カチッサー効果とは、特定の刺激を与えることで、一定の反応が返って来るという心理現象のことです。
たとえば、バレンタインデーにチョコレートを貰ったら、ホワイトデーの日にお返しをしなければならないと感じたり、友達と約束をしたらそれを貫き通そうと感じたり、あるラーメン屋に行列が出来ていたら入ってみたい…などと感じた経験はないでしょうか。
このように、我々の行動はものすごく単純であり、特定の刺激に対して一定の反応を示すということが分かっていただけたのではないかと思います。本記事では、カチッサー効果の由来や詳細などを紹介していきます。
というわけで本日は、
というテーマでブログを執筆していこうと思います。
目次
カチッサー効果とは
特定の刺激を与えることで、一定の反応が返って来るという心理現象
カチッサー効果は、社会心理学者のロバート・チャルディーニ氏より提唱されました。由来としては、カセットテープの「カチッ」とボタンを押すことで、「サー」と録音した音声が流れるというところから来ています。
七面鳥の実験
一つ七面鳥を使った具体例をご紹介します。七面鳥の母鳥は、雛の「ぴーぴー」という泣き声(刺激)に反応して、エサを与えたり、寒さから守ったりというお世話(反応)をしており、恐ろしいことに「ぴーぴー」という泣き声がなければ、一切の世話をしないそうです。
ここでそんな面白い本能を持つ七面鳥を使った実験を紹介します。まず七面鳥の天敵である長毛イタチの剥製をラジコンカーに乗せ、七面鳥の巣まで走らせます。すると、当然母鳥は雛を守ろうと長毛イタチの剥製に襲いかかります。
この実験の肝はここからです。実はこの剥製にはある工夫が施されてありました。それは剥製の中に雛の「ぴーぴー」という泣き声を録音したカセットテープを入れておいたのです。実験の結果、剥製に挿入された雛の鳴き声を流すと、母鳥は剥製を襲うのをやめ、愛でるようになったのです。
しかし、音が止むと、再び剥製に襲いかかったのです。「七面鳥ってアホだなぁ〜」と思ったあなた。これは七面鳥だけの話ではなく、人間にも同じようなことが言えるということを忘れてはなりません。上記で説明したように、我々も特定の刺激を受けると、反射的に特定の反応をしてしまうのです。
カチッサー効果の実験
心理学者のエレン・ランガーが行った実験では、コピー機の順番待ちをしている列の先頭へ行き、順番を譲ってもらう依頼を3通りの言い方で試しました。
この結果、用件だけを伝えた1よりも、理由を含めて伝えた2や3のほうが承諾率は高くなりました。そして、コピーする枚数が少ない場合には、「急いでいるので」という本来の理由と、「コピーをとらなければいけないので」というこじつけの理由で、承諾率は大きく変わりませんでした。
このことから、頼み事をする際は、理由を添えたほうが承諾率は上がる、些細な頼みごとの場合、こじつけの理由でも承諾率は上がる、ということが分かりました。
もちろん、これは営業活動でも活用することが可能で、ただ主張をするだけではなく、そこに理由を添えるだけで、主張を通しやすくなったりもします。なぜなら、理由を添えるだけで説得力が高まるからです。
もし説得力を高めるための話し方について詳しく知りたい方は、PREP法というフレームワークを参考にしていただければと思います。
カチッサー効果の具体例
上記で説明した通り、我々は日々、カチッサー効果の影響を受けています。以降では、カチッサー効果の事例をいくつか紹介していきますね。
以降で紹介する心理法則については、いずれも営業やマーケティングで頻繁に活用されるものになります。もし、それぞれの詳細についての理解を深めたい方は、関連記事を参考にしてください。
- 返報性の原理
- コミットメントと一貫性の原理
- 社会的証明
- 権威
- 希少性
事例1:返報性の原理
返報性の原理とは、貰い物をしたら、お返しをしなければならないと感じる心理傾向のことです。たとえば、バレンタインデーの日にチョコレートを貰ったら、ホワイトデーの日にお返しをしなければならないと感じますよね。ではこの場合のカチとサーをまとめましょう。
事例2:コミットメントと一貫性の原理
コミットメントと一貫性の原理とは、約束をしたらそれを貫き通そうと思う心理傾向のことです。たとえば、ミーティングで「今月は、売上100万円達成します!」と伝えると、どうしても達成しようと思ったり、達成できなかった時に気まずさを感じますよね。ではこの場合のカチとサーをまとめましょう。
事例3:社会的証明
社会的証明とは、多数派の意見に従いたいと感じる心理傾向のことです。たとえば、「90%のお客様がこちらのAプランをご購入されています」と言われたら、じゃあ自分もそれを購入しようと感じてしまった経験はありませんか。ではこの場合のカチとサーをまとめましょう。
事例4:権威
権威とは、専門家の意見に従いたいと感じる心理傾向のことです。別の言い方をするのであれば、権威の前では盲目的になるという心理傾向とも言えます。たとえば、白衣を着た人物から薬を処方されたら素直に受け取りますよね。白衣を着た人物を「こいつは医者ではないのでは?」とは疑わないですよね。これが盲目的になるということです。この場合のカチとサーをまとめましょう。
事例5:希少性
希少性とは、限定された対象を不当に価値づけしてしまう心理傾向のことです。分かりやすい例で言えばバーゲンセールですね。「本日限り50%オフ」と言われると、それに緊急性を感じてしまい、購入してしまったなんて経験はありませんか。この場合のカチとサーをまとめましょう。
まとめ
カチッサー効果とは|相手の本能を刺激する営業心理テクニック
カチッサー効果とは、特定の刺激を与えることで、一定の反応が返って来るという心理現象のことです。我々は、日々、カチッサー効果の影響を受けて、購買行動をとっているということを理解していただけたでしょうか。
世の中には、様々なカチッサーが存在します。しかしそれも、心理学を学ぶことで、知ることが可能です。もし、様々なカチッサーについて知りたいという方は下記の記事を参考にしていただければと思います。
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