードバックを求める

営業活動の過程で、同僚や上司、顧客からフィードバックを求めることが大切です。他人の意見や評価を聞くことで、自分の意見や判断が必ずしも普遍的でないことに気づきやすくなります。また、フィードバックを受け入れて改善することで、営業スキルの向上にも繋がります。

フォールスコンセンサスをマーケティングに活用する方法

では、ここからはフォールスコンセンサスをマーケティングに活用する方法をいくつか紹介します。

  1. ターゲット市場の研究と理解
  2. データ分析と戦略の検証
  3. 他部門や外部とのコラボレーション

方法1:ターゲット市場の研究と理解

ターゲット市場に関する調査を行い、顧客のニーズや業界動向について幅広い知識を持つことが重要です。顧客の視点やニーズを理解し、自分の意見や価値観が顧客に当てはまるという前提を捨てましょう。異なる視点や意見を含む情報を収集し、客観的な判断ができるように努めます。

方法2:データ分析と戦略の検証

マーケティング活動においては、データ分析を活用して戦略の有効性を検証しましょう。定量的なデータに基づいた分析を行うことで、自分の意見や判断が必ずしも普遍的でないことに気づきやすくなります。また、データに基づいた戦略の改善を継続的に行うことで、より効果的なマーケティングが可能になります。

方法3:他部門や外部とのコラボレーション

他部門や外部の専門家とコラボレーションを行い、多様な意見や視点を取り入れましょう。異なるバックグラウンドを持つ人々との協働を通じて、自分の意見や価値観が他者に当てはまらないことに気づくことができます。これにより、より効果的なマーケティング戦略が策定できるでしょう。

created by Rinker
フォレスト出版
¥1,760 (2024/02/21 13:32:24時点 Amazon調べ-詳細)

まとめ

本日のテーマ

フォールスコンセンサスとは|営業・マーケティングに活用する方法を徹底解説

フォールスコンセンサスにより、人間関係や営業、マーケティングなどでトラブルが生じてしまうことは多々あります。

しかし、事前にしっかりと対策しておくことで、それらの問題を解決することができます。

なので、フォールスコンセンサスについての理解を深め、しっかり対策するようにしましょう。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です